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ボルドリッジに学ぶ

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#イノベーション

働き手とリーダーの認識をチェックする

働き手とリーダーの認識をチェックする

 ボルドリッジ(ボルドリッジ・エクセレンス・フレームワーク)は、米国発の「証明された」経営フレームワークです。

 ボルドリッジに取り組むにあたって、働き手とリーダーそれぞれの観点から、組織の状態をチェックするツールが提供されています。
 組織では、働き手やリーダーシップチームの認識を以下のツールで確認します。

 私たちは進歩していますか?
 Are we making progress?
 A

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高業績の基盤

高業績の基盤

 ボルドリッジ(ボルドリッジ・エクセレンス・フレームワーク)は、米国発の「証明された」経営フレームワークです。ボルドリッジはまた、米国マルコム・ボルドリッジ国家品質賞(MB賞)の「審査基準」であり、それをもとに自己診断(セルフアセスメント)・審査を行い、組織の改善点を見つけ、改善します。

 ボルドリッジの最近のブログ「ボルドリッジ:高業績の基盤(Baldrige: The Foundation

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リスクは避けるもの、予防するものという意識がどうしても先に立つけれど

リスクは避けるもの、予防するものという意識がどうしても先に立つけれど

 「内部統制評価基準 勝ち抜く会社の800のポイント」は特に「業務の有効性と効率性」を基軸にした「内部統制」の有効性を診断する評価基準です。この評価基準を活用した内部統制の仕組みづくりでは、内部統制に関わる組織経営のプロセスを8つの側面(カテゴリ)に分けて、具体的に仕組みに落とし込んでいく方法をとっています。
 その8つのカテゴリーの4つ目「4.経営管理の実践、改善」では、リスクの特定と予防につ

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VUCAの時代の中期計画

VUCAの時代の中期計画

 先日、3月まで桜美林大学大学院で教授をされていた高橋義郎氏主催の「高橋マネジメント研究所10周年感謝セミナー」があり、基調講演で日本総研の坂本謙太郎氏(株式会社日本総合研究所リサーチ・コンサルティング部門シニアマネジャー)から、「中期経営計画は作らなくて良い~マネジメントの限界」という刺激的なタイトルの報告があり、興味深く聴講しました。

 コロナ禍で社会や経済の様相は一変しましたが、それ以前か

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ボルドリッジ・エクセレンス・ビルダー2021-2022【日本語版】がNISTのサイトに掲載されました

ボルドリッジ・エクセレンス・ビルダー2021-2022【日本語版】がNISTのサイトに掲載されました

ボルドリッジ・エクセレンス・フレームワークの要約版、ボルドリッジ・エクセレンス・ビルダー2021-2022【日本語版】がNISTのサイトに掲載されました。

米国にはPDFとWORDをお送りしたのですが、今回掲載されたのはWORD版です。(一部修正されたのかもしれません。これから確認します。)

WORD版のため、開くツールによって、一部のページが期待通り1ページに収まらない場合がありますが、一見

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イノベーションにつながる7つの機会

イノベーションにつながる7つの機会

先日来「日本企業のイノベーションはなぜ進まず、ゲシュタルト崩壊を起こしてしまうのか?」というタイトルで数回開かれたセミナーで、後半のセッションで、「イノベーションを生み出す組織に必要な8つのこと」というテーマで講師を担当しました。

ここでは、ボルドリッジをベースにイノベーションを生み出す組織づくりについて話をしました。

この中で、イノベーションの定義はボルドリッジのものを採用したうえで、P.F

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日本企業のイノベーションはなぜ進まず、ゲシュタルト崩壊を起こしてしまうのか?

日本企業のイノベーションはなぜ進まず、ゲシュタルト崩壊を起こしてしまうのか?

 「日本企業のイノベーションはなぜ進まず、ゲシュタルト崩壊を起こしてしまうのか?」というタイトルで開いている内部統制評価基準改訂版発刊記念セミナーの後半のセッションでボルドリッジをベースにイノベーションを生み出す組織づくりについて話をしています。

 「ゲシュタルト崩壊」というのは、全体性を持ったまとまりのある構造から全体性が失われてしまい、個々の構成部分にバラバラに切り離して認識し直されてしまう

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イノベーションに取り組む

イノベーションに取り組む

ボルドリッジ・フレームワークは、イノベーションを生み出す組織を作り出す仕組みです。

ボルドリッジでは、「イノベーションに取り組む」が「核となる価値観と概念」の一つにありましたので、それを改めて見てみます。

イノベーションに取り組む(Managing for Innovation)
イノベーションとは、意味のある変更を加えて、組織の製品、サービス、プログラム、プロセス、業務運用、およびビジネスモ

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イノベーション再考

イノベーション再考

ボルドリッジ・フレームワークは、イノベーションを生み出す組織を作り出す仕組みです。

ボルドリッジのイノベーションをいま一度振り返ってみます。

イノベーション
プロセス、製品、組織、あるいは、社会の幸福を改善(向上)し、利害関係者に新しい価値をもたらすために、意味のある変更を加えること。
(Baldrige Key Terms / NISTより。翻訳筆者)

イノベーションは、そのもの、または、

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イノベーションを支援する環境づくりもリーダーの役割

イノベーションを支援する環境づくりもリーダーの役割

 ボルドリッジ・エクセレンス・フレームワークあるいはその要約版、ボルドリッジ・エクセレンス・ビルダーの質問から、経営幹部のリーダーシップについて見ていきます。

 ボルドリッジ・エクセレンス・ビルダーでは、「1.1経営幹部」(p7)で、経営幹部がどのように組織を導いているかについて、質問します。

 質問の4番目「(4)経営幹部は、現在および将来の成功のための環境をどのように創っていますか?」で,

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2021-2022から新しくなったこと(2)イノベーションの再定義

2021-2022から新しくなったこと(2)イノベーションの再定義

ボルドリッジ・エクセレンス・フレームワークは、組織のパフォーマンスを向上させるための最も重要な質問集です。また、ボルドリッジ・エクセレンス・フレームワークはイノベーションに取り組むことを組織に組み込むための仕掛けです。

ボルドリッジ・エクセレンス・フレームワークの2021-2022年版への改訂では、イノベーションについて新たな視点が加わりました。

ボルドリッジでは、2001年に「イノベーション

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2021-2022から新しくなったこと(1)核となる価値観と概念

2021-2022から新しくなったこと(1)核となる価値観と概念

 ボルドリッジ・エクセレンス・フレームワークは2年ごとにその時代の最先端の実践を取り入れて改訂されています。最新の2021-2022年版が2020年12月に改訂されました。

 改訂のポイントの1番目は、核となる価値観と概念に「レジリエンス(resilience、回復力)」が入ったことです。
 実際に、価値観全体の個数(11個)は変わらず、次のように組み合わせが変更されました。

核となる価値観と

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イノベーションを生み出す組織をつくる

イノベーションを生み出す組織をつくる

 組織の戦略で最強のものはまさに「戦略」、戦いを略す(はぶく)ことです。このために有効なのがイノベーション。同質競争から抜け出して、ひとり先を行きます。

 ボルドリッジでは、パフォーマンスエクセレンスを追求し、成熟度を高めて行くと、改善(向上)のサイクルが組織に定着した先に、イノベーションを生み出す組織となるとしています。
 すなわち、ボルドリッジ・エクセレンス・フレームワーク(プログラム)に取

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組織の学習と個人の学習

組織の学習と個人の学習

 働き手やボランティアのアイデアや研究開発は、組織の学習の出発点となる内部の重要な要素です。すなわち、個人レベルの学習や新しいスキルの活用実践の機会は、組織と個人の成功にとって重要です。
 ここでいう個人には、リーダーも含まれます。また、ボランティアに依存する組織では、ボランティアの個人的な学習もまた重要です。この場合、ボランティアの学習とスキル向上は従業員と同様に考慮すべきことです。

 組織は

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