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薄楽句集

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#文芸

【俳句】いつまでの山茶花 5句

【俳句】いつまでの山茶花 5句

いつまでの山茶花去年に逢ひしひと
しんしんと雪ふる屋根や蕪村の忌
発光はコンビニひとつ冬の闇
つまづいて薔薇が壊れて寒涛に
歳月が迫って胸まで冬銀河

1.季語は山茶花。〈初冬〉
  山茶花は冬の庭の彩り。散りながら咲き、咲きながら散る。
  そのさまがずっとつづくといいがそうもいかない。二人の
  関係とて・・・不倫です。
2.季語は蕪村忌〈冬〉
  山本てらさんがこの季語で3句詠んでいらっしゃ

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俳句 城のある町にて-冬-10句

俳句 城のある町にて-冬-10句

  夕千鳥河口に海にとび交ひて

冬凪にほどよき高さやこの天守

  冬の訃はため息を咎めしひとなりき

  つわぶきのごとく生きたるひとの家 

  小春日や草書の文字のなつかしく

  金目鯛煮られて皿の錦なり

  煮凝りや別るることは常なれど

  わするるなと大名小路の寒椿

  虹立ちて片えを湾に冬城下

  長き橋わたりおえれば冬の海
#俳句連作

俳句 恋猫のあくび 8句

俳句 恋猫のあくび 8句

山萩の目に残りてや旅の宿
十六夜や義勇兵死すウクライナ
仁左衛門似合うジーンズ秋逢瀬
故あって猫の立ち寄る菊の庭
蓑虫やいろいろあって宙ぶらりん
貫乳の青磁に寂し冬に入る
妻のいぬ土曜のラジオ初しぐれ
恋猫のあくびや苔のむすぶまで
#俳句連作