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ルーティンはラグビーだけにあらず/連載エッセイ vol.90

※初出:知事認可・岩手県カイロプラクティック協同組合発行、「姿勢ッコくらぶ通信 vol.92(2016年・第1号)」掲載(原文ママ)。

今年で本紙連載15年目に突入したこのエッセイ。
偶数月発行のスケジュール上、毎年毎年今更感アリアリではあるが…親愛なる読者の皆様、あけましておめでとうございます!! 
今年も当組合を宜しくお願い致します!!

さて…年明け一発目のネタといえば…これまたお約束的な『アメリカ研修』である。

今年も、全米で5番目の大きさを誇るコンベンションセンター(展示会や会議を行う事を事業主体とする複合施設)を有するラスベガスのメガリゾートホテル・『マンダレイ・ベイ(客室数・3211室!!)』にて開催された、『徒手医療業界・世界最大規模のイベント』でお馴染みの『パーカー・エクスペリエンス(旧称:パーカーセミナー)』。

今回、岩手からは4名が参加。
ワタクシ的には、『12年連続の参戦』となった。

そもそもこのセミナーは、テキサス州で18もの院を経営し成功したDr.ジム・パーカーが、1951年に『クリニック構築勉強会』としてスタート。
いまや世界中から自己と顧客の満足度を上げたい熱心な業界関係者が数千名も集まる、業界最大規模のイベントへと成長し、拡大を続けている。

今回、特に嬉しかった事が2つ。

1つは、私の所属する一般社団法人に対して、長年に渡る『継続参加』へ敬意を表して、セミナー運営側が『特別セレモニー』の場を設けてくれた事。

セミナー1日目の午前中という、運営的には非常に忙しい時間帯にもかかわらず、会場には、パーカー大学代表をはじめとする錚々たるメンバーが集結。
単なる挨拶と集合写真撮影にとどまらず、参加メンバー1人1人に対して、直接記念品を授与してくれた。
実はコレ、結構スゴイ事なのである。

もう1つは、セミナー会場で顔を合わせた世界中の顔馴染みのドクター達が、ワタクシの『博士号取得』を心から喜んでくれた事。

特にも、パーカーセミナーにて講義を担当する面々は、参加者から畏敬の念を持って『パーカースピーカー』と呼ばれ、それ自体が業界での『ステータス(地位)』になるのであるが、そのスピーカーの方々がワタクシの姿を確認するなり、『Hey!! Tony~!!(←ワタクシの海外での呼称)』と自ら歩み寄ってきてハグし、そして『博士号取得』の事実を知って、かなり驚きながらも全身で祝福を表現してくれる様は、なかなか面映いモノがあった。

(実は、スピーカーの方々でも、博士号を取得している方は稀なのである。)

このように今回のセミナー参加は、これまで継続してきた『努力』の積み重ねをパーカー側からも認められたようなシチュエーションが随所で感じられ、非常に実りの多いものとなった。
感無量である。

…以上が、今回のアメリカ研修に対する『表向き』の参加報告である。

それでは…今回、実のトコロ、ワタクシがどのような心理状況で渡米していたかというと…非常に芳しくない状態であった。
これ程までにテンションの上がらないラスベガスは初めて…というレベルで。

地域としての理由は、今回、初参加のメンバーがいないどころか、県内から参加したのは加盟店舗のオーナーばかりであった事。
これはエリアとしての『停滞』を意味する。

初めての参加者がいれば、『現地のツアーコンダクターを凌ぐ』と一部で評されるワタクシのコーディネート力を活かして、少ない自由時間でもラスベガスの街を堪能する行程を発案するのであるが、今回はそれがない…。
非常に肩透かしである。

(ちなみに…他の地域からすると、エリアのオーナーが数年間も全員で継続参加している事自体、良い意味で驚かれる状況ではあるのだが…そこは『自己に厳しく』というコトで!!)

そして、ワタクシ個人としての理由は…昨秋以来、『経営者』としての壁にぶつかっているという事。

まぁ…いつかは正面から向き合って越えなければならない(さもなくば自分自身、小さく纏まるしかない)と薄々思っていた『課題』に、昨夏の博士取得直後から急激に取り組まざるを得ない状況となり、かといって未だ『打開策』を見出せないまま、自らの感情の起伏に翻弄されながら、悶々と年を越していた感じであったので、正直、『アメリカどころではない』という心理状況であったのだ。

そして、帰国して丁度2週間経過した今…ワタクシは…ナニゲに元気である。
なにひとつ『課題』を解決できた訳ではないのであるが…。

きっかけは、ラスベガス最後の夜だった。

営業用(お客様に見せる用)の写真を撮りに、日付変更直前の街へ出掛けて、映画でもよく登場するホテル・『ベラッジオ』の、その日最後の『噴水ショー』を見終わり、定宿であるホテル・『プラネット・ハリウッド』へ戻る途中、ストリップ(ラスベガス大通)を越える歩道橋から、ホテルの煌びやかなネオンと流れる車のヘッドライトを眺めつつ、ふと頭に浮かんだ事…。

『あぁ…来年の今頃も…こうしてラスベガスの街を眺めているんだろうな…。』

昨年、ラグビーW杯での日本代表の活躍が報じられた際、ある選手のキック前の特徴的な『ポーズ』が話題となった。
その際、にわかに注目を集めたのが『ルーティン(routine)』という言葉。

ルーティンとはそもそも、『決められた一連の動作』の事であり、ビジネスにおいては、不定期、不順で行っていた作業などを、一連のつながった動作としてパターン化して効率化させる場合などに使われてきた。

一方、スポーツにおいては、毎日の練習をルーティン化させて効率を上げる事に加えて、決まった動作を行う事で精神の安定を図る(例:本番でも練習時の落ち着いた心理状況で臨む)場合に使われる。

そして私にとって、『ラスベガス訪問』というのは、スポーツ的な意味で『ルーティン』となっていたのである…自分でも気付かぬうちに!!

今年1年、いい年になるんだろうか…それともイマイチな年で終わるんだろうか…壁を越えて新たなる地平に臨んでいるんだろうか…それとも撥ね返され続けるんだろうか……まぁ…どうであれ…どんな心理状況であれ…来年もこうしてラスベガスの街の灯りを眺めているんだろうな……だったら…まぁ…気負わずやるだけだな…。

斯くして、根拠のない元気を回復したワタクシ…今年1年の躍進に乞うご期待!!


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