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【北欧:教育の旅⑥-1】危険も学びも、からだで覚える ~フィンランドの保育園にて~ | 2018/05/03


ヘルシンキから電車にのり、途中Leinela駅でバスを乗り継ぎ、自然豊かな郊外へ。 目指すは、保育園。

あれ、なんだか面白い建物が。デザイナーズマンション??

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前回記事:【北欧:教育の旅⑤-3】ゆったりシンプルな時間 ~フィンランドのご家庭にて~ | 2018/05/02 はこちら!フィンランドの一般家庭のおうちにお邪魔させていただきました。


さてさて、ここが目的地・Misteli(ミステリ)保育園です。

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さすがは保育園、LEGOカラーの色合いがとても可愛い!
そしてなんだか山小屋?コテージみたいな作りの建物。あたたかみがあります。

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遊具はさほどないけれど、近くの自然が子ども達の遊び場なんだろうなぁ。
(ちなみに、マイナス15度までは外で遊ぶんだとか...ひぇえ。。こたつに潜りたいです...笑)

子ども達は外にお散歩に出ているようで、いませんでした。

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園長先生のお話。
ここでは、21人の子ども達が在籍しており、3人の先生が受け持っているそう。(1人の先生につき、7人の子ども達という計算)
そして、先生の8割が10年以上勤続しているみたい。すごい。

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「37.5度の線引きをしない」
このお話がとても印象に残っています。
日本だと朝定期的に体温を測って記録するけれど、フィンランド では測らない。特に記録もしない。
子どもの機嫌や様子、諸々を総合的に見て、体調を判断するということ。
体温という数字に捉われず、一人一人の「子ども」と関わることで、答えを出すのだとか。
数字で判断できない諸々も、きっとあるもんね。みんな、異なる存在だからこそ、大切。

子どもの成長レポート的なものも、口頭で伝える程度で、連絡帳に書くこともないらしい。というか、連絡帳というものがない。

私は子どもを育てた経験はないけれど、一緒に旅したメンバーは現役のお母さんや、保育園の先生、保育関連の学校の先生、、などとほとんどが「保育」を経験している。
育てたことがある、まさに今育てている、
そういうのって当たり前のように思ってしまうけれど、ほんとすごいよなぁって思う。

保育園の中には、子ども達の作品がたくさん飾ってあった。
フィンランド 100周年のときは、それにちなんで「当時はどんな洋服を着ていたの?」というテーマで洋服を作って発表をしたり。

お母さんへのプレゼントに、布や素材を縫い合わせたお手製のバッグを作ったり。
ほんと完成度高いし、おしゃれ...!!

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針と糸なんて、私が初めて使ったのは小学生の時だよなぁ...  きっと、日本だと「危ないから触らせない」っていう教育だよね。


「考える」
「実践して学ぶ」
「手を動かす」
様々なヒントを用意して、子ども達がそれに対し自発的に動く。その行動をおとなは適度にアシスト。あくまで、子ども達が主役だから。
子どもによって、ほんとにいろんなものが出来上がりそう。楽しい。

何がしたいかは、子どもに委ねる。
何に関心を持っているかが、大切なのだとか。「危険」を取り除きすぎるのも、その関心を妨げるものになる、という考え方なのだろうな。

冬から春にかけて、みんなで作り上げたという絵。鮮やかな原色と自由な作風が、また素敵な雰囲気を醸し出しています。

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凍った池を見て、それじゃあ池を描いてみよう、春になったね、それじゃあ蝶々に描いてみようか。そうやって作られた絵はみんなのお気に入りになり、今はこうしてみんなの目に触れる壁に貼られているんだって。

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木製の温かい壁と、色とりどりの絵。差し込む陽の光。この空間の象徴みたい。作られたエピソードを伺うと、より一層愛着がわいてくる。
そして、園長先生の目がなおのこと、優しく見える。


遊びながら数字を覚えるための手作り教材もたくさん。瓶やマッチ箱に数字シールを貼り、該当する数のビーズを中に入れたもの。

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掲示物も、季節に関するものや惑星について調べたものなど、単に絵を描いたというだけでなく、そこに「調べる」という学びも含ませている。めちゃめちゃ高度な学びをしていて、とても面白い...!

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部屋の片隅にはLEGOブロックが。

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子どもたちの手作り掲示物。

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お母さんへのお手紙なども。

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ハンガリー式と呼ばれる知育玩具もありました。

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子ども達が戻ってくるなり、きゃ~!と園長先生の足元にガシッ!!
みんな、しがみついてきます。
園長先生の愛され具合がほんと〜に伝わってきて、みんなの笑顔にまたほっこり。

彼らは遊具に向かって駆け出して行ったり、自転車で敷地内を走り出していきました。

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思わず私も走って庭へ!!

自転車の後ろに乗せてあげる!と小さな子どもと相乗り。お姉さん(おばちゃん?汗)重いよねぇ笑 重いと思うけれど、それでも一生懸命ペダル回して前に進んでくれるのです。
よし、じゃあ私が今度自転車漕ぐね!
めっちゃ一生懸命自転車のペダルをまわす。
私の背中で、子ども達の高い声が聞こえてくる。
とても、可愛い。そして楽しい!!
並走して走ってくれる子ども達もいて、ちいさな自転車を漕ぎまくりました笑


そういえば、園内に掲示してあったアルファベット表。
「X」がキシリトールとなっていました。

虫歯予防に効果的というXYLITOL(キシリトール)。
基本的に朝・晩の歯磨きが主流のフィンランド では、ランチ後にキシリトールガムを噛む!というのが一般的みたい。
美味しいよね、キシリトール。
スーパーにもムーミンパッケージのキシリトールガムをいっぱい見かけました。

ちなみに保育園には部屋の入り口にこんな容器が用意されていました。

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中身はなんと、キシリトールガム笑
本当に生活の中に溶け込んでいます。入れ物もおもちゃみたいで可愛らしいです。フィンランドの国旗もしっかり描かれてますね。

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ふたたび、保育園内のお部屋を見学。
なんだか、秘密基地のようでワクワクする内装。木目の壁と床、天井から差し込む光が柔らかく、あたたかい。

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入り口付近には、外靴置き場とコートをかけるハンガーがズラリ。子どもたちはここで外に出るとき・戻ってくるとき、まずここで諸々準備をします。

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子ども達と遊びまくり、園長先生のお話を伺い、もうそろそろ帰りの時間。
だけど、熱意たっぷりの園長先生。話し足りない!という気持ちが溢れていて、その様子がとても素敵でした。
(みんなが腕時計を覗き込む、先生が両手を使ってガイドのK子さんに向かって熱弁する、なんだか微笑ましい写真が撮れました 笑)

「危険」も「興味」も子どもたちの生活の中に溶け込ませ、自然の中の実体験において感じ取らせる、学ばせる。
森、湖といった「自然」と共に生きる彼らにとって、それは本当に普通のことなんだろうなぁ。

園長先生、子ども達、
みんなどうもありがとう!お邪魔しました!

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朝はくもりだった空も、だんだんと青空が!

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午後は、職業学校に向かいます!

おまけ)
トイレ前の貼り紙。もじもじくまさん笑

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& ヘッドホンをつけるくまさん。

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耳が... 笑

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