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東工大学生起業家が考える_起業の全て②

起業するまでに何をしていたの?
起業するまでにやるべきことは?
ビジコンってどうやって発表すればいい?受賞するコツは?
どうやってアイデアを形にするの?

起業に関するあらゆる疑問・質問に対して、東工大学生起業家「平賀良」が個人的意見を交えつつ答えていきたいと思います!学生の方は必読です!

※個人的見解も含まれているので参考と思ってください。
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はじめまして。東京工業大学物質理工学院 修士課程1年の平賀良と申します。

普段は、医療器具の一つであるカテーテルの生体適合性を向上させるための、次世代型金属の機械的性質を研究/開発している大学院生です。

しかし、2019年の11月に休学をして、GoMA(ゴーマ)株式会社(本拠地:東京都港区)を立ち上げました。

現在は、GoMA株式会社の代表取締役として、会社を経営している「学生起業家」です。

参考:GoMA(ゴーマ)株式会社ホームページ

参考:凸版印刷主催の新事業コンテストで「特別賞」受賞

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2020年に入って、就活生と人事のマッチングアプリ「Matcher」で、人事側で登録をしました。

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「起業やスタートアップに興味のある方」という内容で募集をかけたところ、2020年4月時点で40人ほどの就活生から、お声がけいただきました。

一週間に2~3人の就活生と、1時間ほどお話させていただいています。

一般的には、人事の方が新卒の採用に使ったり、学生が面接やESの添削をして貰うのに使うことが多いですが、僕の場合は「学生起業家」としてのコンテンツに興味を持っていただいた方と交流するという使い方をしています。

参考:【起業/スタートアップ】に興味ある方ぜひ!

今回記事にしようと思ったのは、前回のこちらの記事でお伝えすることができなかった、Kさんというエンジニアと出会い起業するまでの流れについての詳細や、お金の話(特に投資)に関する話を中心にしていきたいと思い作成しました。

前回の記事をご覧になっていない方は、ぜひこちらのリンクからご覧いただけると幸いです。

こちらの記事は皆さまのおかげで「#起業 週間ランキング1位」を取らせていただいたものです。

良かったら最後まで読んでいただき、フォローしていただけると嬉しいです。よろしくお願いいたします。

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【この記事を作成する意図・目的】

今回の記事はキャリア選択を考えるようになる就活生(学生)の方を中心に見ていただけたらと思い作成しました。

(学生だけに見ていただきたいということではありません笑。)

前回の記事でお伝えできなかった人との出会いから経験したこと、それによって起業するまでの流れの詳細を物語風に書いていけたらと思います。

キャリア選択をしていく中で起業という選択肢も一つあります。なので、起業に興味のある学生の方の参考になればと思ってのことです。

また、投資を中心としたお金の話をさせていただきたいです。これは、学生のように若くて時間のある期間に身に着けておくと、将来を豊かにすると判断したので書かせていただきます。

最後に、キャリア選択を考えていく中で「どういったキャリア形成をすればこれからの時代生きていけるのか?」、「どういった知識や能力を身に着ければ安心できるのか?」といった身に着けるべき思想(考え)についてお話できればと思います。

1. 起業するまでの流れの詳細
2. 投資を中心としたお金の話
3. キャリア選択について身につけるべきこと

今回のこの記事では「起業するまでの流れの詳細」について解説していきます。2、3は続編として記事にするのでお楽しみにして下さい。

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【1. 起業するまでの流れの詳細】

前回の記事で、エンジニアであるKさんとの出会いが起業のきっかけになったという話をしました。なので、起業するまでに自分がやってきたことの詳細についてお話していきます。

まず、僕が春休みの一カ月間を使ってビジネスに関わる人脈をつくるために、イベントに参加したところからお話します。

色々なイベントに参加させてもらったのですが、一番印象的だった特定非営利活動法人Startup Weekend Japanが企画・運営するアイデアソン「Startup Weekend」について紹介していきます。

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【アイデアソン Startup Weekend】

このイベントは金曜日からの週末三日間かけて行われるイベントでした。簡単に説明すると「三日間で起業体験ができるイベント」です。

金曜日の夜に参加者が集まって(僕が参加したときは80人くらい)アイスブレイクを行い、その後三日間のチームを決めるためのマッチングを行います。

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マッチング方法は、このイベントに参加するために考えてきたビジネスアイデアを1分間披露してどのアイデアが魅力的か評価し合います。

いいと思ったアイデアの持ち主のところにシールが付与され、シールが少ない者のアイデアは除外されていくシステムです。

最終的に残ったアイデアの中から、自分がやりたいと思ったアイデアの持ち主のところへ集まってチームが編成されます。

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もし、採用されなくてもどうしても自分のアイデアで挑戦したい場合は、メンバーを募ってチーム編成することも可能です。

僕はこのイベントに二回参加したことがあるのですが、一度目は採用されず別の人のアイデアに参加し、二度目は自分のアイデアが最後まで残ったのでチーム編成に成功しました。

ちなみに自分のアイデアが生き残るかどうかに本質的な意味はありません。

(こちらの理由は後で説明します。)

このようにしてチーム編成できたところから解散するというのが初日の流れです。

僕のチームは編成後に顔合わせとアイデアのブラッシュアップを行うためにファミレスで夜の22時くらいまで会議しました。

(初対面の人と意見を言い合うというコミュニケーション能力が必要なので、それに不安のある方はオススメです。)

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二日目から三日目の午前にかけては、アイデアをブラッシュアップする作業をチームごとに行い、三日目の夕方から審査員を招いて発表会を行います。

審査員の方はイベントによりますが、僕が参加したときは株式会社CAMPFIRE代表の家入一真さん他が来ていました。

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その後表彰を行い、最後は交流会パーティーをして終わりという流れです。三日間の食事に関しては朝・昼・夜が提供されます。イベントとしては結構楽しいです。

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ただ、朝の9時から夜の9時くらいまで休日を返上してイベントに参加することになるので、かなり本気の方でないと途中で消えてしまいます。

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初日が終わり、僕たちのチームは二日目の朝9時に会場に集合することになっていました。

会場に着くと、昨日の人数の半分くらいしか会場にいませんでした。

(休日朝早くからアイデアのブラッシュアップに時間を使おうなんて、本当に好きな人でないとできないということですね。)

そこから一日中チームでの作業が始まります。

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僕らのチームは、最初のビジネスアイデアとして「シェアサイクルにトークン発行機能をつけたサービス」でした。

このサービスは自転車を漕いだ分だけポイントが発行されて、そのポイントを商品と交換できるというアイデアです。

それによって、シェアサイクル利用者数や自転車通勤者数の増加が見込め、かつポイントを商品と交換することによって商品を販売する企業からは広告利益を得られるということでした。

メンターの方にアウトプットしたところ「そのサービスは誰の課題を解決するサービスなの?」と言われてしまいました。

確かにパッ!と答えることができませんでした。なんだかあったら良さそうな雰囲気のサービスではあるものの、誰の課題を解決するサービスなのか分かりませんでした。

そこで今度は課題を見つけることにしたのですが、その課題がなかなか見つかりません。自分たちが普段、課題に感じることを共有し合ったりしたのですが、結局最初に考えていたサービスとは程遠いサービスになりそうでした。

そこで最初に考えたサービスの課題を検証しようとネットで調べたり、友人等にそういったサービスがあったら活用するかヒアリングしました。

その結果分かったことがあります。僕らは「誰かの課題を解決したいんじゃなくて、トークンの発行機能がカッコよさそうだからこのサービスをやりたいんだ」ということに気が付きました。

つまり、手段を目的化してしまっていたのです。

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よく起業する方でも「こんなサービスあったらカッコよくない?」という自己満足でサービスを進めてしまうことがあると思いますが、これは失敗する可能性が高いです。

僕らは、最近流行りのブロックチェーン技術を使ったトークン発行機能を実装したいからサービスを提供したいのであって、そこには誰かの課題を解決するという視点がありませんでした。

当たり前に思うことですが、困っている人を助けるビジネスにしないと、その人からお金を貰うことはできません。なので、課題を検証するという作業はビジネスの初期段階において一番重要なことです。

このことに気づき、僕らはチーム内で議論を重ねました。

(二日目の大半は課題の検証に時間を使ったと思います。)

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その様子を見ていたメンターの方からひと言。

「君らのその机上の空論って無駄だよ。そんな時間があるなら部屋で議論してないで、外に出て自分たちの仮設が合ってるか検証してきなよ!」

そういわれて、僕らは休日の丸の内で街頭インタビューをしました。

10人声を掛けてやっと一人止まってくれるくらいで、インタビューまで成功した人は1時間やって2人くらいでした。

(このイベントの中で一番辛い経験でした。笑)

二日目に勉強になったこととしては、僕らが机上の空論で永遠語るよりも、仮設を立て検証して再構築することを繰り返した方が早く課題や顧客ニーズを見つけることができるということです。

また、人にサービスを説明する際も

「このビジネスって本当に顧客は使ってくれるの?」と聞かれたときに

「実はアンケート調査をしたところ、100人中10人が使いたいと回答したので、想定顧客の10%は獲得できると予想しています。」と論理的に回答できます。

「僕らのチームメンバー4人はなんだか良さそうと思ったので、使ってくれると思います。」という回答だと説得力に欠けるのです。

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三日目になって発表を控えていることもあって、スライド作成や発表練習の時間も考えるとチーム内に焦りが生じてきました。

周りを見渡すと昨日までいたチームが解散していたり、新しいチームができていたりしていました。参加人数も日を追うごとに減少しています。

どうしても意見の不一致や別のサービスをやりたい派が新たにチームを編成しているのです。結局1人になってしまったチームや大喧嘩をしたチームもありました。

また、ビジネスアイデアも初日にアウトプットしたアイデアをそのままブラッシュアップしているチームはゼロでした。課題を検証しているときにピボット(変更)したり、別のアイデアが魅力的になったりしたのです。

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三日目に勉強になったこととしては、ビジネスをやる上で一番重要な要素は「何をやるか」ではなく「誰とやるか」ということです。

ビジネス初期段階(スタートアップ)においては、ビジネスアイデアは変更することの方が圧倒的に多いです。なので、最初のアイデアが魅力的で集まったチームは解散する傾向にあることが分かりました。

そうではなく、魅力的な考えや人柄に共感して集まったチームはビジネスアイデアが変更になっても継続しやすいです。そういったチームは強いと思います。

最初のアイデアが成功しそうだと思って集まったメンバーは、そのアイデアが上手くいきそうにないと分かると離れる傾向にあります。

魅力的なチームはビジネスアイデアが変更しても、考えが共有されていたり、共感できる人同士が集まっているのでより成功に近づきやすいです。

これは会社で例えれば、経営理念やビジョンが共有されていて、社員の雰囲気や代表の考えに共感している組織の方が成功しやすいということと同じです。

(理念に共感できないけど年収がいいから入社した会社の業績が悪くなったら転職するのと同じですね。)

これは様々な状況によっても変化し一概には言えないこともあるので、よしあしを言いたいのではなく、組織を作るときや参加するときにはこういった考えも持つべきということです。

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また、スタートアップ時のメンバーはなるべく少ない方が意思決定もしやすいし、理念を共有しやすいのでオススメです。

三日目になり、ビジネスアイデアが確立できないで時間を気にするようになると作業効率を上げる必要に迫られます。その際メンバーが多いとまとめるのが大変です。

仕事を振る必要があり作業工程も増えるので、少人数で仕事が早い人が作業した方が効率的です。

スタートアップ時も、必要最低人数で効率的に立ち上げた方が上手くいくと思います。

(インスタントカップ麺は10人で作るよりも、1人で作った方が効率的です。)

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結局、プレゼンは全然上手く行かず悔しい想いをした「Startup Weekend」でしたが勉強になることは多かったです。

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僕が起業を目指し始めたときに参加してよかったと思っています。

このイベントに参加しないで起業するよりも、今回参加してみて勉強になったことを次に活かしてから起業した方が成功しやすいと感じました。

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【Startup Weekendで学ぶピッチ構成】

ピッチとはスタートアップが特に使う場面が多いですが、自社のサービスを発表する際のプレゼンテーション方法のことです。

サービスを知らない人に短時間で説明する場合や、投資家向けに資金を募る場合に活用します。

今回のイベントに参加した際にこのピッチの構成について勉強したので書かせていただきます。

(ピッチはプレゼンテーションするときにだけ必要な知識というよりも、ビジネスアイデアを普段から考えていく上で必要な要素なのでお伝えします。)

まずピッチ資料に入れるべき要素についてですが以下の10項目になります。

①Elevator Pitch(概要)
・一言で表すと?
・どんなもの?
・どう使うの?
・何ができるの?
②Problem/Needs(課題/顧客のニーズ)
・顧客は?
・顧客の課題は?
③Solution(解決方法)
・現状の解決方法における課題は?
・解決方法における独自性は?
・説得力がある理由は?
・持続可能な理由は?
・これまで実現していなかった理由は?
・現在解決できる理由は?
④Market(市場のポテンシャル)
・顧客数
・セグメント数
・市場規模
⑤BM(ビジネスモデル)
・誰にサービスを提供し誰からお金を貰うのか?
⑥Competition(競合や類似サービス)
・競合における優位性は?
・競合における差別化は?
⑦Marketing Strategy(市場戦略)
・サービスをどのように普及させるのか?
・それが実現可能な理由は?
・資金調達の計画は?
・資金の用途は?
⑧Team(創業メンバー)
・サービスを提供するために最適なメンバーは?
・裏付に説得のある理由は?
⑨Traction(売上の推移)
・収益性はどれくらい?
・事業計画は?
⑩Vision(組織としての目標)
・5年後10年後にどんな世界を実現させたいか?

これはあくまで盛り込むべき要素についての項目であり「この通りの順番でピッチ資料を構成すべき!」ということではありません。

ビジネスアイデアによって順番は前後して構いませんんが、要素として必要なものという理解をしていただければと思います。

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①Elevator Pitch(概要)
・一言で表すと?
・どんなもの?
・どう使うの?
・何ができるの?

まず、ピッチに限らずプレゼンテーションというのは全く聞いたことのない、あるいは知らない人に向けてビジネスアイデアやサービスを説明することを前提とします。

なので、いきなり説明に入る前に序論として「全体のアウトライン」や「概要」についての説明があると非常に分かりやすいピッチになります。

または

「弊社では○○なビジョンのもと、○○なサービスを作っています。」

「○○なサービスを展開するチーム○○です。よろしくお願いします。」

のように、一番最初の自己紹介時に概要についてまとめて言ってしまうという方法もあります。その場合はVision(組織としての目標)が最初にくる場合もあります。

このように30秒程度でアウトラインを説明することをElevator Pitchと呼んでいます。

このElevator Pitchでは「誰(Who)が何(What)をどのように(How)使うのか」を聞いている人が短時間で想像できる、または理解しやすいように説明できれば良いです。

参考:ElevatorPitchについてのWorkshop/Slideshare

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②Problem/Needs(課題/顧客のニーズ)
・顧客は?
・顧客の課題は?

「皆さん普段生活していてこんな事にお困りだったりしませんか?」

「企業さんは○○なことに課題を持っています。その数なんと...」のようにグラフや数字で示す。

のように「これは課題だ!大変だ!」ということを聞いている人に伝えるのがProblem/Needsです。

あるいは課題が一般的ではなく、想像しにくい場合は背景を説明したり、現状の環境を説明してから顧客ニーズについて説明するというやり方もあります。

大切なのは聞いている人に課題を理解して貰い、顧客ニーズがありそうだといかに思わせられるかということです。

課題が深刻な状況だと思えば思うほど、それを解決するサービスは欲しいものだし、売れるので儲かるビジネスだと思うからです。

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イベントに参加して勉強したことでもありますが、新しいビジネスアイデアを考える際にはこの課題を検証するのが一番大変であり重要な作業です。

新規サービスを立ち上げるということは、新規顧客を獲得するということです。

なので、新規顧客がどこにいるのかを探す作業は「社会人としての経験」も必要ですし「業界に関する知識」も必要ですし、なにしろ「ヒアリングするという行動力」が必要だと思います。

ですが、課題や顧客像がしっかり見え切れていない段階でサービスをブラッシュアップしていこうとするチームや企業も多いのが事実です。

プレゼンテーションする場合にも、課題がしっかり伝わることによってそれ以降の話が入りやすいですし、サービス全体を理解してもらえます。

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③Solution(解決方法)
・現状の解決方法における課題は?
・解決方法における独自性は?
・説得力がある理由は?
・持続可能な理由は?
・これまで実現していなかった理由は?
・現在解決できる理由は?

「これだけ深刻な状況で、顧客ニーズが高まっている中で弊社ではこういったサービスを立ち上げました。それが○○です。

○○では顧客の課題をこのように解決する画期的なサービスです。」

と課題から解決方法を上手く繋げてあげることによって、聞いている人に納得感を与えることができます。

解決方法のサービス名を打ち出した後に、サービスの具体的な内容や種類について説明する流れだと分かりやすいですね。

課題の次に重要な要素がこの解決方法です。

「課題に対してどれだけ解決方法として適切なソリューションを提供しているのか」を伝えられるかどうかが重要です。

課題がどれだけ深刻か理解できても、それに見合う解決方法を提示できないと聞いている人はしっくりきません。

例えば、日常生活の中にIoTデバイスはかなり普及してきています。声に反応してECサイトで商品を購入したり、部屋の照明をつけたりする動作は珍しくありません。身体的に不自由な方も利便性の高い生活を送れるような社会が望まれます。
しかし、まだまだIoTデバイスが普及していない領域があります。それは「家電製品」です。そこで弊社では家電製品の一つである冷蔵庫にIoTセンサーを搭載して、声に反応して扉が開閉するサービスを考案しました。

一見するとソリューションになりそうなアイデアですが、冷蔵庫の扉が自動で開閉しても結局、中の物を取りに行くので使う場面が想像しにくいです。

身体的に不自由な方の利便性を向上するという課題解決案であれば、ヘルパーを雇った方が融通も利くし、ソリューションに近いかもしれません。

これは単純な例ですが、このように「課題はなんとなく理解できるんだけど解決方法が解決になっていない・・・」というようなプレゼンテーションをしないよう注意が必要です。

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また、解決方法を説明した際に補足で必要な情報や、聞いている人から受ける質問項目があります。それが以下の項目です。

・現状の解決方法における課題は?

-例えば「ソリューションにおける技術的な現状の課題やマーケティングにおける課題」を述べたりします。

・解決方法における独自性は?

-自社のオリジナル性を強調する場合です。特許技術・独自クライアント・チームメンバーといった自社にしかないリソースがある場合です。

・説得力がある理由は?

-例えば「このサービスのサンプルを100人に使って貰ったら、99人から好評をいただいた」といった根拠です。ヒアリングした結果等を反映します。

・持続可能な理由は?

-「持続可能=お金を稼げるモデルになっている」です。なので損益計算をしてお金が稼げるモデルになっていることを強調する必要性があります。

・これまで実現していなかった理由は?

-例えば「今までは正社員で年功序列、終身雇用という働き方が一般的であったため、このサービスは実現しなかった」といった環境の変化が理由になったりします。あるいは先行する技術がなかった場合等です。

・現在解決できる理由は?

-しかし「産業構造の変化や人口減少といった「社会的要因」によってアウトソーシングや副業社員、フリーランスといった働き方の変化が起こることによって今解決できる」といった内容を説明します。

コロナ・台風・地震といった「自然環境」、国や行政の法改正による「リーガル的要因」、通信技術の発達やデバイスの普及といった「技術的要因」等の変化によって今解決できるサービスと言えたりします。

(コロナ前とコロナ収束後で環境が変化することは間違いないので、それによってビジネスも変化していくのは理解しやすいですね。)

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以降の項目はビジネスアイデアで発表するだけのプレゼンテーションではなく、自社のサービスをビジコンコンテストで登壇する際や、投資家向けに資金調達を目的としてピッチする際にも必要になってくる要素かと思います。

(ビジコンコンテストや投資家向けピッチをしない人は参考にならないという話ではなく、ビジネスを考えていく上で重要な要素になっているのでぜひ参照して下さい。)

④Market(市場のポテンシャル)
・顧客数
・セグメント数
・市場規模

投資家の中には「マーケットこそがスタートアップの成功と失敗を決める最も重要な要因だ」という考えの方もいます。

投資家に説明しに行く際「スライドはいらないから、今何やっているのか?そのサービスのマーケットとトラクションがあればそれを30秒で教えてくれ」と言われたことがあります。

それくらいマーケットというのは重要です。

何故かというと、マーケットがそもそも小さい場合、あるいはレッドオーシャン化(競合が多く参入障壁が高い)している場合はそのサービスがいくら良くてもスケールしないからです。

マーケットサイズとしては「数千億円の規模」が望ましいとされています。

投資家の場合、投資対象としての判断基準の一つに「投資したらいくらリターンが帰ってくるのか」を計算する必要があります。

そこで、マーケットサイズから逆算して「このスタートアップが成功したら、いくらの出資に対してどれくらいの売上になって、いくらくらい価値がつくのか」を予想立てることができるのです。

マーケットを全て牛耳ることは不可能なので、その内の1%のシェア率を取れると仮定して、売上数十億円規模と仮に予想することができます。

(売上数十億円規模であれば、東証マザーズに上場できる規模ですね。)

顧客数や市場規模の計算に関しては、類似・隣接するマーケットから試算することができます。フェルミ推定による計算方法もありますがここでは割愛させていただきます。

参考:フェルミ推定について/Slideshare

また、狙っている市場全体が急激に成長しているといった要素があれば、投資家はさらに興味を持つと思います。

コロナ騒動によって「ITツールの需要が5倍に伸びた!」、「サブスクリプションモデルによる動画配信ツールの加入者数が前年比25%増になった!」といった指標です。

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⑤BM(ビジネスモデル)
・誰にサービスを提供し誰からお金を貰うのか?

次にBusiness Modelですがこれはシンプルな方が好まれます。

「月額課金利用料も取って、仲介手数料も取って、広告費用も取って色々とマネタイズしていきます。」という説明よりも

「こうゆう課題のあるユーザーや企業様からサービスを提供することによって、いくらの利用料をいただくモデルです。」と説明する方が分かりやすいです。

ピッチというのは自分のサービスや考え全てを伝える必要はありません。

知りたい情報を最小限度理解してもらった上で「こうゆうマネタイズ方法やビジネスモデルも考えられると思うんですけど、いかがお考えですか?」と聞かれたら答えればいいくらいなので、数多くの内容をプレゼンテーションにいれる必要はないです。

また、Business Modelはなくても構わないです。というのはBusiness Modelは変更していく可能性が十分にあるので、最初はなくてもいいということです。

そのかわり、自分たちのプロダクトが素晴らしいという自信を、根拠とともに提示すれば聞いている人は理解します。

「人が欲しくなるものを作れば勝手にマネタイズしてくれる」ということです。

(Googleも広告収入を得る前は、検索エンジンをライセンス販売していたそうです。)

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⑥Competition(競合や類似サービス)
・競合における優位性は?
・競合における差別化は?

ベンチマークするべき競合や代替サービス、類似サービスについて記載します。

競合との「優位性」や「差別化要因」を加えるのはもちろんですが、例えば「海外での競合サービス○○はこれくらいスケールしています!」ということもできるので、そのサービスの将来像を想像しやすい場合もあります。

また、○○という類似サービスにおける課題や問題点を列挙して「そういった負の要素を克服したサービスが自分たちのサービスです」といえると良いです。

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「競合における優位性や差別化要因」を示す際には重要なことがあります。

それは具体的な根拠のある数字に基づいて比較されているということです。

例えば、クライアント数・登録者数といった囲っている人数の違いであったり、コストパフォーマンス性(いくら安くて品質を担保できているのか)、ユーザーが使いやすいデザインになっており、それによる評価やリピート率の高さといった具体的な数字で比較しているかどうかということです。

また、競合サービスとの比較やどの市場に参入するのか説明する際によく見かける図として以下のようなものがあります。

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例えば、縦軸に「料金体系」横軸に「対象販売先」として競合・類似サービスを比較した際に「弊社のサービスでは参入している企業の少ない、対企業向け月額課金制モデルで提供することによって市場開拓を行い、差別化を図ります」というような説明に使ったりします。

僕としては、こういった図は「数字」という根拠に基づかない説明なので、本当に差別化になっているのか疑問の残る説明ですが、図で見てわかりやすいというのはあります。

Competitionの要素としては「数字での比較表」や「図」の内容を盛り込めば良いと思います。

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⑦Marketing Strategy(市場戦略)
・サービスをどのように普及させるのか?
・それが実現可能な理由は?
・資金調達の計画は?
・資金の用途は?

これはスライドに入れる場合もあると思いますが、質問等で聞かれる場合が多いかと思います。

例えば

「どういった市場戦略を考えていますか?」と聞かれて

「リファラル(紹介)制度を導入して、友達に紹介してくれたらポイントを付与する仕組みにすることによってこのサービスを普及させていきます」

ということを語ります。

実現可能な理由としては

「リファラル制度を導入していない段階でもこのサービスを気に入って使ってくれるユーザー数が月間で○○人ずつ増えていることから、制度を導入すればもっと多くのユーザー数を囲えると思うからです」

ということを理由にします。

「そのために、リファラル制度を今の段階で構築する必要があるので○○円の資金を必要とします。○○円調達できれば、一年後に○○人のユーザー数を囲えて○○円くらいの売上に貢献できるので、今○○円資金調達の計画を立てています」

と資金の計画と用途についても説明することができます。

投資家に説明する際にも、自分の出資したお金が何に使われるのか興味があるので「資金の用途」について聞かれることも多いです。

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⑧Team(創業メンバー)
・サービスを提供するために最適なメンバーは?
・裏付に説得のある理由は?

例えば、スタートアップにおいてはチームは最小限で最適なメンバーがいるかどうかも評価の判断基準になります。

優秀なチームであればビジネスアイデアが変わっても、きっといいサービスを立ち上げてくれるという期待感があるからです。

特に起業直後のスタートアップ(シード期)においては、ビジネスアイデアは変更することの方が多いので、投資家もビジネスアイデアに対して投資するというよりは「チームメンバー」や「人」に対して投資する場合も多いです。

それくらいメンバーは重要ということです。

また「最小限のチーム」というのも重要です。

無駄に人数が多くていらない役職があると、意思決定がまとまらないばかりか、逆に仕事が増えるので評価が下がります。

(Startup Weekendのイベントで僕が体験したことと同様です。)

最適に構成されたメンバーで、自分たちのサービスを運営していく上で必要な人材のみが集まっているということを示せると良いです。

例えば「金融商品をサービス提供する場合に元銀行の新規企画部門に勤めていたメンバーが参加している」といった経歴を活かせる人材がいる等です。

それによって、最適なメンバーであることを裏付ける理由になります。

創業メンバーについては投資を受けるときにも重要で、メンバー間の交友期間や友好関係について聞いてくる投資家の方もいます。

それによってチームや組織、会社として「ケンカ」せずにビジネスを成功させられるかどうかの指標になるからです。

ケンカすることに時間を取られては良いサービスは提供できません。

(よくあるのは共同創業した場合で、株式を半分ずつ保有していたがどちらかが辞めることになり、株式を変換してもらう際にもめたという事例です。)

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⑨Traction(売上の推移)
・収益性はどれくらい?
・事業計画は?

これに関しては売上が出ていないスタートアップも多いと思うので、その場合は記載する必要はないと思います。

ただ例えば

「ビジネスアイデアの要件をまとめてから、一週間でプロトタイプの作成を終了して来週から市場調査に入ります。」

といった開発のスピード力を要素としてアピールするのは有効的です。

そのスピード力と成長性で考えれば、Tractionがなくても収益がどれくらいで出るのか予想することもできるからです。

有名な個人投資家にお会いした際にこんなことを言っていました。

「僕は一回会っただけでは投資はしない。複数回会ってから、その期間ごとにどれくらい成長してるかを見て今後の成長性を検討する。それで今後も成長すると思ったら投資をすることにしている」

つまり、売上の具体的な数字を知りたいというよりも、スタートアップの伸び率を参考にする際の指標の一つとしてTractionは重要ということです。

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また、事業計画に関してはビジネスコンテストに出場する際に提出を求められることもありますが、ほぼアイデア段階のことが多いので、そういった場合には提出は不可能に近いです。

スタートアップに関しても同様です。事業計画を出せるほど見通しも立っておらず、何十年も経営しているわけではないので基本的には出せないです。

しかし、求められる場合もあるので記載しています。

例えば、行政や自治体主催のビジネスコンテストや助成金を出願する場合等は必要になります。

(スタートアップに具体的な事業計画を求めてくる場合は、求めている側はスタートアップの経験がないと理解しても良いくらいだと思います。)

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⑩Vision(組織としての目標)
・5年後10年後にどんな世界を実現させたいか?

冒頭で説明した通り、Visionはピッチの一番始めにくる場合もあります。

始めに一言述べてから、ピッチの最後にもう一回語ってもビジネスコンテスト等で聞いている人からしてしつこくないです。

(一回聞いたくらいで覚えてないので印象付ける意味も込めて)

例えば「明日の当たり前を作る株式会社○○です。よろしくお願いします。」の冒頭に続いて

プレゼンテーションの最後に「弊社が提供する社内リモートツールを普及させることによって、どこにいても仕事ができ、人の移動が介在しないストレスフリーな世界を構築します。

それによって、在宅ワークや副業、フリーランスが当たり前になって複数の収入源があり、通勤の必要もない心身ともに健康的に生きれる世界を実現します」と説明しても違和感ないです。

「このサービスを提供することによって将来どんな世界を創造するのか」を宣言することで聞いている人も応援したくなるし、共感を得るのでメンバーを募るPR効果もあると思います。

ビジネスコンテストではなく投資家に説明する場合には、今回説明しにきた目的や理由(株式○○%の放出で○○円の資金調達希望)といった内容にすると投資家も分かりやすいです。

Visionの箇所はプレゼンテーションの最後なので、発表における「目的」を考えながら作ることをオススメします。

(目的がビジネスコンテストで審査員にウケることなのか、仲間集めなのか、サービスのPRなのか、資金調達なのかが分かるようにするということです。)

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以上が「Startup Weekendで学ぶピッチ構成」についてです。

重要なのはプレゼンテーションする相手によって要素を変更して、自分が発表する「目的」や「理由」を明確にするということです。

最後に、資金調達の際に投資家にプレゼンテーションする場合も多いと思うので対投資家向けのピッチについて説明します。

前提として、投資家は時間がないので30秒で説明できるElevator Pitchを奨励します。30秒で説明をして質問されたら詳細を答えるといった感じです。

投資家が欲しい情報としては

・今何をやっているのか?
・マーケットサイズ
・トラクション

の三つです。

書き方等については先ほど説明した通りです。最低限この情報が伝われば、自分の「目的」である資金調達を達成できます。

一つだけ補足すると例えば、今何をやっているのか?を説明する際に

「企業から広告費を貰って、インフルエンサーにお金を渡して化粧品や洋服を宣伝して貰って、一部その手数料を取るというビジネスをしています」

と説明するよりも

「インフルエンサーを媒体とした広告代理店事業で、年商10億円の会社を経営しています」

と説明する方が短く的確に伝えることができます。

そういった説明ができると30秒ピッチも可能になります。

「Airbnb」や「facebook」といった有名スタートアップの当時のピッチ資料があるので、以下参照していただければと思います。

参考:30 Legendary Startup Pitch Decks And What You Can Learn From Them

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【即興プレゼン!パワポカラオケ!】

Startup Weekendのイベントに参加してから一カ月ほど経ち、エンジニアであるKさんに「パワポカラオケを使った交流会」に招待していただきました。

参考:パワポカラオケとは?

パワポカラオケとは簡単にいうと「即興プレゼン」です。

ランダムに出題されるお題をもとに、ランダムに選択されるスライドを参考にしてプレゼンテーションをするというゲーム感覚に近いものです。

以下のYoutube動画を参考にしていただければと思います。

その交流会には40~50人ほどの社会人(エンジニア中心)の方がいて、みんなで飲み食いしながらパワポカラオケを楽しむというイベントでした。

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会場:HENNGE株式会社(東京都渋谷区)

Kさんはパワポカラオケのシステムを提供するために遊びにきていました。

パワポカラオケのシステムは「何百枚という画像データの中からランダムに画像を選択してスライド表示する」という技術です。難しく聞こえますが、パワポカラオケで遊びたいだけであれば写真のアルバムをスライドさせるだけで十分です。

では、なぜアルバムで代用できるものをわざわざシステム構築して提供しているのでしょうか?

もともとKさんは画像の圧縮技術を使ったプロトタイプを作成しており、その技術を応用したのが今回のパワポカラオケのシステムです。

なので圧縮技術の実証実験として、パワポカラオケのイベントを開催することによって「システムを試す」という環境を用意したかったみたいです。

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【画像圧縮技術とは?】

例えば、NETFLIXの動画は電車内で再生してもカクカクした動きをせずにスムーズに再生できると思います。

一方で、Youtubeは通信環境に依存しているので動画が遅延する場合があります。

これはYoutubeは動画の圧縮を行っていないので容量が重く、外部環境によっては通信に時間を要するためです。

NETFLIXは独自の圧縮技術を有しているため、遅延することなく動画をスムーズに視聴することが可能です。

この技術を応用して「何百枚という画像データを圧縮してランダム表示させることで通信環境に依存しにくいシステム」を開発したのがKさんのプロトタイプです。それが今回のパワポカラオケのシステムです。

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【実証実験の重要性】

このイベントに参加して学んだことは

「システムを新しく構築する際は実証実験やPoC(Proof of Concept)で効果検証することによってビジネスモデルを変更したり、次のシステムをどうやって改修するかを考える必要がある」ということです。

よくあるのは、プロトタイプを作成したら効果検証せずにいきなり営業商材として利用したり、顧客に使わせてしまうことによってトラブルが発生するという事例です。

そうではなくまずは、プロトタイプを作成したら試験的に実証環境を用意して実証実験を行い

「顧客は使ってくれるのか?」
「どういった環境で使えるのか?」
「どうしたらサービスを普及させられるのか?」

を検証をしてから、さらにシステムを改修して営業商材として利用可能かどうかを判断するという順番です。

(顧客がいるのかニーズがあるのか調査をしてからビジネスアイデアを構築する場合と同様です。)

Kさんも圧縮技術のプロトタイプを実証できる環境を用意して効果検証をしてから、次の手順を踏むという方法を取っていました。

このように、システムのプロトタイプを実証実験してシステムを改修していく作業も必要だということが分かりました。

(アプリケーションやWebシステムを構築する際の基本的な方針の中に、実証実験の重要性について書かれているので、それは別の記事で詳しく言及したいと思います。)

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【初めてのお客様】

交流会の後も、パワポカラオケのシステムを使った実証実験用のイベントを何回か開催しました。

Onejapanハッカソンという有志団体が開催するイベントでもパワポカラオケを発表しました。

参考:有志団体「Onejapan」

画像12

上:Onejapanハッカソンの様子

画像13

上:パワポカラオケ実証実験の様子

その後、NPO法人ETICが主催するアクセラレーションプログラム「Make it WoW!」に参加した際に、かいがくんという東海大学の学生と出会いました。

画像23

上:「Make it WoW!」の様子

彼は政治経済学部の学生で、所属しているゼミの先生が「起業」や「ビジネス」への関心が強く、大学の古い慣習やシステムを再構築したいという発想の先生でした。

そこで僕がパワポカラオケの話をしたところ、かいがくんが興味を持ってくれて「ぜひうちの先生に話してほしい!」ということで六本木のスターバックスに話をしにいきました。

ゼミの先生は話が早くて「ぜひうちのゼミで授業をやって欲しい!パワポカラオケも面白そうなので試験的にやってみて欲しい!」という話になりました。

その場で授業の日程も決まり、共同研究費の範囲でパワポカラオケの予算を貰うことができました。僕にとっては始めての顧客でした。

そこから東海大学と駒澤大学で授業を担当することになり、パワポカラオケの実証実験を大学の環境でも試すことができました。

画像14

パワポカラオケは大学生からの反応がかなり良かったです。

「今までのゼミの中で一番面白い授業だった!」

「即興でプレゼンしなきゃいけないので緊張したけど、発表する際の練習になった!」

という反応がいただけました。

画像15

システムを提供して人に感謝されたり、喜んでもらったりした経験はこれが初めてでした。

「ものをつくる」という行為だけではなく、それを人に使ってもらうことによって「喜んでもらう」。これこそがビジネスのスタート地点だと思いました。

喜んでもらえるから、顧客はお金を払ってでもそのサービスを使ってくれるわけであって、そういったサービスを社会にどれくらい提供しているかの指標が、会社の売上につながるのだと改めて感じました。

自分もそういったサービスを提供し続ける会社を作りたいと思いました。

それまで「何したらいいのか分からないけど起業したい!」という想いがあったのですが、起業はあくまで手段であるので、本当に大切なことは自己満足ではなく「お客さんに喜んでもらうこと」です。

「お客さんに喜んでもらうことを追求した結果、起業して代表取締役としてサービスを提供していました」という展開が理想だとその時感じました。

(もし自分がこの先、売上や資金繰りに困ったら顧客が求めている本当に必要なものを提供できているのか?顧客の声に耳を傾けているのか?を考える必要があると思います。)

起業する前にこういったことを勉強できて良かったと思っています。

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【かいがくんについて】

彼とはその後も色々な場面でお世話になりました。

彼の人脈でつないでくれた方が日経新聞の記者さんで、日本経済新聞に記事を載せていただくことも叶いました。

画像16

参考:ITで学び手が変える進化する「エドテック」

スタートアップは、PRや広報にお金をかけづらいという課題があると思います。

であれば、お金をかけずに効率よく広報する方法として僕が一番オススメするのは「取り上げて貰う」ということです。

この記事が取り上げられた際、連絡先を新聞に掲載していなかったのですが沢山の方からfacebookやメールで連絡が来ました。

中には有名なベンチャーキャピタルの担当者からの連絡もありました。

新聞の効果に関心させられました。お金をかけなくとも、良いコンテンツやサービスを提供していれば、誰かが取り上げてくれる可能性が高いです。

また、その誰かを見つける際にはやはり「人脈」があった方が僕の場合のように可能性が広がるので、イベントに参加するといった行動を起こすことは重要です。

もちろん行動を起こしてもすぐに結果に結びつかないことの方が多いです。

思い返してみれば、時間とお金の浪費になってしまったという経験も多くあります。

しかし
「どういったイベントに参加すると時間とお金の無駄になりそうなのか」「どういった場所に行けば自分にとって嬉しい人脈を構築できそうなのか」を実証実験するための時間に使えたとは言えます。

時間は有限なので

最初は手当たり次第イベントに参加するというのもありですが、次第に「自分が求めているイベントは何か?」を探すことに時間を使うようにして、「自分が求めている人脈」を構築できるイベントに参加できるようになるのが理想です。

自分が求めている人脈を構築できると、その人が別の人を紹介してくれるようになります。

「自分の尊敬する、信頼できる人が紹介してくれる人だったら会ってみよう」と思えます。

それによってさらに自分が求めている人脈のネットワークが広がるのです。

しかし、自分が人に紹介する場合は自己の評価にもつながるので「この人とこの人が合ったらマッチングするかどうか」を検討してからつなぐ必要があります。

最後にかいがくんが東海大学新聞にも取り上げられていたので、そちらも共有させていただきます。

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【ビジネスコンテストへの挑戦】

学部卒業後の春休み頃から起業に関心を持ち始めて、気づけば8月になっていました。

東京工業大学の大学院で授業や研究も進めながら、Kさんと一緒にミーティングをしたり、勉強させていただく生活が続いていました。

事業化できそうなプロトタイプがいくつかあり、人脈も構築できてきたので登記するタイミングと、後は決めにかかる勢いで考えて

「ビジネスコンテストに応募しまくって、表彰等の外部から評価されるようになったら法人登記しよう」という結論に至りました。

というのも、プロトタイプをサービス化する際にビジネスコンテストで結果を出せれば、事業化しやすくなると考えたからです。

また、ビジネスコンテストに参加することによって、そこで新たな人脈も増えるし、もしかしたら事業化のきっかけになる人と出会える可能性もあると思ったからです。

ただ一番の理由としては「自分自身のデフォルトを強化するため」です。

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というのも全員がそうだと思いますが、最初は実績がない状態から「起業」や「ビジネス」はスタートします。

そこで「いかにデフォルト(実績)を強くしてビジネスをスタートさせられるかどうか」が重要だったのでビジネスコンテストに応募を決意しました。

-ビジネスは信頼で成立する部分が多いと思います-

ではその信頼を手っ取り早く取る方法はなんでしょうか?

人間というのは思考停止する部分があって「○○が認定した!」だとか「元○○出身!」といった代名詞がつくと信頼しやすいという部分があります。

「東大卒」ときくだけで「この人は頭がいい人だ、優秀だ」と勝手に決めつけてしまうのと同じです。

なので、そういった「僕自身に代名詞をつけて付加価値にしたい、それによって信頼を勝ち取りたい。他と差別化させたい。」という目的で応募しました。

8月から、これから応募が開始されるビジネスコンテストを探し始めました。

当時のビジネスコンテストをまとめていたスプレッドシートがあったので参考にさせていただきます。

スプレッドシートは以下の項目ごとに管理していました。

・ビジネスコンテスト名
・コンテストの理念
・エントリープラン名
・エントリープラン概要
・募集開始日
・募集終了日
・優先度
・備考(何次審査まであるか、賞金、特典等)
・合否(◎か×)
補足:「優先度」というのは応募予定の全てのコンテストを1から順位付けして作業の優先度を可視化させていた。

僕は8月~12月の間に応募できるビジネスコンテストを調べて、合計で「32個」のコンテストに応募しました。

その内「19個」のコンテストで二次審査や次のステップに進めました。

さらにその中から、三次審査や最終発表まで進んだのが「8個」のコンテストでした。

最終的に以下のコンテストで受賞することができました。

2019年 凸版印刷主催「co-necto」にて
   「特別賞」受賞。
2019年 東京都主催「Startup Stage 2019」にて
   「最優秀賞」受賞。
2019年 クロス・コミュニケーショングループ主催  
   「JISTU-GEN」にて「優秀賞」受賞。
2020年 横浜企業経営支援財団主催
   「横浜ビジネスグランプリ2020」にて
   「学生部門優秀賞」受賞。

参考:凸版印刷主催「co-necto」

画像19

参考:東京都主催「Startup Stage 2019」

画像21

参考:クロス・コミュG主催「JISTU-GEN」

画像20

参考:横浜企業経営支援財団主催「横浜ビジネスグランプリ2020」

32個のコンテストに応募して受賞したのが5個のコンテストなので「6個申し込んで1個受賞できる」くらいの計算でしょうか。

デフォルトを作るのには十分役立ちました。

ビジネスコンテストに参加する中で経験できたことも沢山ありました。

なので、ビジネスコンテストに参加していく中で勉強したことについて以下の三つの項目に分けて書かせていただきます。

・参加目的を持つということ
・開催目的や理念を知ること
・審査員について知ること

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【参加目的を持つということ】

まず、最初に知っておいていただきたいことなのですが

ビジネスコンテストに参加して受賞することと、起業して成功することは全く別の属性で、ビジネスコンテスト自体に「本質的な」意味はないです。

例えば、ビジネスコンテストで受賞したら

「自社のサービスを提供できるようになって顧客が増えて売上が上がり、投資家からも期待されて出資してもらえる」という確証はありません。

「デフォルトを強くしたい!」
「実績を武器に○○に挑戦したい!」
「発表することで色んな人からの意見を貰いたい!」
「ビジネスコンテストの参加者や審査員、関係者との人脈を形成したい!」「スタートアップ界隈の流行や知見を広げたい!」

といった個別の目的を持って参加して始めて意味のあるものになります。

「起業して成功する」を仮に「売上10億円の会社に成長させる」だと定義すると、売上を上げるためには顧客が必要とするサービスを提供して、日々改善の努力を要します。

そのため「ビジネスコンテストで受賞すれば売上が上がる!」という安易な発想のもと、「ビジネスコンテストに参加して受賞する」という参加すること自体を目的にすべきではありません。

「何か雰囲気がよさそうだから参加しました!」というのはなしということです。

それに関してはこちらの記事も参考にしていただければと思います。

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【開催目的や理念を知ること】

次に、ビジネスコンテストの「開催目的」や「理念」を知る必要があるということです。

スプレッドシート上に「コンテストの理念」の項目をいれているのはそういった理由があります。

ビジネスコンテストは、民間企業が主催するものや非営利団体が主催するもの等多岐にわたるので、それぞれのビジネスコンテストにおける「開催目的」や「理念」があります。

例えば、ヘルスケア領域のベンチャー企業が主催するビジネスコンテストで

「弊社の新規事業を考案せよ!採用されれば業務提携あり!」

のような場合「新規事業のアイデアを立案して貰うために開催する」という目的があります。

その場合、そのベンチャー企業と共創できそうな、相乗効果のあるヘルスケア領域関連のエントリープランを提出する必要があるということです。

または、非営利団体が主催するビジネスコンテストの場合、SDGsの項目を満たすアイデアやサービスを支援するという理念のもと、「社会課題解決型アイデアを募集してます」といったテーマを与えられることもあります。

その場合、自分たちが持っているアイデアがそのテーマに当てはまるか検討したり、そのテーマに当てはまるように考える必要があります。

このように、それぞれのビジネスコンテストが持つ「開催目的」や「理念」、「特徴」を調べてから応募しないと、いくら良いエントリープランを提出しても選考で落とされてしまいます。

「開催目的」や「理念」に沿ったエントリープランを考えないといけないということです。

(当時の自分はそういったことを一切考慮せずに応募していたので、同じエントリープランでも受かる場合とそうでない場合があり不思議に思っていました。)

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例としてフリービット株式会社(3843)が主催するビジネスコンテストの話をします。

フリービット株式会社は毎年「freebit biz challenge COMPETE」という学生向けのビジネスコンテストを主催しています。

参考:freebit biz challenge COMPETE 2019

このビジネスコンテスト、面白いのは最優秀賞の賞金額です。

プラチナ賞で「1000万円+賞金50万円」となっています。

ただし注意書きで、事業準備金として提供(出資契約となります)と書いてあります。

僕がこのコンテストに応募したときは「賞金1000万円も貰えるのか!すごいな!」と思っていました。

そこで、事業アイデアやピッチの構成を完璧に仕上げて最終選考会に望んだのですが結果は受賞できませんでした・・・

受賞できなかった理由は聞いていないので分かりませんが、このビジネスコンテストで経験したことは「freebit biz challenge COMPETE」をしっかりと理解していなかったということです。

どうゆう事かというと、このビジネスコンテストは社内起業家を育成するための、いわばリクルーティング目的のためのビジネスコンテストでした。

つまり、賞金の1000万円も100%株主の子会社に対しての出資金であり、この会社の正社員になるという条件での話でした。

上手くブランディングされていますね(笑)。

そのため
「自社との相乗効果があるかどうか」
「自社で出資に値するビジネスになりうるかどうか」
「新卒採用という観点で見たときに優秀な学生かどうか」
といった観点が評価基準になっていたのではないかと考えています。

なので、もしこのビジネスコンテストで受賞したければ、フリービット株式会社の事業内容を徹底的に調べて、共創性のあるアイデアを提出すべきでした。

さらに「なぜこういったビジネスコンテストを開催する経緯になったのか」といった背景まで調べるべきだったと思います。

そういったことを知り尽くした上で、自分の持っているアイデアではなく、その会社に合った、その会社の役員にウケそうなアイデアを考える必要がありました。

いくら自分では自信があると思っているアイデアでも、「開催目的」や「理念」に沿ったエントリープランを考えないと評価はして貰えないということを僕自身が経験しました。

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【審査員について知ること】

最後に「審査員は猿である」という話をしたいと思います。

「ビジネスコンテストで受賞する」ということを目的にした場合、ではどうしたら受賞できるのか?ということを考えます。

ビジネスコンテストの構造上どのアイデアを表彰するかを決めるのは審査員の方だと思います。

なので、受賞するためには審査員の方に「これは良いサービスだ!」と思わせることが重要です。

ビジネスコンテストとは、審査員を攻略すれば受賞できるというゲームなのです。

そのため、ビジネスコンテストで受賞したからといいってサービスが売れるということではないですし、この二つは全く別のプロセスになります。

ゲームを攻略する方法は「審査員を納得させる」ということが理解できるので、まずは審査員について知る必要があります。

(敵を攻略する際に重要なのは「相手について知る」ということです。)

ビジネスコンテストに応募する際にホームページ等に、当日の審査員やビジネスコンテスト期間中にアイデアをブラッシュアップしてくれるメンターの方、運営団体の情報が記載されている場合があります。

記載されている場合はどういった方が審査するのかを調べます。例えば名前が載っていればfacebook上や検索して調べます。

SNS関係の投稿やブログ、記事を見つけたら、その人の考え方や人柄、趣味や家族構成を調べます。一通り理解できればその人がどういったことに興味を持ちそうか予想することができます。

名前だけでなく現在の役職や経歴が記載されていれば、同様にできる範囲内で調べます。経歴の場合には会社名を調べられるので、多くの情報を得ることができます。

経歴を知れば、社会人として経験してきたことを予想できるので、どういった発想をしやすいか、得意領域や関心分野をさらに知ることができます。

審査員についての情報が記載されていない場合は、ビジネスコンテストの規模や運営団体から予測を立てます。

だいたい民間企業一社が主催している場合は、その会社の役員や関連会社の方が審査員を務める場合が多いです。

公的機関や非営利法人の場合には、ベンチャー界隈で著名な方が審査を務める場合も多く、その場合にはホームページ等に記載する可能性が高いです。

そこまでの規模感でないビジネスコンテストの場合には運営団体の方が内部で審査する可能性が高いです。

ベンチャーキャピタル主催やその場で資金調達可能!といったコンテストの場合には、ベンチャー界隈に知見のある方が中心に審査員になります。

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つまり、相手を知ることによってそれに合わせてアイデア自体を考えたり、内容の見せ方を変えたり、想定される質問項目を検討することができます。

例えば審査員4名のうち

「ベンチャーの代表、ベンチャーキャピタル、大学教授、自治体の職員」

といった場合には「公的機関で利用できるサービスということを強調しながら、お金を稼げるモデルである」と説明することが重要であったりします。

また、審査員にエンジニアがいないので技術的な詳細や専門用語を用いるよりも「この技術でこんなことができますよ!」ということを強調した方が分かりやすいと考えることもできます。

審査員について理解できると、想定される質問項目についても予測することができます。

「こういった思考をする人だから、こんな質問きそうだな」と思って事前に想定質問を作っておけば、当日迷うことなく回答することができるのです。

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ただ、審査員は僕らを立場上評価するだけであって、僕らより特定の分野において詳しいとか得意とかいうことではありません。

「先生」と「生徒」という師弟関係ではないので何かを与えてくれる、教授してくれるという発想になってはいけません。

それが「審査員は猿である」ということです。

例えば

「ニッチな領域ですが、僕らが持っているこの技術を使って、高齢者向けIoTデバイスを提供します」というプレゼンテーションに対してこんな質問が来たとします。

「じゃあ君らより資本力があって、影響力のある大企業がまねをしてきたら君らの存在価値はあるんですか?」といった場合です。

この場合、忘れてはいけないのが「相手の見解に対して納得してはいけない」ということです。

つまり、質問者のことを「この分野においては、自分より知識のない猿だ!」と思って猿に分かるように説明するということです。

質問者の意図を汲み取って、質問者が納得するだろうと思う回答を用意するというが大事です。

質問者の経歴や会場の雰囲気に圧倒されて、自分のアイデアに対して自信を失ってはいけません。

相手を攻略できるような回答を用意すれば問題ないのです。

先の例でいうと

「前提条件として、大企業というのはビジネスチャンスがそこにあると分かっていても参入するのに時間のかかる生き物です。
それは例えば、株主や役員による意思決定に時間がかかったり、ビジネスになるか不確定な要素が大きいものに対して人材や資本を一気に投入しようとはしないからです。

現在のビジネスモデルを明日変更できるほど融通が利かないのです。

(あなたはそれを知らないと思ったので前提条件を教えています。それを理解して貰った上で回答すると)

僕らはスタートアップで人材や資本といった抱えている資源も少なく、フレキシブルにビジネスを変更できます。
こういったニッチな領域に対してリスク回避しながら、少ない資源で柔軟にアプローチできるので、僕らのようなスタートアップにしかできないサービスです。

なので、大企業がすぐに参入してきて、それによって僕らの存在価値がすぐに危ぶまれるということは考えにくいです。」

と回答することによって、相手に教えながら正しく回答することができます。

師弟関係だと思ってしまっては、先生から教えてもらうという発想なので「自分がその分野の知識を教える」だとか、「前提条件を説明しながら回答する」といった発想になりにくくなります。

僕の経験上ですが、意外と審査員は何も知らずに思ったことを質問したりするので、内面では猿に説明すると思って回答すれば相手も理解してくれます。

そうすれば良さそうなサービスだと思ってくれるので、受賞する可能性も上がります。

以上の三つがビジネスコンテストに参加していく中で勉強したことです。

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こういった経験を得て「無事ビジネスコンテストで表彰していただけた」ので、2019年12月9日にGoMA(ゴーマ)株式会社を設立する運びとなりました。

画像17

同時に売上の目途も立ったので、節税対策の意味も込めてタイミングを合わせることができました。

説明が長くなりましたが「1. 起業するまでの流れの詳細」については以上です。

2. 投資を中心としたお金の話
3. キャリア選択について身につけるべきこと

についても書きたいのですが、記事が長くなってしまったので次回以降に書かせていただきたいと思います。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

もし感想等、共有いただけることがありましたらこちらまでお問い合わせ下さい。

info@go-ma.co.jp

または、僕のFacebookページから友達申請していいただき、メッセンジャーでご連絡いただいても結構です。よろしくお願いいたします。

平賀_Facebook

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【会社概要】
会社名:GoMA株式会社
称号:東京工業大学発ベンチャー(授与番号110号)
設立日:2019/12/9
代表取締役:平賀良
所在地:東京工業大学田町キャンパス
東京都港区芝浦3-3-6 CIC5階
資本金:300万円
事業内容:
■ソフトウェアの企画・開発・運用業務
LINEとウェブの連携したシステムの開発。
各種ウェブサービスの開発。
各種Windowsアプリケーションの開発。
■SES事業
■コミュニティマネージメント業務

https://www.go-ma.co.jp/

https://www.facebook.com/goma.info

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