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スパイダーマンと俺の地元の変遷

初めてのUSJは保育園年長の頃だった。
当時のUSJは今ほどアトラクションの数も充実しておらず、子供向けのアトラクションなんてのはほぼ皆無。今から20年弱も前のことで記憶もほとんど残っていないが、唯一覚えているのがスパイダーマン・ザ・ライドに乗った記憶だ。当時サム・ライミ版のスパイダーマンが大ヒットし、仮面ライダーでもウルトラマンでもない、初めて見る全身タイツの派手なヒーローに夢中になった。
とはいえ、当時の俺が体験するには少々刺激の強いアトラクションであることは言うまでもなく、今では写真撮影おじさんとしてお馴染みになったエレクトロの登場が決定打となり、大号泣する羽目になった。

そんな苦いデビューから20年が過ぎ、本日(1/22)を以てスパイダーマン・ザ・ライドが終了する。小さい頃は、大人がよく言う「昔は良かった」という言葉に、新しい方が良いに決まってんだろ!と息巻いていたが、大人になり、こういう出来事が増えてくると理解できる。決して変化していくことを否定する訳ではないけれど、それにしてもUSJと俺の地元の駅前は変わりすぎている。ついこの間まで当たり前に見ていた風景が、少し見ないうちに新しい何かに変わってしまうことがある。それはそれでいいとして、以前そこにあった“もの”を思い出せなくなってしまうことに、淋しさというか、もどかしさを感じてしまう。
写真を見て記憶が呼び覚まされるように、風景そのものにも記憶が結び付けられて、それ自体が変わってしまうことで、自分の記憶すらも書き換えられている様な気がする。だから新しい建物はあまり好きではない。それらは総じて「初めからここに居ましたよ」みたいな面でその場に居座っているので、その態度がいけ好かない。俺の方が先輩なのだから少しは弁えろよと思う。

はなそれ(話が逸れた)したが、先週の休みにラストアメイジングを済ませてきた。セリフも展開も全部分かりきっているのに、何回乗っても面白いの、本当に凄すぎるし、この面白さを維持したまま終了するだなんて、あまりにも有終の美を飾りすぎている。
ヒーローは引き際までかっこいいのだ。

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