Hahakura

2024年1月。母がALS(筋萎縮性側索硬化症)になりました。難病中の難病と言われてい…

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2024年1月。母がALS(筋萎縮性側索硬化症)になりました。難病中の難病と言われているこの病気、ただでさえ珍しいのに、さらに稀なことに我家にかぎってはなんと遺伝性。一卵性双生児の叔母は発病の兆しはなし、娘の私は50%の確率らしい。諸々記録していきます。

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#001 母暮 私の人生にALSが突然入り込んできた!

母がALS(筋萎縮性側索硬化症)になった。難病中の難病と言われているこの病気、ただでさえ珍しいのに、さらに稀なことに我一族にかぎってはなんと遺伝性なのだという。一卵性双生児の叔母は発病の兆しはない。私は50%の確率だと言われた。 ほんの数ヶ月前までとは私の生活は激変した。否応なくこの残酷な病気と向き合わなくてはならなくなった。 母が毎日ALS患者やその家族のブログを探しては読み、私に新しい情報や違う考え方を伝えてくれる。まだ戦っている患者や、もうすでにこの世にはいない先人

    • #014 母暮ALS 今できること

      昨年11月から母との同居がはじまった。その頃はまだ一人で30分ほど散歩していたし、お風呂も一人で入っていた。始めは右手から異変がはじまったのだけど、今は左手もおかしくなってきていると言って痩せて曲がり始めた左手、指を動かして見せてくれる。毎日体がしんどくて苦しいらしい。背中をなでてあげたり、手をマッサージしてあげるけど、マッサージでは間に合わない。 この半年での変化は以下 ・一人で散歩に行かなくなった ・外出は車いす必須(少し歩く) ・お風呂全介助 ・歯磨き後のフロスは介助

      • ALS 治験ニュース20240612

        「筋萎縮性側索硬化症(ALS)」の新たな治療法の開発を目指す臨床試験(治験)について、京都大の井上治久教授らの研究チームは12日、第2段階の治験において、一部の患者で病状の進行抑制を確認したと発表した。人工多能性幹細胞(iPS細胞)を使って既存薬の中から有望なものを探し、慢性骨髄性白血病の薬を投与した。 ↓ニュース記事はこちら↓ 「iPS創薬」ALSの進行抑制 京大治験 白血病の既存薬活用 https://nordot.app/1173457342893523446

        • #013 母暮ALS 呼吸器とカフアシストが届いた

          呼吸器とカフアシストが届いた。介護とは無縁でいたので自宅に病院設備が整っていく不思議な感じがする。 呼吸器は自発呼吸の補助的なもので、一日何時間でも付けたいときに使用していい。夜、睡眠中に使用するのがいいが、まだ慣れないうちは昼寝のときや日中に練習が必要とのことなので、毎日1時間タイマーをかけて、昼寝で使用して慣れるようにしている。最初はなかなか難しいようで、苦しそうだった。例えるなら酸素の中で溺れそうな様子に見えた。 カフアシストは咳や痰を出すのを介助するもの。気道内分

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        #001 母暮 私の人生にALSが突然入り込んできた!

          #012 母暮ALS 介護用ベッドが届いた

          まず我家を整えるのが先だった。 子ども部屋を母の介護部屋にすることにした。 この春に自立した子どものタンスや勉強机、小さな頃のおもちゃなど、いっきに処分する。思い出もつまっていて名残惜しいものばかり。「今までありがとう」と声をかけてから捨てる。今は物を捨てるのにも苦労する時代。粗大ごみの予約も1ヶ月先だったりするので保管に困る。なんでも気安く買うものじゃないとつくづく思う。 これからケアマネさん、ヘルパーさん、そのうち訪問医療にもなって、訪問者が多くなる。できるだけ物を置か

          #012 母暮ALS 介護用ベッドが届いた

          #011 母暮ALS 遺伝性のはなし 専門医カウンセリング

          遺伝性ALSについて専門医の話が聞けるということで家族で話を聞きにいった。 専門医(産婦人科医)、入院時の主治医(脳神経内科医)、遺伝カウンセリングスタッフの3名が準備をしてくださり待っていてくれた。 いただいた資料をもとにまとめてみる。 ■筋萎縮性側索硬化症について ・日本での発症率:人口10万人あたり2.2人/年 ・日本での有病率:人口10万人あたり9.9人/年  (2020年の国内患者数は約10500人) ・男性が女性の1.3~1.5倍 ■遺伝性について ・全体

          #011 母暮ALS 遺伝性のはなし 専門医カウンセリング

          #010 母暮ALS アメリカへ検体を送る 遺伝子検査34種類

          現状ALSの薬はリルゾールとラジカットしかないので、トフェルセンが認可されることを切望していた。しかし、母の型を調べてみるとトフェルセン対象のSOD1ではなかった。 この結果は私たち家族をがっかりさせた。一縷の望みとしてまだトフェルセンがあるのだと思って気持ちを奮い立たせていたので、その薬が対象外とあってはひとつ治療が消えてしまったのだ。 では、我家の型は何だろうとなる。 アメリカに検体を送ると、家族性ALSの発症に関連するとされている34種類の遺伝子をいっきに調べてもら

          #010 母暮ALS アメリカへ検体を送る 遺伝子検査34種類

          SOD1-ALSの治療薬トフェルセンが薬事申請されました

          SOD-1ALSの治療薬であるトフェルセンについて、独立行政法人医薬品医療機器総合機構(PMDA)に薬事申請がなされ受理されました。 バイオジェン・ジャパン株式会社は、スーパーオキシドジスムターゼ1(SOD1)遺伝子変異を有する成人の筋萎縮性側索硬化症(ALS)治療薬トフェルセンについて、日本における製造販売承認申請を行いました。承認されれば、トフェルセンは、運動ニューロン疾患(MND)としても知られるALSの中のSOD1遺伝子変異を有するSOD1-ALSに対し、遺伝的原因

          SOD1-ALSの治療薬トフェルセンが薬事申請されました

          #009 母暮 紀伊半島に多かったALS 牟婁病

          紀伊半島はALSの多発地区と言われ研究もされてきた。なぜ紀伊半島でALS患者が多かったのか、それはいまだ解明されていないが、この地方の風土病として「古座の足萎え病」「牟婁病」と言われていたらしい。 実は我家のルーツは和歌山。紀伊半島である。 そして祖母も叔父も、会ったことのない親戚にもALS患者がいた。これが今回早くから母の症状はALSではないのかと察しがついた要因である。 この地域に多い病ならば、なぜ多いのか、因果関係をはっきりと知りたい。 これまでにも遺伝説、環境因

          #009 母暮 紀伊半島に多かったALS 牟婁病

          筋萎縮性側索硬化症(ALS)の治験開始についてのニュース

          今回の治験対象は12歳以上で、遺伝子検査でFUS変異を有しており、肺活量が50%以上であるALS患者。登録期間は2025年3月まで。 https://www.toho-u.ac.jp/press/2024_index/20240529-1368.html 情報として貼っただけなので、詳しく知りたい方ははご自身でお調べくださいませ。

          筋萎縮性側索硬化症(ALS)の治験開始についてのニュース

          #008 母暮ALS とにかく体重維持

          うちの母は食べられるものが少ない。 草食動物のようなわずかな優しい食物で生きているような人だ。 ALSの栄養指導で、体重維持が最重要課題だと言われた。体重が減ると症状が進んでしまうらしい。栄養のバランスとか体にいいから食べさせたいとかは考えないで「とにかくカロリーです」と指導された。 母は子どものときからお肉が食べられず、野菜だけで育ってきている。にんにくや匂いのきついもの、香辛料のあるものが食べられない。 ALSになってからは今まで食べれていたものまで美味しいと思えな

          #008 母暮ALS とにかく体重維持

          #007 母暮ALS ラジカットを飲み始める

          1月26日からリルゾール、 3月4日からラジカットを飲んでいる。 ラジカットという薬は、ALSを完全に治す薬ではないが、体内の酸化ストレスを軽減して運動神経の傷害を防ぐことでALSの進行を抑制する効果がある。これも呼吸機能が正常に保たれていて、ALS発症から3年以内でないと投与対象ではない。これまでは病院で点滴でおこなっていたけれど、最近になって自宅で飲めるようになった薬。 服用ルールがなかなか手強い。 1日1回5mLを空腹時(8時間の絶食後)に服用し、その後少なくとも

          #007 母暮ALS ラジカットを飲み始める

          #006 母暮ALS 行政とつながってゆく

          退院してから2週間後、再び東邦医大へ。 午前中 肺機能検査 13:40 頭部MRI 15:00 ソーシャルワーカーさんと話 15:30 消化器外科 胃瘻情報 16:00 ALSクリニック受診 16:30 栄養士さんからALS栄養指導 一度病院に行くといろいろまわる。 入院中にできなかった検査や指導もあるのでなおさら多くなっている。他の患者さんもいるので、当然この予定が前後したり、待ち時間が長引いたりはしてしまう。 一日仕事になるため体力のない母はぐったりとするが、必要なプ

          #006 母暮ALS 行政とつながってゆく

          #005 母暮ALS 検査入院

          2023年12月4日。 地元の医師の紹介状を持って、初めて東邦医大のALSクリニックを受診した。 私たちは受け入れてもらえるのだろうか、医療難民にならないだろうか、医師は威圧的ではないだろうか、難病を認められず何年も過ごすはめになり莫大な自費がかからないだろうか、もっと他のめずらしい病気だと言われないだろうか。その他にも考えるとキリがないほど心配事があったけれど、師走の忙しい中、我家は受験生もかかえていてほとんど心休まる時間がない日々を過ごしながら、母の治療が人生の最優先だ

          #005 母暮ALS 検査入院

          #004 母暮ALS 東京での病院探し

          母を東京でみるにあたってできるだけ良い病院を探してあげたいと思っていた。 検索すると当然のことながら東京ではたくさんの病院がヒットする。 私は片手間に病名をあげている病院で診てもらうつもりはなかった。診断がつくまでと治療開始までに時間がかかると知ったので、専門で力を入れている病院を見つけたかった。 ALSは発症から生存期間が平均で3~5年、日ごと月ごとどんどん症状が悪化していくにもかかわらず、病院で受診してもなかなか診断をつけてもらえないという大きな問題がある。それは早期に

          #004 母暮ALS 東京での病院探し

          #003 母暮ALS 体の異変に気づいてからの箇条書き

          ■2022年10月 洗濯ばさみをつまみにくくて、力が入らない。 そろそろ寒くなってきたので気温のせいかと思うが、この日は洗濯を干すのに苦労した。暖かくなったら治るのかなと思いさほど気にもとめなかった。 ■2023年5月 天丼の海老天が重くて箸が持ち上がらない。 そんなことがあるのかとショックを受ける。 ■2023年7月 手の動きが気になるので整形外科を受診、レントゲンを撮る。ただの筋力低下と言われビタミン剤を処方され、また来なさいと言われる。しかしただの筋力低下とは思えな

          #003 母暮ALS 体の異変に気づいてからの箇条書き