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【天王山裸玉探索進捗】期待度が高い持駒の組合せ

CAUTION! 
純粋に指し将棋をベースにした好手・好手順等の創出を目指している詰将棋創作者はここでブラウザバックした方が良いです。

詰将棋創作者への注意

脊尾詰を利用した天王山裸玉の探索は2019年からスタートしました。5九玉逆玉座裸玉の発見から始まり、1五玉、3六玉、4六玉、5六玉と次々に中央付近に向かって完全作裸玉が見つかってきました。今回のNOTEでは天王山裸玉の持駒を大駒の有無で7つのタイプに分けて、期待度が高そうな組合せについて偏見で語ります。


1.無大駒—————期待度10%

5六玉|金4銀4桂2歩2(単一手順ながら桂余り)5六玉|金4銀4桂香(手順数5)が割かしギリギリで詰むことが分かっていて、天王山に登るにはここから桂香歩の数を少しいじるくらいで何とかなりそうに思えました。桂香歩を駆使して六段目まで玉を落とせばワンチャンあるわけですが、七段目に桂を打つとのちのち七段目の金銀打ちを邪魔します。下段に香を打っても七段目まで吊り上げられると邪魔します。そうなると、初手は▲5六歩しか考えられません。でも、玉を寄られてまた歩か香を打って…… と試行錯誤してみたものの上手くいかなかったので発見は絶望的だと思います。

2.角———————期待度80%

角金銀桂歩の組合せは相性が良いです。脊尾詰に聞くと、角金4銀2桂系は5五玉|角金4銀2桂歩で詰み手順が複数発生して、5五玉|角金4銀2桂だと詰まないようでした。この組合せに関しては最近、詰将棋おもちゃ箱さまの詰将棋メモ(2024年5月25日)の中で猫田いわしさまが言及されていましたね。

前提として5六玉|角金4銀桂3歩2(はる筆線屋、NOTE、2024.04.09.)があるので、金銀6枚系は持駒としては強すぎるかもしれません。理由は、初手▲5六歩として▽6五玉▲6六歩▽7五玉▲7六歩…… と歩で叩きまくって金銀6枚を持ちながら無理やり六段目に玉を落とそうとできるからです。金銀6枚系も含めてしまうなら、下記の5タイプの可能性が高いです。あとは地道にXYZを決定していけばいいっていう方針が立っているので角1枚の期待度は個人的に最も高いです。

・角金4銀 桂X香Y歩Z
・角金3銀3桂X香Y歩Z(戦力過多気味)
・角金3銀2桂X香Y歩Z
・角金2銀4桂X香Y歩Z(戦力過多気味)
・角金2銀3桂X香Y歩Z

期待度の高い組合せ

3.飛———————期待度50%

飛1枚は範囲が結構絞れています。前提として5六玉|飛金2銀2桂2香(はる筆線屋、NOTE、2022.11.15.)がありますね。これを起点とした金銀5枚+桂2枚の組合せ、そのうち飛金4銀桂2系・飛金3銀2桂2系・飛金2銀3桂2系は初手桂打から複数の詰み手順が発生して天王山裸玉になり得ないことが探索によって分かっています。つまり、金銀5枚系で可能性があるのは唯一、飛金銀4桂2系だけです。

もちろん、1枚戦力を削いだ金銀4枚+桂2枚系も有力です。5五玉|飛金2銀2桂2香歩で探索が終わっていたら話は早いですね。X(旧Twitter)にこれを投稿したところ、カリスマ詰将棋作家のkisy先生からまさかの "いいね" をいただいてしまいました。が、これは「こうだったらよかったのに」の天王山裸玉ジョークだったことを改めてお断りしておきます。

また、桂を1枚とする場合は、金銀6枚系の5五玉|飛金4銀2桂で複数詰み手順が確認できているので金銀5枚との組合せ、つまり飛金4銀桂系・飛金3銀2桂系・飛金2銀3桂系に絞って探索するのがいいと思います。

・飛金4銀 桂 香Y歩Z
・飛金3銀2桂 香Y歩Z
・飛金3銀 桂X香Y歩Z(X≧2)
・飛金2銀3桂 香Y歩Z
・飛金2銀2桂X香Y歩Z(X≧2)
・飛金 銀4桂X香Y歩Z(X≧2)

期待度の高い組合せ

4.角角・飛飛———期待度70%

肌感で言うと、角2枚と飛2枚の相性はかなり良いです。角2枚の組合せは中央付近で裸玉が見つかっていないからこそ、その存在を期待してしまいます。3三玉|角角金3桂2歩が惜しかったように、角金桂の組合せは十分チャンスがあります。飛2枚の組合せは前提として4六玉|飛2銀2桂2香歩2(はる筆線屋、NOTE、2022.10.25.)があるので、これを起点に探索するのが近道でしょう。

・角角金4  桂X香Y歩Z(戦力過多気味)
・角角金3  桂X香Y歩Z
・角角金2銀2桂X香Y歩Z
・角角金 銀4桂X香Y歩Z
・角角金 銀3桂X香Y歩Z
—————————————————————
・飛飛金3  桂X香Y歩Z(戦力過多気味)
・飛飛金 銀2桂X香Y歩Z(戦力過多気味)
・飛飛金 銀 桂X香Y歩Z
・飛飛  銀4桂X香Y歩Z(戦力過多気味)
・飛飛  銀3桂X香Y歩Z

期待度の高い組合せ

5.飛角——————期待度30%

飛と角それぞれの良さを組合せることができる魅力はあるものの、複数手順が発生しやすい意味で期待度は高くありません。脊尾詰に聞いて惜しかったのは5五玉|飛角金2銀3でした。とはいえ、▲5三飛から金駒で下段に落としていく詰め方をすると駒余りになるため、桂が必要だと思われます。試しに5五玉|飛角金2銀2桂歩で聞いてみると複数の詰み手順がでるので、金銀4枚と組み合わせる場合は桂香歩はほとんど要らないはずです。

・飛角金3  桂X香Y歩Z
・飛角金2銀 桂X香Y歩Z
・飛角金 銀3桂X香Y歩Z(戦力過多気味)
・飛角金 銀2桂X香Y歩Z

・飛角  銀4桂X香Y歩Z

期待度の高い組合せ

6.飛角角・飛飛角—期待度20%

ノーマル詰将棋がただでさえ「大駒3枚余詰あり」と言われているので、飛角角・飛飛角系は望み薄だと思います。ただ、探索過程において5六玉|飛角角金2桂5六玉|飛角角金2歩がほぼほぼ単一手順を示したので駒数が少ない条件なら発見できる可能性はあるでしょう。

7.飛飛角角————期待度 0%

桂を足すと複数の手順が生じるため、飛飛角角系はないと思います。

スペシャルサンクス

詰将棋おもちゃ箱 様
詰将棋メモを拝見いたしました。

パナソニック将棋部 御中
脊尾詰を使用させて頂きました。

窪田義行(空気から整えていく 環境派)峰王 尊師
拙エレベーター詰に対して、”詐術的印象を与える”と迚も心温まる難癖をX(旧Twitter)上で引用リポストして頂き、スマホ詰パラからの引退及び裸玉・双裸玉等の無好手詰将棋を重点的に探索する契機を頂戴いたしました。

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