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摂食障害の長い長いトンネルを抜けて~元摂食障害当事者からのメッセージ~350


私は、摂食障害になってしまった。『痩せること』を追いかけて、追いかけて、追いかけているうちに『食べること』に追いかけられて、追いかけられて、追いつかれて捕まってしまった。そして『痩せること』と『食べること』に拘って、囚われて、それしか考えられなくなってしまった。それは辛くて、苦しくて、果てしない『地獄』のような経験だったけど、その長い長いトンネルにも希望の光が差し込み始めていた。先生や、由希や、陽子の力を借りて『普通に食べる』ことや『吐かずに食べる』ことにチャレンジすることが出来るようになってきていた。摂食障害を経験したことで『食べること』の大切さや『痩せること』の意味を改めて考えてみたりもした。

その全てがあって、私がいる。そう考えたら、辛く、苦しい経験も後から意味付けをすれば、乗り越えられるのかもしれない。

そして私は、先生に言われたように、摂食障害になってしまったことで、自分自身と向き合い、今までの自分自身を見つめ直すこともしてきた。人との関わりの中で自分はどうありたいのか、自分はどんなことをしたくて、どんなことをしたくないのか。『痩せること』に拘って、囚われて、依存してしまった私には、何か満たされない思いがあったのか、なかったのか。辛く、苦しい時間を過ごす中で、そんなことを考えたり、思い返してみたりもした。今まで、特に問題もなく、どちらかというと順調に思えた私の人生だったけど、摂食障害をきっかけに今まで深く考えたことがなかったことにも思いを巡らせてみた。

そう、私は摂食障害という長い長いトンネルから抜け出せなかったことを、なかったことには出来ないし、なかったことにはしたくない。これだけ必死に、真剣に、人生の全てを懸けてきた摂食障害という『病』を無駄にはしたくないし、無駄には出来ない。決して『摂食障害になって良かった』とは思わないけれど、何かしらの『意味』があったと思うことで、今までの自分を否定したくないし、認めてあげたい。


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