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#毎日note
52.だから、わたしたちは、ふたつの手を与えられているのですね!
屋根裏部屋
「わたしは屋根裏へ行って、床のお気に入りの場所から、青い空を、枝にくっきりついた小さな雨粒が銀色に輝いている葉の落ちたクリの木を見上げる。カモメやそのほかの鳥たちが風に乗って滑降するのが見える。これがある限り、わたしは生きてそれを見ることができる。この日光と雲ひとつない青空が続く限り、わたしは不幸になれない…これがある限り、そしてそれはいつまでも続くだろう。すべての雀たちに慰めのあるこ
年老いた両親からの大きなプレゼントを受け取る
「正直、何度も『もうダメかも』、と思った。でもそのたびに、『いや、もう一度帰るんだ。絶対、うちに帰るんだ。』と思い直して踏ん張った。」
外泊中の父は、目の前の青々とした畑を見渡してそう語った。
***
父の退院が決まり、私は介護休暇の手続きをした。
2ヶ月強の闘病生活を経て、晴れて父は自宅に帰ってくる。
これが幸運なのか、父の底力なのかはわからない。
しかし、入院中ずっと父が望んでいた「帰りた