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なるみ
2023年6月23日 15:06
何気なく開いた詩私の内界を照らして私はかつての舞台に立ち返った遠い遠い故郷のようだった私が私であると気付くもっと前から私の奥で流れている何かそれは内なる産声だったか孤独を背負った旅人の背中が途端に見えてくる
2023年6月23日 18:49
玄関にいる出番のない靴はさみしくって歩き出したりしない の?
2023年7月24日 12:03
ある程度の理想はあるが正しい答えは持ち合わせていないむしろ正しい答えがあればうたはしばられるひとは勇気と共にうたう祈るように
2023年6月30日 11:12
詩集をひらくときページは行き当たりばったりが いいうしろから追われたくない片付けるように追いたくない詩集をひらくとき思いがけない ものでありたい
2023年8月7日 06:16
言葉は私の空を覆って横に切れて消えていく掴むことはできない空にはひとつの詩がうまれようとしているうまれていながらはなれていく気配ぽつんと残ったのはあの人のやさしさの空
2020年9月19日 13:26
洗濯物自分のものではない洗濯物 を 干すとき「今 あなたは生きている」 ということよりも「昨日 あなたは生きていた」 という実感ばかり 強くなってなんとなく もの悲しい物干し竿に、衣類を干す そのことがあなたを 罪なく置き去りにしている ようで…
2021年1月11日 09:00
今この手の平にはなにもないただ 頼りない体温のみが私 を知らせている。この記憶はすでに届かない履けなくなった靴のようにあなた を眺めている。たったひとつ あるとしたらそれは 今私の名と 手をつないでときには 手放して今 と 約束を交わしている
2020年9月22日 07:33
言葉を着ます。感性といった、裸に似せた衣装を。ときには共感といった、流行りに似合う言葉を。結局のところ顔が言葉から飛び出して意味への勘ぐりによって窒息します。
2020年7月27日 11:14
傘立てには 傘が立たされている日傘と雨傘と 両方が。守るための傘だとしたらひとはいつ傘をひらくだろう晴れでも雨でもなけりゃあ いつ…もし守るとしたら私自身の傘で私のアンテナを発動させて私の芯は辛抱強く立たされなければならない
2020年9月15日 18:17
人間って不思議だなぁはしゃいで 騒いでも、寂しさや虚しさも健気についてくるんだものそして自分のかっこわるい姿を思い出してクスクス笑えるんだもの十分じゃないか と言い張るこころとなんか違うや と訝るこころで自分という人間をあやつる つもりがまたもや とんちんかん!そんな日もあればひっそりと こころが満ちていくときもある注いでも 注いでもあさっての方向を向きながら
2020年9月13日 08:33
その四肢は証明ではない。かぎりなく心臓に吸いつき私の黒目のように、余すことなく瞬きに飲みこまれてしまいそうなのだ。
2020年7月24日 10:00
ひとはどうしてか、横になったものを起こそうとする自分にきちんと従って、わたしは起こす転がったぬいぐるみ、倒れた自転車、傾いた本たち、疑いを抱くことなく、恩とも思わず、ひとの仕草 は日常へのご挨拶 として
2020年7月30日 12:12
裏表逆に着ている とこのぼくは言われちまったそれでも一応ぼくの大事なものは隠し通せていた のかもしやこんなふうに恥じらいだけ にぼくは袖を通していたってのか
2020年7月5日 01:51
言葉の行列はついにスーパーボールのようにはねて ぶつかって つっついて 小突かれてやかましいまったく やかましいしかし それは 初歩の模倣でしかない今にも脱げそうな靴だ言葉よ言葉にケンカは付きものか踏みつけぬようにでも 刻みつけるように紡がれた言葉と出合うのだ