Hahakura

2024年1月。母がALS(筋萎縮性側索硬化症)になりました。難病中の難病と言われてい…

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2024年1月。母がALS(筋萎縮性側索硬化症)になりました。難病中の難病と言われているこの病気、ただでさえ珍しいのに、さらに稀なことになんと家族性。一卵性双生児の叔母は発病の兆しはなし、娘の私は50%の確率らしい。諸々記録していきます。

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#001 母暮 私の人生にALSが突然入り込んできた!

母がALS(筋萎縮性側索硬化症)になった。難病中の難病と言われているこの病気、ただでさえ珍しいのに、さらに稀なことに我一族にかぎってはなんと遺伝性なのだという。一卵性双生児の叔母は発病の兆しはない。私は50%の確率だと言われた。 ほんの数ヶ月前までとは私の生活は激変した。否応なくこの残酷な病気と向き合わなくてはならなくなった。 母が毎日ALS患者やその家族のブログを探しては読み、私に新しい情報や違う考え方を伝えてくれる。まだ戦っている患者や、もうすでにこの世にはいない先人

    • #020 母暮ALS 最近の様子

      現在母は要介護3。週3日医療保険でケアを受けている。火曜日:リハビリ、水曜:訪問看護、金曜:言語聴覚士リハビリ。 借りている福祉器具はベッドとテーブル。購入品はお風呂の椅子。これからトイレ・バスの手すりの検討をしている。夜は呼吸器をつけて眠る。カフアシストは上手く使えず何度かトライして置いたまま。 医療保険で鍼灸師さんに来てもらっていたけれど、やめようと思う。思うような効果がないことや、針の金属が少し気にかかることと、筋肉がはっているわけではないのでそもそも針ではないのではな

      • ALS ニュース20240924

        エーザイ株式会社は、筋萎縮性側索硬化症用剤「ロゼバラミン®筋注用25㎎」(一般名:メコバラミン)について、日本において「筋萎縮性側索硬化症(ALS)における機能障害の進行抑制」の効能・効果で、製造販売承認を取得した。

        • ALS cafe ニュース

        • 固定された記事

        #001 母暮 私の人生にALSが突然入り込んできた!

          #019 母暮ALS お風呂

          お風呂はしんどいので時間との勝負、私も手際がよくなってきた。半年前までは一人で入っていたお風呂も今は私が一緒に居て、髪と体を洗っている。自分が子どもの頃はシャンプーハットをかぶせてもらって母に髪を洗ってもらっていたけれど、今はこうして私が母の髪を洗っている。仕事をしながら子育てはさぞ疲れていただろうなぁと想像する。そしてあの頃の感覚と気持ちが今もしっかり思い出せるのに、その時点から何十年過ぎたことか。あっという間に子ども時代が終わり、思春期が過ぎて、大人になって、家庭を持ち、

          #019 母暮ALS お風呂

          #018 母暮ALS 胃ろう

          胃ろうについては相当ネガティブなイメージを持っていた。だからALSの治療で次の段階に進むとなると胃ろうについて避けて通れないと思うととても気が重かった。 医師はやるのならばすぐにでもやるべきだという見解を述べつつ、私や母の質問にとても丁寧に答えてくれた。その上、世間で誤解されている胃瘻に関する情報やメディアの問題についても簡単なこれまでの経緯も教えてくれた。素人のめんどくさい質問に真摯に答えてくださった。 私たちの誤解は、老人の延命目的の胃瘻と、その他の病気や事情による胃

          #018 母暮ALS 胃ろう

          #017 母暮ALS 食生活の覚書

          ALSの診断がついてから半年。とにかく体重を減らさないようにしている。体重が減ると病状がすすむと聞いているのでとても神経をつかっていて、母には毎朝起きたらまずは体重を測ってもらっている。 現在は156cmで、43kg台をずっとキープ。 一時期どんどん痩せて41kgになったときにはひやひやしたけれど、病院でエンシュアをもらってからは体重管理が楽になった。最初は一日1本を飲んでいたけれどそれでは体重が増えないので1日2本にしたら43kgになって安定した。少し多めに何かを食べた翌

          #017 母暮ALS 食生活の覚書

          #016 双子のALS 考察

          母は一卵性双生児である。これまで姉妹は同じような人生を送ってきた。不思議なほどのシンクロ率、双子という運命の不思議を私は見てきた。 しかしこの難病の家族性ALSは片方だけが発症した。これまで同じような結婚、出産、骨折、体調不良、食事の好みも同じで生きてきた双子の姉妹なのに。これはどういうことだろうか。まったくの素人の私が思いつく要因を考えてみた。 双子の生活で違いはなんだろうか。 何が家族性の遺伝子を目覚めさせてしまったのだろうか。思い当たることは、ネットで検索したレベル

          #016 双子のALS 考察

          #015 母暮ALS 母と娘の会話

          想像してほしい、手が使えないということは、日常のあらゆることができなくなる。特に女性は髪、顔、身繕い、すべてが人頼りになることがどんなに苦痛なことか。 母は髪型をとても気にする。週に1回は私が白髪を染めてあげている。洗髪のあとは必ずカーラーで巻く。お風呂あがりには全身にオイルを塗るし、かかとはクリームを塗ってから靴下を履いて保湿する。何分もかけて歯を磨いたあとは歯間ブラシを2種類使ってきれいにケアをする。眉毛が消えていないか、コンシーラーはちゃんとついているか。社会的な人間

          #015 母暮ALS 母と娘の会話

          #014 母暮ALS 今できること

          昨年11月から母との同居がはじまった。その頃はまだ一人で30分ほど散歩していたし、お風呂も一人で入っていた。始めは右手から異変がはじまったのだけど、今は左手もおかしくなってきていると言って痩せて曲がり始めた左手、指を動かして見せてくれる。毎日体がしんどくて苦しいらしい。背中をなでてあげたり、手をマッサージしてあげるけど、マッサージでは間に合わない。 この半年での変化は以下 ・一人で散歩に行かなくなった ・外出は車いす必須(少し歩く) ・お風呂全介助 ・歯磨き後のフロスは介助

          #014 母暮ALS 今できること

          ALS 治験ニュース20240612

          「筋萎縮性側索硬化症(ALS)」の新たな治療法の開発を目指す臨床試験(治験)について、京都大の井上治久教授らの研究チームは12日、第2段階の治験において、一部の患者で病状の進行抑制を確認したと発表した。人工多能性幹細胞(iPS細胞)を使って既存薬の中から有望なものを探し、慢性骨髄性白血病の薬を投与した。 ↓ニュース記事はこちら↓ 「iPS創薬」ALSの進行抑制 京大治験 白血病の既存薬活用 https://nordot.app/1173457342893523446

          ALS 治験ニュース20240612

          #013 母暮ALS 呼吸器とカフアシストが届いた

          呼吸器とカフアシストが届いた。介護とは無縁でいたので自宅に病院設備が整っていく不思議な感じがする。 呼吸器は自発呼吸の補助的なもので、一日何時間でも付けたいときに使用していい。夜、睡眠中に使用するのがいいが、まだ慣れないうちは昼寝のときや日中に練習が必要とのことなので、毎日1時間タイマーをかけて、昼寝で使用して慣れるようにしている。最初はなかなか難しいようで、苦しそうだった。例えるなら酸素の中で溺れそうな様子に見えた。 カフアシストは咳や痰を出すのを介助するもの。気道内分

          #013 母暮ALS 呼吸器とカフアシストが届いた

          #012 母暮ALS 介護用ベッドが届いた

          まず我家を整えるのが先だった。 子ども部屋を母の介護部屋にすることにした。 この春に自立した子どものタンスや勉強机、小さな頃のおもちゃなど、いっきに処分する。思い出もつまっていて名残惜しいものばかり。「今までありがとう」と声をかけてから捨てる。今は物を捨てるのにも苦労する時代。粗大ごみの予約も1ヶ月先だったりするので保管に困る。なんでも気安く買うものじゃないとつくづく思う。 これからケアマネさん、ヘルパーさん、そのうち訪問医療にもなって、訪問者が多くなる。できるだけ物を置か

          #012 母暮ALS 介護用ベッドが届いた

          #011 母暮ALS 遺伝性のはなし 専門医カウンセリング

          遺伝性ALSについて専門医の話が聞けるということで家族で話を聞きにいった。 専門医(産婦人科医)、入院時の主治医(脳神経内科医)、遺伝カウンセリングスタッフの3名が準備をしてくださり待っていてくれた。 いただいた資料をもとにまとめてみる。 ■筋萎縮性側索硬化症について ・日本での発症率:人口10万人あたり2.2人/年 ・日本での有病率:人口10万人あたり9.9人/年  (2020年の国内患者数は約10500人) ・男性が女性の1.3~1.5倍 ■遺伝性について ・全体

          #011 母暮ALS 遺伝性のはなし 専門医カウンセリング

          #010 母暮ALS アメリカへ検体を送る 遺伝子検査34種類

          現状ALSの薬はリルゾールとラジカットしかないので、トフェルセンが認可されることを切望していた。しかし、母の型を調べてみるとトフェルセン対象のSOD1ではなかった。 この結果は私たち家族をがっかりさせた。一縷の望みとしてまだトフェルセンがあるのだと思って気持ちを奮い立たせていたので、その薬が対象外とあってはひとつ治療が消えてしまったのだ。 では、我家の型は何だろうとなる。 アメリカに検体を送ると、家族性ALSの発症に関連するとされている34種類の遺伝子をいっきに調べてもら

          #010 母暮ALS アメリカへ検体を送る 遺伝子検査34種類

          SOD1-ALSの治療薬トフェルセンが薬事申請されました

          SOD-1ALSの治療薬であるトフェルセンについて、独立行政法人医薬品医療機器総合機構(PMDA)に薬事申請がなされ受理されました。 バイオジェン・ジャパン株式会社は、スーパーオキシドジスムターゼ1(SOD1)遺伝子変異を有する成人の筋萎縮性側索硬化症(ALS)治療薬トフェルセンについて、日本における製造販売承認申請を行いました。承認されれば、トフェルセンは、運動ニューロン疾患(MND)としても知られるALSの中のSOD1遺伝子変異を有するSOD1-ALSに対し、遺伝的原因

          SOD1-ALSの治療薬トフェルセンが薬事申請されました