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【詩】雑感、あるいは怒り

正直に言おう
くだらない世の中になった
どこかの頭の変な大統領候補が頭の変な若者に銃撃されて耳から血がながれたが、その新聞記事の斜め下にイスラエル軍のガザ地区の空爆で少なくとも71名が殺され、289名が負傷させられたという記事が載る。その3分の1の大きさで。

正直に言おう
あってはならない世の中になったと。
そのイスラエルの頭のおかしい首相はアメリカの議会で堂々と大勢の子どもを含む39000人以上のパレスチナの民を殺戮した正当性を主張し、耳を負傷した大統領候補の野蛮行為を業績として称え、あげくはその男の無事に胸をなで下ろしたと述べ、共和党議員及び意図的に欠席した以外の民主党議員たちの拍手を受けた。3万9千を超える殺戮をやったこのもう一人の男が、である。

正直に言おう
まともな人間が平気で虐げられる世の中になったと。
まともな人間がまともな主張をし、まともな戦い方をしても、平気で嘘をつき、平気で人をだまし、平気で人を傷つけて、平気で人を殺す連中が勝ってしまう。 そんな世の中になったのだと。

正直に言おう
貧しき人々を執務室から見下ろして冷たく嗤っている人物をリーダーとして選ぶ、バカな世の中になったと。
この大都会で支援団体による食料品配布を求め、毎週600人超の生活困窮者の列ができる。もちろん雨の日にも、である。その雨に濡れる人に、その執務室の人物は庁舎の軒も貸さない。この人物の統治する東京の23区では、3年間で10~30代の「孤独死」が、確認されただけで742名にのぼっている。戦争が行われているわけでもないのに、誰にも看取られず死んでゆく若者が日々生み出されていく国であり、そのことにも何の心を痛めない心を持った主権者が、そういうことに痛める心を持たない人物を「長」として選ぶ冷たい国なのである。

正直に言おう
以前からくだらない世の中であり、あってはならない世の中でありつづけ、以前から弱い者を平気で虐げ、見捨てる冷酷な国家だったのである。
メディアはあれほど報じた能登についても、今は思い出したように扱ってみせるだけだ。瓦礫さえいまだ撤去できていないというのに。

正直に言おう
わたくしは無力である 無力であるが、腹がたつのである。
ガザ空爆の後の瓦礫のなかで亡くなくなった我が子を抱いて嘆くこともできずにいる母親の映像を流したニュースの直後に、予定通りのお笑い番組の番宣なんかながすな!



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