年子3人忘備録6

[前回のあらすじ] 母親学級やご近所でコミュニティーを広げ、あーさんとみーこはすくすく成長していく。泣き声に定評のあるみーこが繰り広げた悲劇・喜劇とは??

みーこが生まれてからは実家に足げく通った。理由はひとつ。とにかく寝たかったからだ。30分でもいい、子供たちのことを少しも心配しないで眠ることをしたかった。

母親とはtwenty-four sevenの人間監視カメラ、人間ナースステーション、人間コンビニエンスストアである。シャットダウン、不在、閉店は許されない。人間のベビーは他の哺乳類の赤ちゃんを少しは見習っていただきたい。生まれたての子鹿はプルプルしながら自力で立とうとするのに、8ヶ月経ちつかまり立ちをした日には、動画に収められる優待っぷりだ。

兎にも角にも、手足は2本ずつ、目は後ろにはついていない母が、常に2つの生命体を24時間態勢で生命の維持に務めるのには限界がある。自身の睡眠欲を満たすために、車で1時間の実家に通う道中に喜劇が起こる。

何がお気に召さないのか全くわからないが、みーこがぐずり出した。車の中には、20代女性1人(運転手)、1歳女児(すでに不安げ)、0歳女児(デシベル発動)しかいない。さらに、ぐずりだしポイントから実家まではまだ40分ほどかかる。0歳児に「お声がけ」は一切通用しないことを母はその時知るのだ。デシベルのボルテージはどんどん上がり、あーさんはみーこの声につられて泣きべそをかきだす。結局40分泣き続けたみーこ、実家に到着し後部座席のチャイルドシートを見ると、大仏がおった。いや、ハゲ頭に大粒の汗をかいたみーこがいた。地獄のドライブの果ての大仏降臨の映像は、「走馬灯のように」のときに映し出されるだろう。

あーさんはそんなみーこの被害者によくなっていた。かれこれあーさんが2歳の夏の悲劇は涙なしでは語れない。

家事時間を確保するために「お昼寝」の時間はとにかく死守していた。その日もあーさんはそろそろ眠りそうだったが、1歳になってもなおデシベル健在だったみーこは眠いのに眠れない。あーさんがまどろんでいるのを確認し、みーこをベビーカーに乗せて目の前の公園を気狂いのように回転していた。30分くらい回転してもグズつくので諦めて家に戻ると、あーさんがシクシク泣いていた。

「あーちゃんが待ってればママがすぐ来るから」

2歳児にまずこんな文章を言われることを想像してほしい。母親偏差値マイナス100のダメ親だ、、、と泣きながらあーさんに謝ることしかできなかった。

みーこのデシベルエピソードは他にもたくさんあるが、それは追々記していこう。

生命体が増えれば珍事件も乗で増える。そしてさらに自身の身にも珍事件が起こる。。

つづく

次の更新は明日。


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