見出し画像

ツアーオプション・プリン体~北海旅情編/連載エッセイ vol.94

※初出:知事認可・岩手県カイロプラクティック協同組合発行、「姿勢ッコくらぶ通信 vol.96(2016年・第5号)」掲載(原文ママ)。

ワタクシはこの原稿を、兵庫県某市の駅前にあるホテルの一室にて書いている。

本来の原稿提出締切は、本日午前零時まで…。
つまり、8時間程前…。
うむ…安定の遅筆である。
編集担当のS氏よ…毎度ながら…スミマセン!!

まぁ、開き直って言い訳すれば、非常に忙しい…というか、落ち着かない日々を相も変わらず過ごしている。
つまり…『講師出張』が多いのだ。
博士号を取得して、海外出張が一段落したのと反比例して、国内出張がナニゲに増えている…。

しかも、海外出張であれば、その移動に伴うタイムラグ(予備時間)が発生する為、少しばかりの『自由時間』で心身ともにリフレッシュする機会にもなりうるのであるが、国内出張の場合、寝台特急やら高速深夜バスを駆使できるので、結果、その土地土地の風習を楽しむことなどできない、過密スケジュールの強行軍の連続となってしまうのが常だ。

そんなある意味、『修行(苦行??)』とも言える国内出張の中で、若干、毛色が違うのが、数ヵ月に1度の『北海道出張』である。

彼の地への出張では、1日を丸々使った、一般向けのセミナーの講師を依頼される事が多い。
しかしそうなると、当日岩手を飛行機で出発したのでは、朝一の講義に間に合わない。
また、セミナー終了後の移動では、当日岩手へ戻る飛行機に間に合わない。
すると、当然ながら『前泊後泊』=『前日入り翌日出発』な行程が必須となる。

当然、セミナー以外でも、北海道の仲間達との各種ミーティングが設定されてはいるが…そこは…『北のグルメワンダーランド』…合間合間に美味しいお食事もまたセッティングされているのである!!!!

地元民に愛される上質格安割烹や…漁港にある荒々しい漁師食堂や…生でラムでオサレなジンギスカンや…搾りたての牛乳から作られる絶品牧場アイスや…セミナー後の食事会を終えた後のラーメン屋3軒ハシゴや…もう、一部からは…

『グルメツアーが主目的で、講師業がオプションなのでは??』

…という声が上がるか上がらないくらいの食べっぷり!! 

いや~…いつもながらツアーをコーディネートしてくれるYオーナーをはじめ、北海道のスタッフの皆々様、どうもありがとうである!!

そして今夏…ワタクシは、また新たな『食体験』をした。

真夏に北海道へ訪れるのは、大学時代のボランティア活動の時以来。
今回も無事にセミナーは終了し、その食事会での事。
翌日の岩手へのフライトの前まで、どのようにして過ごそうか思案しているワタクシに、Gセラピストから小粋な提案が…!!

『センセイって、ウニ、お好きですか??』

『いや~大好きだねぇ~!! なんならウニ風呂に入ってもいいくらい大好きだねぇ~!! ビバ、プリン体だねぇ~!!』

『そうですか…実は今がシーズンの終盤なんですよ!!』

『そうだね…ちょうど明日、朝市にでも行ってウニ丼でも食そうかと思案していたトコロだよ!!』

『それであれば…素潜りして獲れたばかりのブツを使ったウニ丼なんて…どうでしょう??』

『なにィ?? それ……魅力!!!!』

Gセラピスト曰く、彼の地元の苫小牧港近くの『浜厚真漁港』付近では、漁協が『漁業権』を放棄しているので、一般の人が素潜りしてウニを摂っても、『密漁』とはならないのだとか!! 

しかし、今秋から新しい条例が施行される予定で、それ以降は、一般人の素潜り漁は禁止になるのだとか!! 

つまり今回が、漁港の埠頭で、獲れたてウニを食する、言わば最後のチャンスなのだとか!! 

これは…『即決』である!!!!

翌朝、短時間の睡眠を経て、午前7時にYオーナーの運転にて札幌を出発。
天気はやや雨模様。海が荒れて、素潜りが出来ない状況に陥るコトを恐れつつ、まずは苫小牧港を目指す。

そして、若干迷いつつも、Gエラピストに同行しているKセラピストの電話ナビゲーションにより、なんとか浜厚真港に到着。
吹き荒ぶ浜風に尿意を喚起されながらも待つコト十数分…。
埠頭の向こうから、髪を濡らしつつ歩いてくるKセラピストを発見!!

彼女の案内に従って、埠頭を歩くコト数分…その視線の先には…すでに素潜り漁を終えて、ウニの仕込みに入っているGセラピストの『ウェットスーツな漢の背中』を発見!!

『おっはよ~!!』

『あ、おはよ~ございます!!』

『ちょっと波が高いみたいだったケド…獲れました??』

『まぁ…(海に浸していたロープを手繰り寄せて)こんな感じです!!』

『……なぁ~にィィィ~~!!!!』

えぇ…想像以上に大漁でした…。
黒紫色の棘の巨大な塊がソコにはありました…。
しかし、Gセラピストが捌くブツの内面には、間違いなくウニの黄金色が煌めいておりました…。
食べたい…今すぐ食べたひ!!!!

ワタクシとYオーナー、Kセラピストは、早速持参したカセットコンロに着火!! 
はるばる抱えて持ってきた鍋に、これまた持参した真水を投入して、コンロの上にセットオン!!
段ボールで風よけを配置したら、まずは沸騰待ち。
そしてお湯の準備ができたら、パックご飯を投入!! 
十分に温まるまで待機!! 
もう、気分はすっかりキャンプである!!

しかし…カセットコンロの性能上、なかなか思うようには温まらず…。
目の前には、仕込みが終わってザルにあげられていく、愛しのウニ(の中身)達…。
チョロチョロ程度でなかなかグラグラにならないご飯…。
準備万端なテリテリのウニ達…。

チョロチョロ…テリテリ…チョロチョロ…テリテリ…チョロ…テリ……ぬぅあぁぁぁ~もう辛抱タマラン!!

『スミマセン…我慢できません…まずはウニだけ先に食して宜しいでしょうか??』

『もちろん!! はい、ど~ぞ!!』

『パクリ!! ……はぅあ~~♪♪』

最初、舌先に置いた際には、海水の塩味が一瞬強く味蕾を刺激する刹那、芳醇なウニの風味が口腔そして鼻腔を駆け抜け、それからゆっくりと噛み締める様に舌と口蓋ですりつぶしていくと、口いっぱいに埋め尽くす濃厚な旨みの大波が広がり、やがてスッキリと香りだけを残して喉元を滑り落ちていく…。
ト…トレビアァァァ~ン♪♪

その後…まずは調味料を使わず、ご飯とムラサキウニだけの一杯目を瞬殺!! 
お次は、醤油とワサビを添えた二杯目を秒殺!! 
途中、バフンウニの『お造り』で箸休めしながら、最後に三杯目を分殺!!
とどめに残った剥き身のウニを…ズビズバァ~~♪♪ 

持参したご飯パック5つ…。
その場にいた面子、ワタクシを含めて5名…。
つまり…イロイロな意味で、ご馳走様なワタクシなのであった…。

そしてこの原稿を書いている数週間後、私はまたもやセミナー講師として北海道に招聘されている…。
そしてこの通信は、その前に発行され、彼の地の仲間たちの手元にも届いているに違いない…。

いや…別に『プレッシャー』をかけている訳では…ないのだが…(ニヤリ)。


☆筆者のプロフィールは、コチラ!!

☆連載エッセイの
 「まとめページ(マガジン)」は、コチラ!!

※「姿勢調整の技術や理論を学んでみたい」
  もしくは
 「姿勢の講演を依頼したい」という方は
  コチラまで
  お気軽にお問合せください。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?