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ぐん税ニュースレター vol.47 page01 -ご挨拶-

 7⽉に⼊り猛暑が続いておりますが、皆さまいかがお過ごしでしょうか︖

 先月にお知らせした通り、7月1日をもって、ぐんま税理士法人は税理士法人せいえん事務所と経営統合することになりました。ぐんま税理士法人が深谷市に支店を設立し、笠原行男税理士が拠点の責任者兼ぐんま税理士法人の社員として参加して頂き、総勢12名がせいえん事務所で勤務することになりました。支店名は、ぐんま税理士法人せいえん事務所となります。
 経営統合の結果、売上約3億円弱規模、従事員数約30名の中規模事務所になり、県内でも有数の規模になります。せいえん事務所はサービス体制は担当制で、男性社員が中心、資産税に強いという特徴がありますので、お互いのいい点を伸ばしていきたいと思います。

 一般企業と同じように税理士事務所を取り巻く環境も変化しています。
この度の経営統合のように税理士事務所においても現在の日本の経済状況やニーズに適応していく必要がありますが、こうした背景をご理解いただくために、昨今の日本の経済状況から解説したいと思います。まずはデフレとインフレについてです。

デフレとインフレについて

デフレ

 デフレ(デフレーション)は、物価が継続的に下落する現象です。以下のようなプロセスが進行します。

  1. 消費の減少: 消費者の購買意欲が低下し、需要が減少します。

  2. 価格の下落: 企業は売上を維持するために価格を下げます。

  3. 企業収益の減少: 価格の下落により企業の利益が減少します。

  4. 賃金の低下: 企業はコスト削減のため、賃金や雇用を削減します。

  5. さらなる消費の減少: 消費者の購買力が低下し、需要が一層減少します。

 デフレは経済の停滞を引き起こし、失業率の上昇や企業倒産の増加など、悪循環を招きます。景気回復が困難となり、長期にわたる経済の低迷をもたらすことが多いです。

インフレ

 インフレ(インフレーション)は、物価が継続的に上昇する現象です。以下のようなプロセスが進行します。

  1. 需要の増加: 消費者の購買意欲が高まり、需要が増加します。

  2. 価格の上昇: 需要の増加により、企業は価格を引き上げます。

  3. コストの増加: 原材料や賃金などのコストが上昇し、企業はそのコストを価格に転嫁します。

  4. 賃金の上昇: 労働者は生活費の増加に対応するために賃上げを要求し、企業は賃金を引き上げます。

  5. さらなる需要の増加: 賃金の上昇により消費者の購買力が増し、さらに需要が増加します。

 インフレは適度であれば経済成長を促進しますが、過度になると高インフレやハイパーインフレーションを引き起こし、経済の不安定化を招きます。購買力の減少や生活費の急上昇が問題となります。

現在の経済状況

 現在、日銀はインフレターゲットを年率2%程度としていますが、2024年5月のインフレ率は2.9%で、前月の2.5%から上昇しています。一方で、2024年の賃金の伸び率は約4%が見込まれています。

賃金の伸び率

 2024年の春闘では、賃上げ率が前年の3.6%からさらに上昇し、4.0%に達すると見込まれています。これは1992年以来の高水準です。特に、大企業ではベースアップ(基本給の引き上げ)が積極的に行われており、労働組合の交渉結果がこの賃上げに大きく寄与しています。

賃金の背景

 賃金の伸びは、過去の輸入物価の上昇が和らいだことや、企業の内部留保の増加、高収益の企業が労働力不足に対処するために賃上げを行っていることに支えられています。また、2023年には特別賞与の寄与が大きかったこともあり、全体としての賃金増加を後押ししています​。

課題と展望

 しかし、賃金の伸びが物価上昇に追いつかず、実質賃金は依然として減少傾向にあります。これにより、消費が低迷し、国内需要の回復が遅れる懸念があります。政府は引き続き、労働組合の力を強化し、中小企業や非正規労働者の賃金改善を目指す政策を推進しています。

結論

 2024年の日本の賃金伸び率は4.0%と高い水準ですが、物価上昇に対する実質賃金の低下が課題です。経済全体の健全な成長には、持続的な賃上げと物価の安定が必要とされています。

 このような環境の中、このたび当事務所では、賃上げおよび経費の高騰を受け、税理士報酬の値上げをお願いする運びとなりました。これまで可能な限りコスト削減に努めて参りましたが、昨今の諸経費の上昇により、現行の報酬体系を維持することが困難となっております。
 つきましては、誠に恐縮ではございますが、今年の夏より新しい報酬体系を適用させていただきたく、何卒ご理解とご協力を賜りますようお願い申し上げます。詳細につきましては、別途ご案内申し上げます。

ぐんま税理士法人
代表社員 小林浩一


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