ミニミニ・ロールケーキ
「今日は贅沢しよっか!」
1ヶ月記念日の夜。
せーので指を指して、小さななロールケーキを
スーパーのカゴに入れる。
甘く包み込むような、ふわふわのスポンジ。
決して胃もたれせず、何度も味わいたいクリーム。
これはきっと、君の結晶だから。
「なんかあった?大丈夫??」
遠出して疲れた時、ヒールに疲労困憊した時、
見逃してしまいそうな程の些細な変化に気づき、斜め45度に首を傾ける。
「謝りたいことが3つあります。まず…」
私よりも早く寝ていた時、電車に乗り遅れた時、
どんな些細な不義理も見逃さずに、必ず自分から
ゴメンネって言ってくれるから。
他にもね。
私の身支度中に昨夜の食器を進んで洗う所とか、
すぐに転ぶ私に手すり側を譲ってくれたりとか、
ドラマの些細なシーンでシクシク泣く所とか。
どんな時も、ふわふわ包み込むような気配りに、
きめ細やかすぎる程の手厚い愛情表現に、
今日も、明日も、グルグルと巻かれていく。
ほんの一巻きで、これほど私を満たすならば、
来月は、一年後は、どうなってしまうのだろう。
口に入らないほど、両手では抱えきれないほど、
幸せを抱きしめながら、頬張りたいな。
私も、君にとっての特別なロールケーキでありますように。
もぐもぐ。
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