原口孝徳

ランニングコーチ | コンディションコーチ。 コーチング、ランニングからの観点を軸…

原口孝徳

ランニングコーチ | コンディションコーチ。 コーチング、ランニングからの観点を軸に色々と書いてます。 https://run-conditioning.com/

マガジン

  • バンクーバーを走る

    2024年7月に9年ぶりに訪れたカナダ・バンクーバー。 現地で走った経験、走るについて考えたことを書いています。

  • エッセイ

    ランニングについての考えを記載してます

  • ランニングクラブ日記

    練習会の様子、内容についての記録を綴っています。

  • トレーニング

    ランニング・コンディショニングについて書いています

  • ランナー記事

    実際にお会いしたランナー、またビデオチャットを通してインタビューを行った世界中のランナーたちにとっての”ランニング”について紹介しています。

記事一覧

5:心の旅

目が覚めると全身の筋肉の張り感を強く感じる。ちょっと起き上がるのがきついが、もう少し寝ていたい気持ちもあったが、すぐ近くの森に飛び出したくなった。 最終日は気温…

原口孝徳
3週間前
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4:成長の実感と喜び

朝6時に起きると、トムとキムを起こさないように身支度、軽い朝食を済ませ7時前には出発する。 練習場所はバンクーバーの東の方で、バスで1時間ほどと離れた場所だ。 Empi…

原口孝徳
3週間前
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3:目標と散策

この日は山に囲まれた小さな町スコーミッシュへと向かう。 ここ1年ほど自分にとっての落ち着く場所、リラックスした過ごし方を考えることが多くなった。 昨年の11月にリラ…

原口孝徳
3週間前
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2:ランニングと自己発見

目が覚めると時計は8時50分。 時差のせいで眠れないだろうなと思っていたが、思った以上に眠ていたようだ。 キッチンに向かうとキムが朝食の準備を、トムは息子のセイガン…

原口孝徳
3週間前
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1:再びバンクーバーを訪れて

「I’ll walk you through the stretches and drills I do before a workout」 声を張って人前で話すことは昔から苦手で、どんな仕事をやりたいのかは全然分からなかった…

原口孝徳
3週間前
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ランニングと状態把握〜無理をしない難しさ

いつもより少しペースを上げたジョギングをスタート。約20kmの距離を程よい負荷で走る予定だったが、スタートして2kmくらいだろうか、少し胃にムカつきを感じ始める。 吐…

原口孝徳
1か月前
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ランニングクラブ日記〜トラック練習

今日は2000m+600m×3本を行いました。 600mでしっかりとペースを上げて心肺に負荷をかけるように、まずは2000mでリズムを作ってもらうことを目的にしました。 個人の練…

原口孝徳
1か月前
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コンディショニングトレーニングの取り組み

学生、実業団と経験を得て、現在もトレーニングを継続される女性ランナーのコンディショニングをスタートしました。 走っている最中に左脚に力が入りにくくなる症状で長い…

原口孝徳
2か月前
7

レースを走る理由と考えること

「はい、ゼッケン順に並んで」 係員の誘導に従ってスタート地点に並ぶ。少し頭から血流が下がっていくよう感覚で、手のひらはやや汗ばむ。少し胸が膨らんでいるのかと思う…

原口孝徳
3か月前
9

トレーニングと生活の調和

「トップ選手がやっているトレーニング」 このような表現を広告に用いられることはよくあります。 一つの何か印象的な練習、食事法とその人の優れたパフォーマンスを一対…

原口孝徳
3か月前
9

ランニングの練習をシンプルに考える③ー練習の幅

どんな練習メニューがいいのかと考えるのはランニングを継続をできている人がそれだけでは体力向上に十分な刺激にならなくなった後です。 ただ毎回同じは精神的に退屈さも…

原口孝徳
5か月前
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ランニングの練習をシンプルに考える②ーペース配分

前回は「継続」と「成長可能な負荷をかける」の2点で書きました。 この2点をキープする上で大事な要素は何かと考えると ・1の継続にはペース配分 ・2の成長可能な負荷…

原口孝徳
5か月前
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マラソンの楽しさと本気で取り組むこと

「あと半分もあるのにこのきつさか。今日はもうダメかもな」 「いや、あと2kmは頑張ろう」 「ここまで来ると公園のコースあと3周だ。粘れ」 「あぁ、向かい風かよ。ここで…

原口孝徳
5か月前
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自分の身体と向き合う〜コンディショニングトレーニング

ランニングの指導と併用してコンディショニングの指導も行なっています。 主な目的は故障予防と目的のパフォーマンス向上です。 コンディションを現在の状態と考え、その…

原口孝徳
6か月前
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ランニングの練習をシンプルに考える

色んな情報が溢れかえることでどんな練習をすればいいか悩む人は多いかもしれません。 ランニングのトレーニングをシンプルに考えるなら以下の2つを守って行うことです。 …

原口孝徳
7か月前
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ランニングで練習不足を感じる時

知り合いの誘いで駅伝を走りました。 約2年間ほど悩まれたアキレス腱痛も完治してスピードを上げて走ることに問題はなくなったものの、ペースを上げて心肺や筋肉に大きく…

原口孝徳
7か月前
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5:心の旅

目が覚めると全身の筋肉の張り感を強く感じる。ちょっと起き上がるのがきついが、もう少し寝ていたい気持ちもあったが、すぐ近くの森に飛び出したくなった。 最終日は気温も低くなりひんやりとした風が服と半袖では肌寒さを感じる。 前回走ったトレイルとは反対側の方面を散歩してみることに。 木々に囲まれながらゆっくり歩くとこれまでの経験を振り返り、今後はどんなことができるのだろうかと考えが巡る。 この時、今回の経験について書いてみようと決めた。 旅に出たくなるきっかけは読書から影響を受

4:成長の実感と喜び

朝6時に起きると、トムとキムを起こさないように身支度、軽い朝食を済ませ7時前には出発する。 練習場所はバンクーバーの東の方で、バスで1時間ほどと離れた場所だ。 Empire Fieldと呼ばれる運動施設でサッカーコート二つ分の周りをタータンのトラックが囲っている。一般的な400mのトラックとは異なり、長方形の1周580mのコースだ。 9時前に到着すると何人かはウォーミングアップを行っており、また短距離の練習をする人の姿も見受けられる。 軽いジョギングを済ませると時代にク

3:目標と散策

この日は山に囲まれた小さな町スコーミッシュへと向かう。 ここ1年ほど自分にとっての落ち着く場所、リラックスした過ごし方を考えることが多くなった。 昨年の11月にリラックスしようと宮古島へ行ったものの、広がるビーチで過ごすのは求めていたのとは違うようだ。 1人で落ち着く場所と誰かと一緒に落ち着く場所、また過ごし方というのは違うのだろう。 スコーミッシュにはハイキングや登山、クライミングなど多数のコースがあると知り興味を引かれた。 この日はトムの出勤が遅いことから一緒に街の方

2:ランニングと自己発見

目が覚めると時計は8時50分。 時差のせいで眠れないだろうなと思っていたが、思った以上に眠ていたようだ。 キッチンに向かうとキムが朝食の準備を、トムは息子のセイガンを保育所へと連れて行くところだ。 少しバタバタとしていたので、邪魔にならないように朝食を済ませる。 UBCのキャンパス内を少し散歩してからレイチェルの家に向かう。 バスで10分ほどと走っても行ける距離だが、迷うといけないので余計なことはしないことに。 予定よりも少し早めにレイチェル家の前に到着。程なくして「H

1:再びバンクーバーを訪れて

「I’ll walk you through the stretches and drills I do before a workout」 声を張って人前で話すことは昔から苦手で、どんな仕事をやりたいのかは全然分からなかったが、どんなことをやりたくないかははっきりしていた。その一つが「人前に立って話すことが多い仕事」具体的には教師など人に何かを教える仕事がまさにそうだった。 人前で話すことは今でも苦手に変わりはないが、ちょっとずつステップを踏むことで自分の進歩を垣間見る

ランニングと状態把握〜無理をしない難しさ

いつもより少しペースを上げたジョギングをスタート。約20kmの距離を程よい負荷で走る予定だったが、スタートして2kmくらいだろうか、少し胃にムカつきを感じ始める。 吐きそうなほどではないが集中を妨げてくる嫌な感じだ。 ただあんまり良くない状態からスタートして途中から回復してくることも珍しくない。特に早朝ともなれば、動き出しが良くないのはよくあることだ。 「途中からきっと良くなる」 内心で自分を励ましながら歩を進める。 1周約3kmのコースには2箇所、急で短い上り、下り坂があ

ランニングクラブ日記〜トラック練習

今日は2000m+600m×3本を行いました。 600mでしっかりとペースを上げて心肺に負荷をかけるように、まずは2000mでリズムを作ってもらうことを目的にしました。 個人の練習の流れを把握しながらやっているので、メニューの最終決定をするのは当日です。 走力も個人差があるので、距離とペースのどちらを軸にするのかを決めて、仲間と走る、個人の目的に合わせて走るバランスをとっています。 ウォーミングアップではハードルを利用した可動域を広げる動き、ドリルで瞬時に関節を固め地

コンディショニングトレーニングの取り組み

学生、実業団と経験を得て、現在もトレーニングを継続される女性ランナーのコンディショニングをスタートしました。 走っている最中に左脚に力が入りにくくなる症状で長い間悩みを抱えているということです。 コンディショニングを開始するにあたって、これはランニングでも同じですが、まずは相手の現状を把握することから始めます。 本人の主観的な部分、一つ一つの関節の動きのチェックによる客観的な部分を合わせて現在取り組むべき問題点を考えます。 肩から足首までの関節の可動域チェックから入ります

レースを走る理由と考えること

「はい、ゼッケン順に並んで」 係員の誘導に従ってスタート地点に並ぶ。少し頭から血流が下がっていくよう感覚で、手のひらはやや汗ばむ。少し胸が膨らんでいるのかと思うくらいの心臓の鼓動。 あと数十秒でスタートを迎える5000mのトラックレース。公式のレースは約3年ぶりとなる。 同じランニングではあるものの、マラソン大会などのロードレースとはまた違うトラックレース独特の緊張感がある。距離が短いこと、また集団が横長でなく縦長となるので自身の目標に合わせた位置取りなども大切となること

トレーニングと生活の調和

「トップ選手がやっているトレーニング」 このような表現を広告に用いられることはよくあります。 一つの何か印象的な練習、食事法とその人の優れたパフォーマンスを一対一の関係で結びつけるように表現することで、「これさえやればいい、ここに秘密がある」という誤った解釈につながることがあります。 トレーニングによる身体の怪我についても同じですが、怪我をした時にフォームの悪さを指摘され改善に取り組む人も少なくありません。 怪我が少ない選手のフォームを切り取って「このような特徴がある

ランニングの練習をシンプルに考える③ー練習の幅

どんな練習メニューがいいのかと考えるのはランニングを継続をできている人がそれだけでは体力向上に十分な刺激にならなくなった後です。 ただ毎回同じは精神的に退屈さもあると思うので、そういった人も練習の距離、ペースに幅を持たせてあげると続けやすいケースもあるでしょう。 なので継続だけでは十分でない人も、継続するための人も練習に幅を持たせることは役にたつと思います。 練習に幅を持たせるとは「色んなペースで色んな距離を走りましょう」ということです。 「ゆっくり長くから短く速く走

ランニングの練習をシンプルに考える②ーペース配分

前回は「継続」と「成長可能な負荷をかける」の2点で書きました。 この2点をキープする上で大事な要素は何かと考えると ・1の継続にはペース配分 ・2の成長可能な負荷には練習の幅を持たせる ことが大切だと思います。 今回は1のペース配分について掘り下げてみます。 ペース配分と考えると練習やレースでどんなペースで走るのかというイメージが強いかもしれません。これらと同じように練習をどのように進めるかにもペース配分は関わってきて大切になります。 身体が疲労困憊、足の痛みに

マラソンの楽しさと本気で取り組むこと

「あと半分もあるのにこのきつさか。今日はもうダメかもな」 「いや、あと2kmは頑張ろう」 「ここまで来ると公園のコースあと3周だ。粘れ」 「あぁ、向かい風かよ。ここで一人になるときついぞ。もう少し集団で我慢」 苦しさが増す中で繰り返される心の葛藤。 自己ベストが狙えるようなレベルでもなく、入賞などの順位が狙える位置でもない。 誰かに目標を伝えたわけでも、それを達成できなければ何か罰ががあるわけでもない。それでもなんとかその苦しさの中に身を置こうとする自分。 またこうや

自分の身体と向き合う〜コンディショニングトレーニング

ランニングの指導と併用してコンディショニングの指導も行なっています。 主な目的は故障予防と目的のパフォーマンス向上です。 コンディションを現在の状態と考え、その状態をより良い状態することがコンディショニングと考えるといいと思います。 シンプルに言うならこんな感じです。 ・まずは身体の各関節を動くようにしましょう。 ・動くようになったら自分でその範囲をコントロールできるようにしましょう。 ・正しい姿勢でバランスを崩さずに動きましょう。 ・目的に応じて必要な筋力強化をしましょ

ランニングの練習をシンプルに考える

色んな情報が溢れかえることでどんな練習をすればいいか悩む人は多いかもしれません。 ランニングのトレーニングをシンプルに考えるなら以下の2つを守って行うことです。 1.継続 2.成長可能な負荷をかける シンプルですが簡単ではないです。 ランニングをやっていない人なら1に集中すれば同時に2も達成することになります。なのでどんなトレーニングが効果的を考えるよりは、どんな練習(頻度、距離、ペース含め)なら続けられるかを第一に考える方が良いと思います。 しばらく続けると1だけ

ランニングで練習不足を感じる時

知り合いの誘いで駅伝を走りました。 約2年間ほど悩まれたアキレス腱痛も完治してスピードを上げて走ることに問題はなくなったものの、ペースを上げて心肺や筋肉に大きく負荷をかけるような練習はまだ始めてまもない状態です。 仲間と一緒に参加することに意義があり、私個人の走りが速いか遅いかは大した問題ではありません。なので今の力だとこのくらいだろうなという考えはあっても、「この記録で走りたい、区間は何番以内で」などといった目標があるわけでもありません。強いていうなら今の状態で全力で走