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摂食障害の長い長いトンネルを抜けて~元摂食障害当事者からのメッセージ~210


でも、でも私は、今の自分の心に響く『言葉』を探して、出会うことで、その『言葉』を信じて『言葉の力』を借りてでも過食嘔吐をやめたいし、きっといつかはやめることが出来ると信じていたい。でなければ、いつまでたっても摂食障害の『その先』に辿り着くことは出来ないから。

摂食障害の『その先』……

私が夢見る、一日でも早く辿り着きたい、摂食障害の『その先』。そこには、一体何が待っているのだろうか。もしも過食嘔吐をやめることが出来たら、もしも『普通に』食べることが出来るようになったら、もしも極端な『痩せたい』に拘らなくなったら、私は笑顔でいられて、キラキラと輝いていて、楽しくて、幸せになれるのだろうか……

「そうなってくれたら嬉しいし、それが理想だけど、でももしかしたらそんなに劇的に心や気分が変わるものでもないのかなぁ。『痩せたい』と思った時だって、痩せれば全てが順調で、何もかもがうまくいって、きれいになれて、もちろん幸せになれる、って考えていたけど、実際はそんなこと全然なくて、そこに待っていたのは摂食障害という果てしない地獄の日々だったのだし」

やめたくてもやめられない過食嘔吐が続く日々は、私にとってもはや辛く、苦しい毎日でしかなかった。かと言って『痩せたい』を完全に手放すことも出来ずにいた。それでも、ほぼ食べ出したら止まらなくなって、次から次へと食べ物を詰め込んで、そのままではいられなくて、結局吐く、というサイクルを何とかして断ち切りたかった。たとえ摂食障害の『その先』が思い描くような幸せでも、理想でも、ユートピアでもないとしても、とにかく過食嘔吐をやめたかった。『食べること』と『痩せること』に支配されている今の私を、私自身が解放したかった。

そう、たとえ毎日笑顔でいられなくても、いつもキラキラと輝いていなくても、楽しいことばかりでなくても、幸せだと感じられることがそんなになくても、それでも過食嘔吐という地獄のような苦しみから抜け出せるのなら、摂食障害という長い長いトンネルから抜け出すことが出来るのなら、少なくとも今よりは笑顔でいられるし、今よりはキラキラと輝いているだろうし、楽しいこともあるだろうし、幸せだと感じることが出来るはず。

『その先』のことまで今は考えている余裕はないし、それは今考えることではないのかもしれない。今はただ、摂食障害という長い長いトンネルから抜け出すことだけを考えて、今出来ることを一つ一つ積み重ねる。ただそれだけ……


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