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週刊小売業界ニュース|米ドラッグストアのリテールメディア戦略/花卉も輸入品と価格競争/アメリカの教科書は数万円が普通|2024/5/20週

2024年5月18日~5月24日にピックアップした、
日・米・韓の小売業界ニュースをお届けします。

今週のおさらいに、ぜひどうぞ!


リテールメディアで突出するための「測定」戦略。米最大手ドラッグストアチェーンが取り組む標準化と透明性 | DIGIDAY[日本版]

<記事の要約>
CMXのバイスプレジデント兼ゼネラルマネージャー、パーバインダー・ダリワル氏は、CVSがリテールメディアネットワークの透明性を提供し、業界成長に貢献すると述べた。CMXは2020年に設立され、IAB/MRCの基準に基づいた測定機能を導入し、広告主に効率的なコンバージョン測定を提供している。また、オフサイトメディアのターゲティング拡大にも注力し、詳細な消費者像を提供するための取り組みを強化している。

検索エンジンによるCookieが廃止されるに伴い、
企業はリテールメディアにマーケ活動の活路をシフトしています。

昨月4月23日、Googleはサイト横断で閲覧履歴を収集する
3rd Party Cookieの採用を2025年頭を目途に廃止すると発表しました。

閲覧履歴のトラッキングがプライバシーを侵害しているとの批判を受け、
検索エンジンを提供する各社がCookieの廃止に応じています。
(Appleの検索エンジンSafariは既に廃止)


Cookie廃止の議論が始まった2020年以来、
加速度的に新聞やマガジンで特集されるようになった
リテールメディアとはいったい何なのでしょうか。

リテールメディアとは小売店が運営するECサイト上の各種オンライン広告や小売店の店舗に設置されたサイネージ広告などに見られる、「小売店が媒体社として提供している広告媒体」です。

今注目のリテールメディアとは』(電通報)

つまり旧来の検索エンジン事業者(Google等)の役割を、
広告を流す媒体(実店舗など)を有する小売り事業者が取って代わり、
顧客情報の収集により高効率の販促が可能になるという構図です。

小売事業者が収集した顧客行動などの情報は「1st Partyデータ」と呼ばれ、
ターゲティングやWEB広告の配信、店舗での販促活動に活用されます。


特集記事で取り上げる米ドラッグストアCVSのリテールメディアは、

  1. リワードプログラムによる固定客層を有していること

  2. 一般的なマーケティング基準※に沿って効果測定するシステム

  3. 膨大な「1st Partyデータ」が収集可能な実店舗数

※IAB/MRC ガイドライン

という点でその他の一般的なリテールメディアとは異なっています。

特に注目したいのは、1点目のリワードプログラムについてです。

Extra Careと呼ばれる同社のリワードプログラムは、
2024年現在約7,400万人もの登録顧客を抱えており、
CVSのECサイトを訪問した登録会員に対して広告を表示します。

リテールメディアというと実店舗の商品横サイネージで
エンドポイントでの販売促進というイメージを持ちがちですが、
CVSは実店舗に加えて上記のオンライン顧客も補足することで、

オンライン・オンサイト(店舗にいること)の両面
顧客行動の理解と販促アプローチを打つことができ、

旧来の検索エンジンのCookieを活用したマーケティングではなく、
リテールメディアだからこそ可能なマーケティングであると言えます。

CVS社の副社長兼ゼネラルマネージャーのダリワル氏は
次のようにインタビューに答えています。

消費者との関わりや、消費者が店頭で購入する方法を理解することが、私たちのスイートスポットです。なぜなら、私たちはExtraCareを持っているからです。私たちは消費者を理解し、行動を理解します。また、デジタルであれ実店舗でであれ、ユーザーがいつ購入するのかも理解しています。大規模化することは、非常に刺激的な価値提案です。

CVS is fully capitalizing on retail media』(Chain Drug Review)


<担当者からの一言>
CMXの測定機能は現在、オンサイトとオフサイトのチャネルのどちらでも利用できる。 これこそが、小売業の根幹を揺るがす可能性を持っていると感じています。買い物客のリワードデータを使って、オフからオンへ誘導し、ターゲットを生み出せる。クッキー廃止がもたらす恩恵を十二分に受けるためにも、オンラインサイト内の計測整備に時間を割くべき元年と感じています。



韓国│農産物品質管理院、原産地を嘘ついた花販売業者80ヶ所を摘発う

<記事の要約>
国立農産物品質管理院は、両親の日にカーネーションを贈る人の増加に伴い、花の消費が増加する5月を迎え、去る1日から14日まで原産地表示事項を点検した結果、80ヶ所が摘発されたと明らかにした。中国とコロンビアから輸入したバラとカーネーションを国産と騙したり、原産地表示をしなかった小売商や大型マートなどが摘発された。来月には販売量が増えている蜂蜜について、原産地の表示点検を実施予定だ。

皆さんは花屋に並んでいる花を見た際、
その産地について気になったことはありますか。

現在、日本や韓国で販売されている主な種類の多くは
中国やアフリカ、南米からの輸入品です。


長距離の輸送でも品質はそれほど落ちず、
加えて

  • 価格が安い

  • 豊作/不作の波が小さい

  • ロットサイズが揃う

といった理由で輸入品が普及しています。

しかし国産といった方が消費者ウケはいいし、
輸送期間が短いため新鮮で質が良いのは事実。
そのため産地偽装に走ってしまうわけです。


輸入花卉との価格競争を受けて国内産業を強化しようと、
輸入品では代替しづらい高付加価値の品種を国産ブランド化し
ブランド価値を守るべく日本では2006年より
トレーサビリティ規格「MPS」が制定されました。

実際、日本の国産ブランドが国際的に評価された実績は多いです。
例えば2012年の国際園芸博覧会「フロリアード」において、
長野県のラナンキュラスは球根花部門コンテストにおいて世界一、
同様に長野県のトルコキキョウは切り花部門で世界一になっています。

他にも、2022年のアルメーレ国際園芸博覧会においては、
日本からの出展団体として国際園芸家協会賞を受賞しました。

今後の国産花卉栽培事業がブランドとして確立し生き残るため、
トレーサビリティは不可欠の役割を担うことでしょう。


<担当者からの一言>
韓国では、日本の母の日のタイミングで「両親の日」があります。日本と同様に、カーネーションを贈るのですが、そのカーネーションの原産地詐欺が横行しているようです。口にする食品と比べると、原産地に対してそこまで敏感ではないのですが、それでも贈り物の内容については正しい情報を得たいものです。



Amazon、米市場で本関連商品の夏セール「Amazon Book Sale」を実施 | Retail Dive

<記事の要約>
米市場を対象とした5月15日から20日までの 6 日間のセールで、数千冊の書籍が対象。印刷版、電子書籍、Audible全てがセール価格となる。なおセール価格で購入するためにプライム会員である必要はない。

皆さんは教科書の適正価格はいくらだと思いますか。

内容量・専門性が同じレベルの一般の書籍に比べて
同じか少し低い価格相場で設定すべき、
といった意見が例えば出てくるかと思いますが、

かなり高額な価格相場で設定すべきだ!
といった意見は少数派に属するかと推測します。


しかしアメリカでは教科書1冊が2~3万円します
(主に大学の教科書です)

似たような厚み・専門性の本でも
せいぜい5千~1万円のところを、です。

私が留学していた当時のレートでは2.5万円が多く、
カルチャーショックの一つでした。

大学の教科書価格は何年もかけて値上がりしてきたようで、
元大学教授Cliff Mass氏のデータによると、
1998年から2014年までの約15年間で約1.5倍となったそうです。

College Textbook Prices: Out of Control

おそらく大学の学費自体の高騰と比例していると思われ、
Cliff氏のデータ以降(15年~現在)も単調増加していると思われます。


教科書の出費が痛い、どうにかして節約したいと思うのは
私のような留学生だけでなく本国の学生も同じようで、

  • 教科書を使用しない(レジュメのみ)授業があるかの情報共有

  • どうしても使用する場合、共同使用するグループの呼びかけ

を国籍・人種・性別問わず皆で協力していたのを思い出します。


ちなみにアメリカの学部の授業では、
講義を行う教授と演習を担当してくれるポスドクの
2人セットで授業が組まれていることが多いのですが、

教授・ポスドクは教える側なので
大学からの経費で教科書を購入でき、
デジタル化でPDF所有していたことも多く、

演習やOffice Hoursの間にポスドクと仲良くなって
使用する箇所だけスクショを撮らせてもらう
というアングラ?寝技?な手段をやったこともありました笑


アメリカの教科書が高額である理由について、
サウスカロライナ大学の図書館司書である
アミー・フリーマン氏は以下を指摘しています。

  1. 大学の教科書業界は競争がほとんどない(4社で市場の80%を占拠)

  2. 教科書に付属する課題や資料の質を高くするためにコストがかかる


2点目の課題や付属資料を良くするという発想は
あまり日本には無いものかもしれません。

あくまで私個人の意見ですが、
日本は先生が教えて教科書は補助道具という認識、
アメリカは先生が教え(られ)なくても教科書があれば大丈夫
という想定する役割の違いに起因するのではと思っています。


ちなみに、クラスメートと連携し節約する方法を前述しましたが
レンタルして費用を抑えるという正攻法も一般的ではあります。

有名どころでいうと以下2社です。

<Chegg>

<Amazon>

私は前述の寝技をする元気がなく楽をしたかった際は
よくCheggを利用していました笑


<担当者からの一言>
私がアメリカに留学している際に感じたのは、本の価格設定が不均一であることによる違和感です。書店(新品のみ)に行くと、300ページ以上ある本が$10程度(当時レートで1,100円)、フルカラーグラフィックでも$20以下だった一方、授業で指定された教科書は$250以上するなど、およそ同一の価格設定方式では考えられない開きがあることが疑問でなりませんでした。



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