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もう二度とよそ見なんてしない

今後一生、服と本気で向き合えなくなるなんて、やっぱり嫌すぎる!二度と、諦めるもんか。

そう思わせてくれたことだけは、君に感謝して
おこうかな。

服やものづくりに携わる仕事がしたいと思って、服飾の専門に再進学してから、一年が経った。

アパレル業界のジレンマや、悪循環を知って、
外側の業界からアプローチしていくのもアリかもなんて思い始めていた矢先に出会ったのが君だった。

大学時代に研究していた理論を体現したような
会社で、心の底から運命だってビビッときた。

だって、働きながら再び人類学ができるなんて、夢みたいじゃないか。

1回目の面談も、リクルーターとのお話会も、
とにかく楽しくて、あっという間の1時間だった。

あ〜こんな人達と働けるなんて、一生リモートで良いなんて、最高やんけ!ってルンルンだった。

だけど、2回目に会った君は本当に別人で。

ずっと頭の後ろで手を組んでいるし、何を話しても無表情のままで、とにかく反論しかしない。

新規事業に携わりたいって、こんなに熱く話しているのに、「新規事業が無くなったら?」なんて違う前提ばかり話してくる。

マーケティングか、営業か、エンジニアか。
その三択を掲げられた時、私は答えに詰まった。

もう二度と大好きな服のことだけ考え続けたり
大切な仲間と唯一無二のコレクションを作ったり出来なくなるのか。

そんなの、やっぱり寂しいし、悔しい。

仕事も、趣味も、全部全部服が良いんだ!!
どっちかだけなんて、そんなのおかしいよ。

ごめん。よそ見して。

やっぱり私は、このアパレルの世界で大切な人のお守りになるような優しい服を、作り続けたいんだ。

限りなく狭き門だとしても、私はもう、絶対に
よそ見なんてしない。

そうやって思わせてくれて、ありがとうね。
初めての圧迫面接が、君でよかったって思おう。


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