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オイオイとマァマァのハザマで/連載エッセイ vol.96

※初出:知事認可・岩手県カイロプラクティック協同組合発行、「姿勢ッコくらぶ通信 vol.98(2017年・第1号)」掲載(原文ママ)。

今年で本紙連載16年目に突入したこのエッセイ。
偶数月発行のスケジュール上、毎年毎年今更感アリアリではあるが…親愛なる読者の皆様、あけましておめでとうございます!! 
今年も当組合及び当通信を宜しくお願い致します!!

さて…新年のご挨拶をしておいて何ではあるが、今回のネタは、昨年末に訪れた韓国での出来事などを…。

継続してこのエッセイをお読みになっている方はご存知であろうが、ワタクシが韓国ハンソ大学における『博士課程』を無事に卒業したのが、一昨年の夏。

それまでは、時として『月イチ』ペースで彼の地へ訪問していたものであったが、今回は実に1年4ヶ月振りの訪韓。
自分としては、非常に久々感の溢れる旅程となった。

しかし、気になる事が1点。
それは当時、韓国内で吹き荒れていた『現職大統領に対する退陣要求デモ』である。

日本で目にするニュース映像では、毎週土曜日に開催されるデモの規模は、週毎に拡大の様相を呈し、訪韓する前週には、ソウルの中心地にある、私も行き慣れた『光化門広場』へ、主催者発表で100万人を超える人々が集まったとの事。

相変わらず…激しいぜ、韓国!! 
国内はさぞかし混乱を極めているのでは…!?

さすがのワタクシも若干の不安を抱きつつ、日本を飛び立ったのであるが…いざ、彼の地に降り立ってみると…ソウルの街は…実に…気が抜けるほどの『平常運転』!! 
まったくもって、いつも通りの人々の生活が広がっていた。

現地の方曰く、交通規制が敷かれ、市内が『デモモード』になるのは、毎週土曜日の指定された時間帯のみで、それ以外は至って『普通』との事。
また、その土曜日ですら、光化門広場から離れてしまえば、あまり普段と変わらないらしい…。

コチラとしては少々拍子抜けに思いつつも、日本では連日トップニュースで韓国内の混乱振りが伝えられている旨を話すと、韓国の方々は最初、『国民として恥ずかしいです…』と恐縮しながらも、次には『でも…日本の方々って、そんなに韓国の国内状況に興味あるんですか??』と逆に不思議がられたりもした。

現地では、終始このような塩梅で、スケジュールの空き時間を縫って訪問した、馴染みのレザーオーダー店やシューズオーダー店、路地端の鉄板ホルモン店などでは、いつも通りの人懐っこい接客を受け、またの再会を約束しつつ帰ってきた。

まぁ…実際の『現地』というものは…こんなものなのであろう。

日本にいれば、他国の様子は『特殊な状況』に陥った場合のみ、センセーショナルに伝えられる。
それはそれで大変な事なのであろうが…その報道される瞬間にも、現地の人々は日々の生活を続けている訳である。
その視点を忘れてはならないと強く思う。

インターネットを手にした現代の人々は、『欲しい情報』をはるかに手軽に入手する事が出来るようになった。

但し、それらはあくまで『自分が欲する情報』なのだ。

ヒトというのは『刺激』を求める動物である。
そしてその刺激に慣れてしまうと、更なる強い刺激を求めてしまう。

その哀しいヒトの性へ直接的に作用してしまうのがネット構造の特殊性であり、煽り文句に釣られてクリックした情報の先には、更なる『関連情報』が『オススメ』として提示される。

その人にとって本当に必要な情報は、その人の『関心の外側にある事実』なのかもしれないのに…だ。

そして彼の地では現在、政治的空白の間隙を突く様に、日本との『歴史認識問題』が再燃しているようだ。

日本での報道を見る限り、韓国に近しい感情を持っているワタクシですら、オイオイ…と思ってしまう事が多々ある。
それはそれで当然の感情であろう。

ただ、そんな時こそ私は、彼の地の人々の顔や、美味しい食事や、ナイスな革製品を頭に思い浮かべる。
そして自分なりの『感情の立ち位置』を探す。

まさに…『オイオイ!!→まぁまぁ!!』の緩ぅ~い精神である。

このご時勢、そんな弱腰でクニが守れるのか!!…とお叱りの言葉を頂戴しそうではあるが…申し訳ない…一市民であるワタクシ、自分の価値観を構築するだけで手一杯なのである。

少なくとも、誰かの言うがままの見識を、自分の認識にはしたくないもので…。

その為にも、もっともっと社会や世界を自分の五感を駆使して知っていきたい。
『恐れ』の源泉の1つは、間違いなく『知らない』という事だろうから…。

そんな訳で、ワタクシ、この通信が皆様の手元に渡る頃、毎年恒例の『アメリカ研修』へと旅立つ予定である。
そう…今話題の、あの御仁が新しく大統領を勤める『合衆国』へ…である!! 

う~む…イロイロな意味で、実に楽しみ!!

ただ1つ、心配なのが…『無事に入国できるか否か』。

このエッセイでも何度か触れているが、ワタクシ、学生時代に客船で太平洋のアメリカ領を訪れた際、向こうの入国管理の不手際があり、不法に長期間滞在したという『オーバーステイ』の烙印が押されており…毎回、入国審査で『VIP待遇(別室審査)』を受けるのである。

聴けば、新大統領就任後、入国審査が非常に厳しくなっているとの事。

毎回お世話になっている旅行代理店の方も、『オノデラさん…今回は「万が一」があるかもしれません』と不安いっぱいのご様子…。

さてさて…次回エッセイのネタが、『アメリカ国内』の事なのか、『アメリカ空港内』の事なのか…。
乞う、ご期待!!

(そしてその内容が、『まぁまぁ!!』ではなく『オイオイ!!』だったとしても…平にご容赦願いたし!!)


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