見出し画像

人のポテンシャルは無限大。限界を決めない魔法の言葉

Hameeには現在、6名の常勤取締役がいます。その中で、他社を経験せずに入社した人物が2名います。

大学時代にHameeにつながる会社を起業した樋口敦士(ひぐち あつし)と、新卒で入社した光野聖史(こうの せいじ)です。

光野は入社後、半年足らずで中国へ渡り、その後も海外部門責任者として韓国、アメリカへと拠点を広げ続けています。こんな二人の共通点や違いを探っていたら、思いがけず我が身を振り返る機会となりました。

読む人によって響く部分が違うかもしれませんが、きっとあなたにも問いかけるものがあると思います。

スピード感と裁量の大きさに惹かれて

-まずお二人の馴れ初めから教えてください。
光野:気がついたらもう13年も前ですね。私は当時、中国の大学に通っていたのですが、中国市場が伸びることを感じていたので、ずっと中国で仕事をしたいと思っていました。

でも、現地採用だと給与が安いんです。日本で就職をして、日本から駐在として行ったほうが条件や環境が良かったので、一時的に日本に帰国して就職活動をしていました。そこでHameeの前身であるStrapyaNext(ストラップヤネクスト:2013年Hamee株式会社に社名変更)と出会いました。

樋口:光野くんと最初に出会った2008年頃は、タオバオが急成長している中国にすごく興味はあったんだよね。でも、当時は日本人が中国でネット通販の会社を作るのも、タオバオのアカウントを作ることも難しい時期。そんな時に新卒の光野くんと会って話をして、中国進出に活路が見えた覚えがあるね。

光野:私は、この会社ならすぐに中国に行かせてもらえると感じたので入社を決意しました。他社からも内定をもらっていましたが、その会社では、入社後は日本で5年くらい修行。その後に機会があったらやっと中国へ行けるというスピード感しかありませんでした。

ストラップヤでは私が入社した1カ月後に、先輩2名が法人の立ち上げで中国に行き、私も4カ月で追いかけて中国へ。スピード感が全然違いますよね。

画像1

PROFILE:光野聖史(こうの・せいじ)Hamee株式会社 取締役
1984年生まれ。大学卒業後、2009年に新卒入社。中国市場開拓、韓国支社設立等を経て、2015年よりグローバル事業担当取締役。現在、HameeGlobal Inc. 代表理事、HameeUS, Corp表取締役社長を兼任。
アメリカ、ロサンゼルスに在住しながらハミィのグローバル展開をダイナミックに推し進める。海外事業M&A、商品企画、製造、輸入輸出、海外スタートアップが得意分野。

どうやったら失敗しないか? どうやってチャンスを得られるか?

ー中国の後も、韓国で法人の立ち上げ、そして現在はアメリカで経営をされていますが、どんな大変なことがありましたか?
光野:とくにないですね。

樋口:いやいや、そんなことはなかったでしょ。いろいろあったと思うよ。でも、光野くんはそれに屈しないで、全部いい方向に変えていこうとする力があるんだよ。

光野:たしかに何かを諦めたり見切ったりしたことは、ほとんどないかもしれませんね。

ー妥協しないとすると、二人はよく衝突したんですか?
樋口:記憶にないなぁ……。

光野:たしかに衝突した記憶がないですね。人間を大まかにカテゴリで分けると、他の取締役たちとは違って、きっと私たちは同じカテゴリに入ると思うんです。

でも私たち二人が決定的に違うのは、A.(エイ:樋口のニックネーム)さんは保守的。どうやったら失敗しないかを考える。私は、リスクをコントロールしながら、どうやってチャンスを得られるかを考えるタイプですね。

樋口:たしかにそうだね。光野くんの方が大胆。失敗してもいいやと思っている(笑)

光野:そうです、そうです。失敗してもいいと思っています。
それよりも動かない、チャレンジしないほうがリスクだと思っている派ですね。

樋口:私は失敗してもいいやとは思っていないんだ。社員やその家族も守らないといけないから。結果的に失敗したことは何度もある。ただでは起き上がらないけど(笑)

会社のために全力でやれば怒られることなんてない

-「失敗することは悪いこと」という風潮は一般的なものだと思っていました。
光野:日本では一般的なのかもしれないけれど、海外にいる私には、Hamee本社からその風潮をとても強く感じます。でもHameeはそんな会社じゃない。

個人個人が考えて、会社のためになると思って全力でやる。それがもし失敗したとしても、責任取らせないですよ。Hameeはそんな会社じゃない。失敗を次に活かせればOKなんです。

樋口:そうだよね、全然怒られることなんてない。株主さんにも怒られることもない。それなのに社内で怒られるんじゃないかってみんな萎縮しちゃっているように見える。それをどんどん変えていきたい。

光野:人生って長いわけじゃない、一回しかできないんだから、本気でやりきらないともったいない。経営に向いている人やサポートに向いている人など、みんなの強みはいろいろ。

だから余計なことに気を取られないで、やりたいことに集中したらいいと思う。海外では人のことを気にしないで、各自が言いたいことを言っている。でもそれが推進力につながっているんです。

樋口:子どもの頃からの教育的な背景もあるかもしれないけど、Hameeのカルチャーとして、みんなをそっちの方向に染めていきたい。チャンスと失敗は隣り合わせだって。もっとダイナミックにやってみようって。

会社ってさ、そもそもそういうところだと思うんだよね。みんなが自分の持っている力を持ち寄って、いい商品を作る、いいカルチャーを作る、いい会社を作る。せっかく人生の貴重な時間を使っているのに、みんなの持っているいいところを持ち寄らないともったいないよね。

スクリーンショット 2021-06-25 120409

PROFILE:樋口敦士(ひぐち・あつし)Hamee株式会社 代表取締役社長
1977年生まれ、地元高校卒業、大学3年時に創業。その後、モバイルアクセサリーのEコマース、メーカー、卸売から、ECのマネジメントシステム、海外展開へと事業領域を拡張しつつ、2015年4月に東証マザーズへ上場、2016年7月東証一部へと市場変更。2021年7月から代表取締役会長に内定し、新規事業、クリ魂カルチャー浸透、経営者作りを進めていく。

自分のミッション + 会社のミッション = 楽しい × 成長

光野:一番の理想は、自分の人生の方向性と会社の方向性を合わせることだと思います。1年ではムリだけど、2,3年かければ合わせられる会社だと思う、Hameeは。それをやろうとしないで諦めてしまう人が多すぎる。これももったいないです。

自分と会社の向きが180度違ったら無理だけど、90度くらいだったら合わせられると思う。もし合わせられないんだったら、その会社にいる意味がないというか……。

樋口:もったいないよね、そこに時間費やすのが。
多様性を考えるといろんな人がいるのは大事なんだけど、自分の持っている力を会社で発揮して、大きな価値を生み出していく。そこのベースは揃えたい。そこが揃わないと多様性というよりもバラバラなだけだもんね。

光野:そのためにも社員のみんなは、もっと主張した方がいいと思います。そのほうが楽しいし、会社の成長にもつながるはず。だから私はどんどん主張します。その結果、Hameeの中で一番お金使っているのは私だと思う(笑)

樋口:未知なことに対しての投資はそうだね。光野くんの大胆な性格が出てるよね。

ーA.は失敗したくないと言っていましたが、ブレーキをかけたくなったりするんですか?
樋口:あんまりないよ。それよりも逆に楽しみだね。自分には無かった発想で成功してくれたら、結果的には自分の考えで事業成長に蓋をしていたことになるわけで。そう考えられば、新しいことに気づかせてもらうチャンスだよね。

光野:私もギャンブルをしているつもりはないですが、リスクとチャンスを見て「イケる!」と感じた時は走り抜けているだけです。

-そのイケるっていう感覚。怖くないのはなぜでしょう?
光野:それには、2年後3年後をイメージできるかがとても大事だと思っています。そのイメージさえできれば、あとはそこに向かう方法を探すだけ。幸いHameeにはお金もあるし、優秀な人たちが揃っていますからね。

失敗は単なる成功までの過程

-反対意見とはどう折り合いをつけていくんですか?
樋口:そこは難しいよね(笑)

光野:ちゃんと理解してもらうことはとても重要です。何事も真剣に向き合っていけば、感覚の精度は経験と比例して上がってくる。専門家の意見を参考にすれば更にスピードも上がってきますしね。

樋口:みんなが賛成してついてきてくれるのが理想だよね。光野くんは、そこがうまいよね。自分よりも光野くんのほうがシンプル。わかりやすいのがいいんだと思う。センスの良さなのかなぁ。

光野:私のやり方は、道は示すけど道筋はみんなにおまかせしています。
もし失敗したとしても、成功するまでの過程だと思っています。それがみんなにも伝わっているのかもしれません。

樋口:自分も、細かい話を聞いたら気になっちゃうけど任せるように心がけている。今の取締役はみんな自分より優秀。だから余計なことを言わないほうが会社の成長のためにはいいと思ってるの。将来的には、私はお茶とか陶芸をしながら、取締役のクリ魂に火をつけ続けていればいい(笑)

光野:本当にそう思ってます?

樋口:うん、本気だよ!

画像3

▲光野がお金を使ったという韓国の倉庫

過程?ゴール?何のため??

-A.が初めて茶人や陶芸家になりたいって聞いた時はどう思いました?(A.の将来の夢は茶人や陶芸家になることです)
光野:チャレンジする領域がまったく別なので、正直なところ「ビジネスパーソンとしてのアッパーが決まったかなと」。

樋口:そう思うよね。でも実は、まったく逆なんだよね。
自分が現役でずっと社長をやっていったら、会社を2倍や5倍にはできるかもしれない。でも10倍100倍にするためには、自分じゃないほうがいい。会社のアッパーをぐんと引き上げるために会長になることにしたんだ。この決断は10年20年経たないと伝わらないかもしれないけどね。

光野:なるほど。やはり「過程」と「ゴール」の話ですね。
将来はどうなるかは誰にもわからない。でも、今の状況を過程と捉えるかゴールと捉えるかは、誰でも勝手に設定できるんですよね。

疲れてしまったら、過程ではなくゴールだと思って、満足することだってできる。やりたいことに突き進むのも大事だけれど、何のためにそれをやっているのかを見失わないこともとても大事。

ーでは光野さんは何のために仕事してるのでしょう?
光野:ひとことで言えば自己実現でしょうね。経営をしている延長線上としては、影響力のある経営者になりたいと思っているけれど、そのために生きているわけではないですからね。

樋口:このお題は、一生追求していくものかもしれないね。自分も茶人初心者、陶芸見習い、会長職もまだまだこれから。自分が望んだこれらが達成したとしても、自己実現しているとは限らないもんね。

さっきの光野くんの話のように、自分で今がゴールだって感じて初めて自己実現なのかもしれない。

人のポテンシャルは無限大

ー仕事をする上で大切にしている価値観はありますか?
光野:やっぱり人の可能性を尊重しないといけないと思っています。私は新卒の方にも基本的に敬語を使います。その理由は、その方の可能性を信じているからです。

もしかしたら、将来は私の上司になるかもしれない。人の可能性って計り知れないと思っています。だからこそ、追いつかれないようにがんばっています。臆病なんですね、きっと。

ー大胆さと臆病が同居してるんですね。
樋口:光野くんと基本的な思想は一緒。人のポテンシャルは無限大。若くポテンシャルある人はすごく成長すると思ってる。でも、だからといってその人に敬語で話そうとは思っていないんだよね。上下関係なく、話しやすい空気を作るために、フランクな呼び方や話し方を意識しているよ。

ーそんな2人から見て、Hameeグループはどうなったらもっと面白くなると思いますか?
樋口:Hameeにはポテンシャルの高い人たちが多いので、どんどん任せていけるといいよね。

光野:私もそう思います。でも現実はなかなか難しい。
役職がつくことによって、逆にうまくいかないこともあるので、立場が逆転してもうまくいく仕組みも必要かもしれませんね。

限界を決めない魔法の言葉

ー若手メンバーは、取締役が若手に期待しているってわかるだけで嬉しいと思います。
樋口:上の人が若手を子ども扱いして、可能性を狭めていることもあると思う。20代の社長が出てきてもいいと思ってるくらいなんだけど。

光野:私もHamee Korea(現:Hamee Global)立ち上げの時は、26歳だったけど40代後半のペグ副社長と一緒に、60代の取引先社長さん達とやり取りしてましたね。ポテンシャルがあって一生懸命やっている人には、どんどんチャンスを与えたいです。

ー中間レイヤーが若手の成長を阻んでいる可能性もあるのでしょうか?
光野:若手本人が自分自身でHameeの中でのアッパーを設定している場合もあるし、その上司がアッパーを決めつけてしまっている場合もあると思います。

どちらも結果に繋がりにくい。逆に、本人も上司も、さらに大きな「ゴール」に向かっている「過程」だと思い続けることが大事「どうやってゴールに近づけていこうか?」常にそう言い合える人たちが増えてきたら、会社はどんどんおもしろくなると思います。

樋口:アッパー思想いいね!

ーでは最後に、光野さんにとって仕事とはなんですか?
光野:家族を幸せにするための手段です。仕事は仕事で鬼のようにやっているけど、家族が第一優先です。

入社当時、10年後のビジョンを考える合宿があったんですが、当時は結婚もしていなかったけど「将来の子どもには世界で一番いい教育を受けさせる」って宣言していましたね。

それを突き詰めていったら、今私がいるアメリカだったんです。極端な話、世界一の教育の場所がもしもブラジルにあったら、今ごろHameeブラジルができていたかもしれないですね(笑)

さいごに

いかがでしたか。
失敗。過程。ゴール。萎縮。アッパー。などなど。

聞き馴染みのある言葉たちが、私たちへの示唆でもあり、エールのようにも聞こえました。

たしかに私の周りにいる明るく人生を楽しんでいる人たちは、何が起こっても口を揃えるように「良かった。これで次は…」と言っています。アッパーを決めてしまわずに、失敗も常に成功までの過程として捉えているんですね。

あなたは今、仕事を、人生を楽しんでいますか?
あなたは今、どんな過程にいますか?
その先には、どんな未来が待ち受けていますか?

もしHameeに興味がある方は、その未来の中に、Hameeで一緒に働くイメージも膨らませてみませんか?

取締役同士の対談記事はこちら


画像4


この記事が参加している募集

オープン社内報