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年子3人忘備録17

【前回のあらすじ】秋になり七五三やらハロウィンやらのイベントが続くが、、、 我が家にはいとこのお下がりがたくさんあった。衣類、おもちゃ、自転車、、。当時若夫婦だった父母にとってこの上なくありがたい贈り物だった。 その中には、ライダー系のかぶり物や変身グッズもあった。 オンエアしているライダーのものではない、いわゆる型落ちしているにもかかわらず、ごっこ遊びができる子どもの適応力の不思議を実感した。 そして、イニシャルDだけでなく、あーさんや特にみーこがライダーごっこをしていた

    • 年子3人忘備録16

      [前回のあらすじ] 予測していた以上のドタバタ劇場を繰り広げたハワイ旅行から無事帰国する。 ハワイ旅行から遡ること半年、あーさんとみーこの七五三が執り行われていた。あーさんは満、みーこはかぞえの3歳である。着物はお宮参りにお祝いで実母が用意してくれたものと、さらに物持ちの良い実母が取り出した私の3歳時のものだ。着付けもヘアメイクも公園仲間に引き受けてもらった。当日は長襦袢でうろつく私をよそに着々と準備が進む様子が友人旦那による動画撮影で記録されている。 地元の天満宮にお参

      • 年子3人忘備録15

        【前回のあらすじ】 初めての海外旅行のてんやわんやな準備を終え、年子3人は初めて飛行機にのり常夏の国におりたつ。 年子たちはプール遊びの経験はあるが、海に行ったことはなかった。1.2.3歳を海に連れて行くのは命に危険がおよぶことが安易に想像できる。さらに残念なことに、私に泳ぐスキルがまるでないのだ。何かあった時に自分の始末すらできないわけである。したがって海での家族レジャーは選択肢に上がってこないのだ。 そんな年子たちが初めて目にした海は、OCEANと表現すべき常夏の太平

        • 年子3人忘備録14

          [前回のあらすじ] インテリのあーさん、フィジカルなみーこ、独自の言葉を話すイニシャルD。三人三様の個性を発揮し始めた年子3人がいよいよ海外進出する。 初めての家族旅行で訪れた地は伊豆だった。子どもたちが楽しく遊べる場所をセレクトしたのだが、良かれと思って旅程に入れた「動物と触れ合う」では、デシベルスイッチを押すこととなる。目の前に伸びてくるキリンの舌は3歳のみーこにとって刺激的すぎたのだろう。とても餌付けのにんじんなんて持っていられなかった。一方あーさんは、4歳児でも登れ

        年子3人忘備録17

          年子3人忘備録13

          【前回のあらすじ】 3歳になるあーさんを幼稚園のプレスクールにぶっ込み、母の社交性でさらに子育て仲間の輪をひろげる。 みーこは好き嫌いせず色々なものを食べていたおかげか、プレスクールに通う頃、あーさんとみーこの背丈は同じだった。よく双子に間違えられたが、丸一年違いの年子と説明する私の胸にはイニシャルDがくっついており、聞く方も話す方もなんだかバツが悪かった。 このバツの悪さは今も尚健在で、お子さんおいくつ?の質問に、20、19、18と返答するのだが、決まって5秒程度の脳に通

          年子3人忘備録13

          年子3人忘備録12

          [前回のあらすじ] イニシャルDの離乳食とともに、限界を迎えた母乳育児にいよいよ終止符が。 あーさんを出産してから3年半、長い子で1年母乳をあげていた。ありがたいことに度重なる妊娠出産にも関わらず、妊婦としても乳児の母としても私の体はよく機能した。決して当たり前のことではなく、これこそ奇跡だと今更ながら思う。0・1・2歳を目の前にお先真っ暗、、、と思うその頃の私にはこの奇跡に気づくことはなかなか難しいことだった。 ある日の昼過ぎ、3人が一度に泣き出した。原因は記憶にないが

          年子3人忘備録12

          年子3人忘備録11

          [前回のあらすじ] 0・1・2歳を連れての買い物術やお風呂戦術を見出し、なんとか日常を過ごしていたが、母乳育児の限界を迎える。。 あーさんが3歳の春を迎える頃には、イニシャルDもテキトー’Sキッチンによる離乳食が与えられていた。1年前は「食べながら寝る、寝ながら食べる、さあどっち!」が頻発していたあーさんも、直手(じかて)ではなくお食事ツールを使用してご飯をいただけるように成長した。しかしながら、あーさんはデリケート風情を醸し出し、「初めて目にするものはいただけません」をや

          年子3人忘備録11

          年子3人忘備録10

          [前回のあらすじ] 秋にイニシャルDが誕生し、いよいよ年子3人の子育てがスタートする。最初の試練はほぼ一家インフル感染を生き延び、、。 前にも記したが我が家はほどよい suburban のどこまでも続く平地にある。さらに徒歩圏内に大型ショッピングセンターが多数ある便利な場所だ。買い物の不便はなかったが、3匹連れの買い物風景は愉快だ。 歩いて数分の距離でも車移動は楽だ。問題は乗せ下ろしだ。0、1、2歳をチャイルドシートに乗せるだけで汗が出る。店につけばまずカートを用意し、0

          年子3人忘備録10

          年子3人忘備録9

          [前回のあらすじ] 背中にみーこ、足元にあーさん、お腹に胎児生活が数ヶ月、多くの圧力に耐えた胎児がいよいよ誕生する。 あーさんを妊娠した時から、安産祈願は水天宮だった。お礼参りと安産祈願が重なること2回、あーさんとみーこを連れて電車でお参りに行ったのは確かだが、おそらく大変だったのだろう、記憶に乏しい。神様は辛い記憶を消し去ってくれるらしいが、忘備録に今のところしんどいことが書かれていないのはそのおかげかもしれない。 祈願が効いてか3度目の出産もスムーズだった。病院を変え

          年子3人忘備録9

          年子3人忘備録8

          [前回のあらすじ] あーさん1歳、みーこ0歳の冬、新たな命が宿る。2人の赤ちゃんを抱えながら3度目の妊婦生活は・・・。 公園仲間が12月に2人目を出産した。退院してすぐ、2歳の兄の公園遊びのためベビーカーに乗って生後まもない妹は公園にやってきた。みーこの同級生で2人は「これぞ幼馴染」の関係をこれから歩んでいくのだが、しばらくするとベビーの顔に湿疹ができ始めた。12月と言えど直射日光にあてるのが早すぎたようだ。この行動はこれから先、このふたりのママにたくましく育てられる合計5

          年子3人忘備録8

          年子3人忘備録7

          [前回のあらすじ] 第二子みーこを泣かさないための母の努力が裏目に出て1歳になった時から着実に「姉」の道を進むこととなったあーさん。0歳、1歳児子育て奮闘中の母の身にも珍事件が起こる。 みーこの子育ては、1年前の復習だった。乳幼児検診、予防接種などの母子手帳のガイドラインに沿った行動はもとより、お七夜、お宮参り、お食い初めといった伝統行事も点数のつくテストだったら90点以上の出来栄えだった。不思議に思うのだが、普段国民の祝日に国旗を掲げることなどしたこともなく、伝統行事にま

          年子3人忘備録7

          年子3人忘備録6

          [前回のあらすじ] 母親学級やご近所でコミュニティーを広げ、あーさんとみーこはすくすく成長していく。泣き声に定評のあるみーこが繰り広げた悲劇・喜劇とは?? みーこが生まれてからは実家に足げく通った。理由はひとつ。とにかく寝たかったからだ。30分でもいい、子供たちのことを少しも心配しないで眠ることをしたかった。 母親とはtwenty-four sevenの人間監視カメラ、人間ナースステーション、人間コンビニエンスストアである。シャットダウン、不在、閉店は許されない。人間のベ

          年子3人忘備録6

          年子3人忘備録5

          [前回のあらすじ] あーさんが1歳の誕生日を迎え、みーこが誕生。双子用ベビーカーでいよいよ公園デビュー。 我が家は suburban にある。ほどよい自然と便利な買い物環境、しかもどこまでも続く平地だ。坂の町で育った私には、この町の自転車の多さに驚いたが、子育てには本当に最高の土地である。家の裏には公園があり、幼稚園にもなれば、公園で遊んでいる子供たちに家から「ごはんできたよー」と呼び戻すことができる立地だ。 みーこが誕生し1ヶ月たつ頃は初夏に向かう心地の良い季節になり

          年子3人忘備録5

          年子3人忘備録4

          [前回のあらすじ] 本格的に離乳食が始まる頃、第二子妊娠が発覚。0歳児を育てながらの妊婦生活も終盤にさしかかる。 あーさんは親指が大好きだった。ミッキーのおしゃぶりはスイカの種を飛ばすかのように拒絶した。かれこれ小学校2年生くらいまで親指と一緒に眠りについていた故の親指にできた大きなタコは、「姉」として生きるために強制卒乳されられたある意味勲章である。 妊婦検診のインターバルが短くなってきた頃、あーさんの二足歩行が少しずつしっかりしてきたが、その頃の家族の心配事といえばも

          年子3人忘備録4

          年子3人忘備録3

          [前回のあらすじ]初めてづくしの子育てを真剣に取り組み、いよいよ本格的な離乳食を開始。あーさんの歯が一向に生えてこないことが功を奏す! あーさんはつるっパゲで生まれてた。こんなもんだろうと思っていたが半年経っても髪飾りのひとつもつけられないハゲ散らかしように、これから寒くなるのに頭から風邪ひかないかしら。。?と、要らぬ心配を誘った。 ハゲ散らかしてるだけじゃない。歯も全く生えてこない。もしかして、歯がないんじゃなかろうか。。?と、これまた要らぬ心配を誘った。結局1歳になる

          年子3人忘備録3

          年子3人忘備録2

          [前回のあらすじ] 20年前の春に第一子あーさんが誕生し、あたふたしながらも秋を迎えた頃、鼻水ごときで夜間救急に駆けつけた新米両親。診察を終えて丑三つ時に自宅に戻ると、、、。 夜間勤務の先生からは、おそらく”優しい”(憐れむ)対応をしていただいたのだと思う。安心して帰宅し、あーさんを寝かしつけながらCNNをつけると、Breaking Newsでビルが燃えていた。穏やかな青空に違和感でしかない映像。次の瞬間、飛行機がビルに衝突する。これからあーさんが生きていく世界に何が起こる

          年子3人忘備録2