大猩猩ゾン子

ゴリラでゾンビでナースなVtuberをしている、ごりらぞんこです🦍 ここには、参加して…

大猩猩ゾン子

ゴリラでゾンビでナースなVtuberをしている、ごりらぞんこです🦍 ここには、参加している企画などのSSやX(旧Twitter)では書ききれないことなどを書いていこうかなと思ってます💜 良かったらいいね、よろしくお願いします🧟‍♀️✨

最近の記事

【#ガーデン・ドール】俺の物語-負壱-

B.M.1424 7月1日 夜。 孤独になった獅子と仮面の人形が拳を交え、漆黒の髪のドールと緑の髪のドールに世話を焼かれたあと。 俺は一枚の紙を片手に、藁小屋へとやって来た。 目の前にはひとつの巨大な箱ーー名称『PfU-サングリアルS』 決闘を行った報告書を入れると、対価として願いを一つ叶えてくれるかもしれないもの。 八つ当たりに近いことをロベルトにして、それが決闘なのかと問われれば否定したいところでもある。が、もし本当に願いが叶うなら。など淡い期待を抱いてしまう。

    • 【#ガーデン・ドール】傷と仮面

      レオが左目を失って数日。 日常生活にも幾らか慣れてきた頃、レオはとあるドールの部屋の前に立っていた。 トントントン。 控えめにドアをノックして、家主を呼び出す。 中からは軽い返答があり、程なくして濃い灰の髪に漆黒の角の生えた仮面の男……ロベルトが顔を出した。 「レオさん?どうされ……たんですか、その目」 いきなりの訪問者に多少驚きつつも、いつもの様に返事を…とはいかなかったらしい。 レオの左目にあるひび割れたような傷を目にして動揺しているのか、少し声が震えている。

      • 【#ガーデン・ドール】太陽と月

        【注意】 交流創作企画 #ガーデン・ドール において 最重要ストーリーとなる内容を含みますので、自己判断でお読みください。 こちら の続きになりますので、先に見てからお読みください。 暗い闇の中、誰かの声が聞こえる。 忘れてはいけない、忘れられない、鈴を転がす音のような。 呼ばれるだけで、心が温まる、そんな錯覚さえ起こすような。 ずるずると、沈む。 ぐるぐると、深く。 底無し沼の様な、知識の濁流に飲まれて。 飲まれて、飲まれて、息が出来なくなる。 『……レ

        • 【#ガーデン・ドール】二番目と感情の軌跡

          こんにちは! noteでははじめましてになります、大猩猩ゾン子と言います。 大猩猩と書いてゴリラ、名をゾン子。 普段はしがない個人勢のVtuberとして、活動している私です。 今回こうやって筆を執ったのは、主題にもある通り 『世界観共有型交流企画ガーデン・ドール』 にて持たせていただいている、二体の内の、とあるドールについてまとめを作りたかったからです。 「ガーデンドールとはなんぞや?」 という方は、ぜひこちらのアドレスから概要だけでも見てみてください。 私には、リラと

        【#ガーデン・ドール】俺の物語-負壱-

          【#ガーデン・ドール】その想いは指先をすり抜けて

          【注意】 交流創作企画 #ガーデン・ドール において 最重要ストーリーとなる内容を含みますので、自己判断でお読みください。 こちら の続きになりますので、先に見てからお読みください。 何てことのない、ドールになった感情の欠けたもののお話。 俺は、アイツが好きだったんだ。 アイツの手が、好きだった。 返り血で濡れて赤く、紅く光るその両手は温かくて。 俺にあるはずのない記憶の中で、アイツは微笑んで。 共に破壊のまま殺戮を続けて。 ……あぁ、だからか。 とてつも

          【#ガーデン・ドール】その想いは指先をすり抜けて

          【#ガーデン・ドール】壊れることは決してない。

          【注意】 交流創作企画 #ガーデン・ドール において 最重要ストーリーとなるミッションの内容を含みますので、自己判断でお読みください。 また、流血や暴力的な表現を含みますので、お気を付けください。 こちら の続きになりますので、先に見てからお読みください。 あれからどのくらい経ったのだろう。 頭上には未だに丸い月が浮かび、星と共に煌々と輝き照らしている。 悠久にも感じるその瞬間は、実際には数分も経っていないのだろうか。 静かに、ククツミを見つめる俺の傍にひとつの影が増

          【#ガーデン・ドール】壊れることは決してない。

          【#ガーデン・ドール】振り向くな。

          【注意】 交流創作企画 #ガーデン・ドール において 最重要ストーリーとなるミッションの内容を含みますので、自己判断でお読みください。 また、流血や暴力的な表現を含みますので、お気を付けください。 良ければ、こちらも見てからお読みください。 とある一人のドールから生み出された、ひとつの衝動がドールになって、その美しさに触れるお話。 その行きつく先。 決めるのは一人のドールと独りのドールの選択。 おわりのはじまり。 「レオさん。お出かけ、しませんか?」 煌煌魔機構

          【#ガーデン・ドール】振り向くな。

          【#ガーデン・ドール】きらきらひかる、おそらのほしよ

          6月15日。 その日の夜は。 とても寂しく。 とても、眩しく。 とても、煌煌しく。 群青と漆黒を混ぜた空に雲はなく、輝く星たちが空を飛んでいる。 煌煌魔機構獣討伐後、足早に茶の間を退室した二人。 リラはヤクノジの手を握ったまま、対策本部の裏に回って足を止める。 されるがままのヤクノジも、同じく。 ぼんやりとした状態のまま空を見上げる。 空には、輝きが降り始めていた。 「……星が、流れてる……」 ちらりとヤクノジを見てから、リラも空へ視線を移す。 「……本で

          【#ガーデン・ドール】きらきらひかる、おそらのほしよ

          【#ガーデン・ドール】救えなかった魁星

          「私の名前はグロウです。みなさん、先生になって帰ってきました!」 「グロウ先生!よかったです……!」 「ちゃんと言ったじゃないですか、戻ってきます、と」 グロウ先生は優しく私に微笑んで告げた。 それを私は、少し泣きながら笑って受け止める。 そんな幸せな物語が続けばよかったのに。 +++++ B.M.1424 6月1日早朝。 【ガーデンから黒いモヤが飛んでいきました。 マギアビーストの出現が確認されました。 討伐されるまで海周辺が立ち入り禁止となります。】 絶対

          【#ガーデン・ドール】救えなかった魁星

          【#ガーデン・ドール】先を生きる

          コンコンコン、と部屋に響くノックの音。 正真正銘、最後の邂逅となるであろう、終わりの始まりの音だった。 +++++ 「リラさん、グロウです」 ノックの後、その声が聞こえて私はぱたぱたとドアに駆け寄る。 少し急いで開けたせいか、勢いがついたまま外に転がりそうになりながらグロウ先生を迎える。 「すみません!お待たせしてしまって……」 「いえ、こちらこそ。……お別れ会では色々とありがとうございました」 少し寂しげに眉を下げながらも、笑顔で話しかけてくれるその姿に胸が苦し

          【#ガーデン・ドール】先を生きる

          【#ガーデン・ドール】俺の物語-漆-

          この記録は、俺が『ククツミ』としてきたことの履歴。 思い出。 あいつの為の、俺の我儘。 俺の為の、あいつの我儘。 +++++ 部屋に灯りは点いておらず、白く光る月の光だけが俺とノートを照らす。 手元は眩しいくらいに黒が映える様にまっさらで。 俺はそこに、俺を残していく。 B.M.1424 3月27日。 叶うはずのない願いが、俺の大切な二人に叶えられた日。 『約束』を、叶えにいく準備が出来た。 自らの欲を欲して良いんだと、いないはずの神に感謝さえしてしまいそうな気

          【#ガーデン・ドール】俺の物語-漆-

          【#ガーデン・ドール】風に刃を乗せて、若葉は散る

          前を向いて頑張る少女と、それを見守る事にしたドール その日は特に予定がない日で、いつもの如くLDKでおやつ用のお菓子を作っていた。 ロベルトさんとも作った事のあるこれは、ヤクノジさんの好物である。そして例に漏れず今日も今日とて、作り進めて残りは焼くだけ。 まだその時では無いので、冷蔵庫に保管してその時を待つ。 ついでに、いろんなフルーツを剥いて一口サイズにカットして盛り合わせる。 オレンジジュースと併せてソファに向かい、いちごをひとつ。 「たまにはお菓子ではなくて、フル

          【#ガーデン・ドール】風に刃を乗せて、若葉は散る

          【#ガーデン・ドール】青は黄と交じる

          色々と情報に押しつぶされそうになりながらも、日常を取り戻していた二人の魔法を使った時のお話。 「センセー、ワンズに行く許可をお願いいたします」 「僕も一緒にお願いするよ」 「お二人の申請を受理いたしました」 「ありがとう。これで準備は出来たかな?」 「ありがとうございます。あとはおやつを持てば大丈夫です」 「再度ワンズの森に入る場合は再申請をお願いいたします。」 再度ありがとうと端末のセンセーに向かって声をかけた二人は、最後の準備を終わらせるべくLDKに向かった

          【#ガーデン・ドール】青は黄と交じる

          【#ガーデン・ドール】願わくば、束の間の幸せを

          室内でぱらぱらと紙を捲る音が響く。 時刻は夕方、窓から差し込む陽は輝きながら、リラの顔を橙に照らしていた。 温かいその光は、強張った表情を隠すことなく染め上げていた。 手元にはいくつかの紙。そして傍らには、すこし散らばっている紙とノート。 そして一枚の紙を見た途端、ぴたりと紙を捲る指は止まった。 「グロウ先生……」 小さく呟きながら紙の内容を読み、苦しい表情を浮かべる。 リラとヤクノジとで成した証明の代償は、あまりにも現実的ではないものだった。 +++++ トントン

          【#ガーデン・ドール】願わくば、束の間の幸せを

          【#ガーデン・ドール】俺の物語 -陸-

          力が欲しいレオ。 その先に何が待っていようとも、彼は止まることはないんでしょう。 未来のための力。 とある夜。 いつかの日と同じように、灯りの点いていない部屋を照らすのは窓から差し込む月の光だけで、レオはひとりベッドの上で胡坐をかいていた。 以前は何もなかった部屋の中には、木の両端に重そうな石が付いたものや、少しの本が机の上に増えていた。その中の一冊だろう、新しい教科書のようなものが広げられていた。 まだ受け取って間もないのか、一度開かれたような形跡を残しているだけでそのま

          【#ガーデン・ドール】俺の物語 -陸-

          【#ガーデン・ドール】けんか

          『今からそっちに行く』 そんな念話が届いて、私は慌てて部屋の片付けを始めた。 読んでいた本にお手製のしおりを挟んでベッドサイドテーブルの代わりにしている棚に置き、ベッドの上やラグの上に置いたり広げたままのノートをささっと整えて机に仕舞う。 「リラちゃん、どうしたの?」 「あ、いえ、レオから念話が届きまして…」 「レオくん?」 「多分、以前貸したレリックについての報告だと思うんですが…」 緑の毛糸で編み物をしているヤクノジさんが、手を止めて近場の本を集めて渡してくれ

          【#ガーデン・ドール】けんか