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俳句 恋猫のあくび 8句

恋猫のあくび

山萩の目に残りてや旅の宿
十六夜や義勇兵死すウクライナ
仁左衛門似合うジーンズ秋逢瀬あきおうせ
ゆえあって猫の立ち寄る菊の庭
蓑虫やいろいろあって宙ぶらりん
貫乳かんにゅうの青磁に寂し冬に入る
妻のいぬ土曜のラジオ初しぐれ
恋猫のあくびや苔のむすぶまで


ひとり連句(3)とリンクしています。
●「旅の宿」・・・吉田拓郎、引退しましたね。
 ♫浴衣の君はすすきのかんざぁし♫ よかったなぁ。
● 義勇兵・・・20代の日本の青年でした。
● 仁左衛門・・・文春11月10日号のスクープでしたね。78才であのスタイル。文春によれば、仁左衛門は「噛む癖」があり、お相手の41才はその「噛み跡」を「愛の証」として消えるのを嘆くそうです。近松心中ものと地
  続きの日常がこの逢瀬にはあるような・・・やや危うし15代目。
● 菊の庭・・・知り合いの俳人の家の庭。
● 蓑虫・・・秋の季語。ヒロシです。蓑虫とか案山子とかみかけるとつい話し
 かけてみたくなるとです。
● 貫乳・・・陶磁器の釉薬うわぐすりの部分にできる細かいひび模様。
● 妻のいぬ・・・出ていったわけじゃありません。念のため。
● 恋猫・・・春の季語。早春の発情期の猫です。「苔のむすまで」は「君が代」の一節。猫が恋にうつつをぬかせる平和がずっと続きますように。

#俳句連作

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