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東工大学生起業家が考える_起業の全て

スキルや経験は?プログラミングは必要?エンジニアはどうやって見つけたの?お金は?学歴は?失敗やリスクはある?

起業に関するあらゆる疑問・質問に対して、東工大学生起業家「平賀良」が個人的意見を交えつつ答えていきたいと思います!学生の方は必読です!

※個人的見解も含まれているので参考と思ってください。

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はじめまして。東京工業大学物質理工学院 修士課程1年の平賀良と申します。

普段は、医療器具の一つであるカテーテルの生体適合性を向上させるための、次世代型金属の機械的性質を研究/開発している大学院生です。

しかし、2019年の11月に休学をして、GoMA(ゴーマ)株式会社(本拠地:東京都港区)を立ち上げました。

現在は、GoMA株式会社の代表取締役として、会社を経営している「学生起業家」です。

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参考:GoMA(ゴーマ)株式会社ホームページ


参考:凸版印刷主催の新事業コンテストで「特別賞」受賞

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2020年に入って、就活生と人事のマッチングアプリ「Matcher」で、人事側で登録をしました。

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「起業やスタートアップに興味のある方」という内容で募集をかけたところ、2020年4月時点で40人ほどの就活生から、お声がけいただきました。

一週間に2~3人の就活生と、1時間ほどお話させていただいています。

一般的には、人事の方が新卒の採用に使ったり、学生が面接やESの添削をして貰うのに使うことが多いですが、僕の場合は「学生起業家」としてのコンテンツに興味を持っていただいた方と交流するという使い方をしています。

参考:【起業/スタートアップ】に興味ある方ぜひ!

今回記事にしようと思ったのは、就活生の方とお話させていただく中でよく受ける質問や、就活生の悩みを中心に「こんなこと考えてるんだ!」ということを記事にするために作成しました。

良かったら最後まで読んでいただき、フォローしていただけると嬉しいです。よろしくお願いいたします。

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【よく受ける質問一覧】

Q1. 起業にいたるきっかけ
Q2. 起業に必要な知識・経験は何か
Q3. 仲間集めについて
Q4. プログラミングは必要かどうか
Q5. 起業した際の失敗・リスクについて
Q6. お金はどうやって用意したか
Q7. 起業と学歴は関係あるか
Q8. 事業内容について
Q9. コロナによる影響は?
Q10. なぜMatcherを使っているか

まず、就活生の方からよく受ける質問に関してまとめました。

やっぱり一番多い質問は、どうして起業したのか(Why)、起業する方法(How)といった「起業にいたるきっかけ」です。

「起業にいたるきっかけ」を人に説明するときにより相手の方が納得のする、相手の要望に応えた回答をするために一つ気づいたことがあるので、それを先に共有させていただきます。

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【質問をするときは、質問する動機や意図、目的を提示して欲しい】

例えば、自分がいま○○大学の大学生だとして、高校の受験生に「○○大学を目指した方がいいんですか?」と質問されたとします。

これだけだと返答に困りませんか?

例えば、その高校生は「大学に入ってからも部活を続けたくて、将来はオリンピック選手を目指したい」という、大学に入学する動機を聞けば「それだったら、○○大学じゃなくてスポーツの強い大学を目指した方がいいよ」と回答することができます。

このように、質問する側のことを知ることによって回答する内容が変わると思います。

これは「起業にいたるきっかけ」を説明するときも同じです。

なぜ起業にいたるきっかけを知りたいのか、あるいは起業に興味を少しでも持ったのか、を教えていただけると相手が納得のする回答をしやすいです。

今回は色んな方が記事を読まれると思うので、僕の方で想像しながら書いていくことになると思いますが。

では、Q1の質問から書いていきたいと思います。

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【Q1. 起業にいたるきっかけ】

まず、「起業する」つまり「法人登記をする」ということは、手段であって目的ではないということを確認させていただきます。

就活生の多くの方が起業を目的として捉えていると思います。

(自分も起業する前は、起業というキーワードに魅力を感じ、起業ってかっこ良さそう!起業したい!ということを思った時期はありました。)

何か新しいことにチャレンジしたい
将来が不安である

起業っていうキャリアがあるらしい

起業に興味でる

起業している人に話を聞きたい

という流れがあって質問する方も多いと思います。

この考え方ですと起業したら終わりであって、起業して何をやりたいのかが決まっていない。つまり起業することを目的として捉えてしまっています。

こういった前提条件で質問をしてしまうと、正しい回答をすることができないので「起業というのは手段である」という話からさせていただきたいと思います。

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【法人登記する際のメリット】

起業を手段として考えると、法人登記する際のメリットについて考えることができます。

それは大きく「信用取引の問題」と「税金対策」です。

まず「信用取引の問題」についてですが、これは例えばto B(対 企業)のビジネスを行う際には特にですが、個人では契約して貰えない可能性があります。

そのため、個人ではなく法人登記をして信用を得てから取引を行うために、起業という手段が必要になってくるということです。

法人登記する場合には、代表者や住所、資本金、組織体制である役員を記載した「定款」等の必要書類を法務局に提出し、法律に従って会社設立を認めて貰う作業が必要になります。

そのため、法人として責任を持ち、社会的に認めて貰うことができるので、その分個人よりも信用を得られるということです。

(大企業の場合には稟議を上司に通す必要があるので、尚さら法人である必要があります。)

この文脈で考えると、「対企業と契約する予定ができそうになったので、起業しました!」と言うことはできるのですが、質問者側はそういった回答を期待してなさそうですよね(笑)。

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次に「税金対策」についてですが、これは例えば個人事業主の場合には支払い義務のある税金は所得税で累進課税であり、所得の増加と比例して税金がかかってきます。(課税所得900万円以上の場合33%、最高税率45%)

一方で、法人税は最大でも23%です。そのため年間所得が500万円を超える場合には法人税の方が節税効果があります。

詳しくはこういったサイトを参考にしてください。

「売上が計上されてきて、税金対策のために法人登記しました!」と説明することもできるのですが、起業にいたるきっかけを質問される方としては、「ビジネスとの出会い」や「サービスの見つけ方」について聞きたいのだと想定しています。

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【法人登記には手段として様々な方法がある】

一言で起業といってもその手段はたくさんあります。

みなさんがよく想像される起業のイメージは「スタートアップ型」だと思います。

それは今までにない革新的なサービスを考案して、課題検証をして、投資家から資金調達をして、最終的にIPO(上場)やM&A(買収)を狙うモデルです。

しかし、起業というのはスタートアップ型以外にも、様々な手段として利用されます。

例えば、フリーランスが個人事業主だと都合が悪くなり法人化した場合や、不動産投資をするために資産管理会社を設立する場合も「起業」といえます。

商店街のお肉屋さんや駄菓子屋さん、街のカフェ経営も「起業」に含まれる場合もあります。

なので、法人登記は手段であり起業というのは「スタートアップ型」だけではなく様々な手段として利用されるということを認識して欲しいです。

(もし起業をしたいと思っている方は、どういった手段として使いたいか検討する必要があるかもしれません。)

それを踏まえた上で起業にいたるきっかけとして「ビジネスとの出会い」や「サービスの見つけ方」について書いていきたいと思います。

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【Youtube講演家との出会い】

僕の場合は、起業する約1年前(学部4年生)の時にYoutube講演家である「鴨頭嘉人」と出会ったことがきっかけかもしれません。

鴨頭嘉人(かもがしらよしひと) Youtubeチャンネル

僕はそれまで普通の大学生をやっていたのですが、彼はYoutubeの中でこんなことを言っていました。

-1回きりの自分の人生なのだから好きなことをしなさい。ただし、難しいのは「好きなことをする」ことではなく「好きなことを見つける」ことである-

これまでを振り返ってみて「好きなことを見つけること」に時間を使っていなかったという想いと、これから好きなことをして生きていきたいという想いが重なり、なんとなく自分の好きなことができそうな起業という方法に興味を持ちだしました。

(もともと、大企業に就職してサラリーマンとしてのキャリアを積んでいくことが苦手だったので好きなことをしたいという想いがありました。学部時代にバイトをクビになったこともあり、組織には向いてないなと思いました笑。)

そして年が明けて2019年を迎えた日、僕は鴨頭嘉人に直接会いに行きました。

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2019年1月1日の様子

そこで僕は

「好きなことができるように起業というキャリアを今考えているんです。」

というと、彼は

「であれば、人脈を作るといいよ。自分が好きなことを見つけるために、そして同じ好きなことを一緒にやれる仲間を見つけるために。」

そうアドバイスしてくれました。

そこで僕は、学部の卒業研究を早急に終わらせ、春休みの約一ケ月を使ってビジネスに関わる人脈をつくることにしました。

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そこで目をつけたのが、東京都が運営している創業支援施設「Startup Hub Tokyo」で開催される各種イベントに参加することでした。

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約一カ月間毎日、起業やビジネス系のイベントやワークショップ、アイデアソンに参加して人脈を作ったり、インプットとアウトプットの勉強を繰り返していました。

また、特定非営利活動法人Startup Weekend Japanが企画・運営するアイデアソン「Startup Weekend」に参加して、ビジネスを一緒にできそうな仲間を探したりしました。

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参加したイベントの様子

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【エンジニアとの出会いが起業のきっかけ】

そこで出会ったのが、のちに一緒に事業を立ち上げることになるエンジニアでした。Kさんと呼ぶことにします。

Kさんはエンジニアでありながら、スタートアップの代表を務めており、財務・経理・総務・法務・資本政策といったバックオフィスにも精通している方でした。

僕はKさんに事業アイデアやそれをブラッシュアップする方法、マーケットインする方法、売上を作る方法といったビジネスを立ち上げる方法を教わりました。

また、ITの基礎知識やものづくりをするための思考方法といった、「プロジェクトリーダー」としてチームをけん引していくための方法についても学びました。

彼との出会いが「ビジネスとの出会い」のきっかけであり「サービスを見つけるきっかけ」にもなりました。

なので

キャリア選択を考えるようになる

鴨頭嘉人に出会う

人脈をつくるためにイベントに参加する

イベントでエンジニアに出会う

エンジニアから勉強する

サービス・ビジネスを見つける

起業(法人登記)する必要がでてくる

起業する

といった流れで起業にいたりました。

起業にいたるきっかけを正しく回答すると

-そもそも起業というのは手段であるので、その手段を使う必要があったので起業しました。手段を使う必要になったきっかけとしては、キャリアを考えるようになり人脈を構築していく中でつながった人がきっかけとなりました-

になると思います。

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【Q2. 起業に必要な知識・経験は何か】

Kさんから教わったことや、起業するまでに自分がやってきたことの詳細については省略しますが(参考URL)、必要なことはとにかく教わったことを実践したり、アイデアソンやビジネスコンテストに参加して経験を積むことです。

「起業する前、または起業後に必要な知識・経験はなんですか?」とよく聞かれることがありますが、最初に必要なことは知識・経験といったものではないと思います。

必要なのはとにかく実践する・参加するといったやってみようとする「行動力」です。

起業に必要な力は「行動力」と「情報力」との掛け算の面積の大きさで決まると思います。

この面積が大きい人の方が成功へと近づきやすいです。

知識や経験は起業した後、必要に応じてやりながら勉強できます。それよりもやってみよう!それから考えよう!くらいの精神で行動することが重要です。

(勉強だと思って学習するよりも、起業してから必要だ!知識がないとやばい!と思って勉強する方がより実践的であり、効率的です。)

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「情報力」というのはビジネスの基本です。

ビジネスというのは、情報力の多い者が情報力の少ない者にサービスを提供することによってお金を稼ぐ仕組みになっています。

なので、より有利にビジネスを進めていくために情報力は必須です。

(情報力というのは例えば、会社の販売網やクライアント、社内の蓄積されたノウハウや人材が持つスキル等です。これを総まとめにして情報力といっていますが、ビジネスではこれを商品やサービスとして提供して対価を受け取っています。)

それ以外でも、時代の流れや日々のニュースといったトレンドを知ることは重要です。

そういった情報をより多く知っている方が、資本主義のルールに乗っ取った世界ではビジネスを成功へ導きやすいと思います。

なので、起業に必要な知識・経験は何かの回答としては

-起業に必要な知識・経験といった勉強は、やりながら必要に応じて習得すればいいと思います。それよりも重要なのは、圧倒的な行動力を持って、多くの情報量をもとに正しい方向へと行動する力を備える事。それが起業して成功へと近づく道だと考えます-

になると思います。

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実際に僕も、起業する前もした後も、ビジネスコンテストやアイデアソンに参加することによって人脈をつくったり、会社のPRをしたり、経験を積んだりしていました。

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トヨタシステムズ主催「くるまの3Dデータでかなえたい未来」

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NPO法人ETIC主催「Make it WoW!」

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東京都主催「Startup Stage 2019」

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クロス・コミュG主催「JISTU-GEN」

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横浜企業経営支援財団主催「横浜ビジネスグランプリ 2020」

その中で、勉強して自分の知識にしないといけないことだけを必要に応じて習得していました。

ただし、注意したいのは全て自分一人でできるようにする必要はないということです。

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【Q3. 仲間集めについて】

例えば、自分ができない・苦手とする特定の分野を無理にやろうとするのは非効率的です。

特定の分野がもの凄く優秀な方にお願いをしてやって貰った方が効率的です。

会社というのは、個人一人ではできない・非効率的なことに対してチームや組織を形成することによって、できるようにするための一つの手段でもあります。そういった見せ方ができるのが会社のメリットです。

なので、自分一人で全てをやらないことも重要です。

会社の代表というのは、いかに自分ができないことを誰かにやってもらい、効率的に組織運営できるかどうかです。

自分で何でもやってしまう人は代表には不向きです。その分野が得意な人材に任せて、全体として組織が進捗しているかどうかを確認することが代表の仕事であったりします。

代表の役割は、チームや組織を円滑に回すことです。また、イベントに参加することによって自社をより多くの人に知って貰う。そういった広報活動をきっかけに、優秀な人材を確保することが大きな役割になります。

その意味でいうと、仲間は非常に重要といえます。

(特に起業してすぐのタイミングは、優秀な人材がいるかどうかが成功への分かれ道です。)

では、そういった人材はどうやって見つけるのでしょうか?仲間集めについて質問を受けることも多いのですが、これはいかに多くの人に自分を知ってもらうかだと思います。

そのために、イベントに参加したりとにかく「情報力」をもとに「行動」することです。それが仲間集めにきっかけになります。

なので、仲間集めについての回答としては

-起業するときは仲間は必要です。しかし単なる仲間ではなく、自分のできない領域を補完してくれる、あるいは自分と全く違う思考を持つ人材を確保する必要があります。なぜなら、会社というのは組織全体での評価だからです。自分一人ではできない(評価されない)ことをできる人材を集めることによって、評価して貰えるのが会社のメリットです。また、人材の獲得方法については、会社や自分自身をより多くの人に知って貰うことによる偶発的な結果に既存します-

になると思います。

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【Q4. プログラミングは必要かどうか】

僕の場合は、Kさんというエンジニアとの出会いが起業に大きく影響しているので、そういった話を聞くと「やっぱりITの知識が必要なんだ。理系の方が有利なんだ。プログラミングスキルが必要なんだ。」と考える方がいますが、それは浅はかな考え方です。

プログラミングが必要かどうかについてですが、これは「自分のやりたい事業」「自分の目指したいポジション」に起因するが正解だと思います。

【自分のやりたい事業について】

「起業していく上でエンジニアはやっぱり必要ですか?」と聞かれることも多いですが、これも自分のやりたい事業に起因すると思います。

当たり前のことですが、カフェの経営をやりたいと思っている人にとってエンジニアは必要ではありません。

自分が何をやっていきたいのかをある程度決めることが先決で、それによってどんな人材が必要か考えていけばいいと思います。

(自分に自信のない人や、やりたい事業が明確でない場合に「とりあえずエンジニアをいれよう!」みたいな発想になる方が多い印象です。)

ただし、IT系の事業をやるとなった場合でもエンジニアが必要かどうかは別です。

【自分の目指したいポジションについて】

例えば僕は、ソフトウェア開発を事業としてやることになりましたが、IT系のサービスを提供するからといって、IT全てに精通しているわけではありません。

IT系の事業をやるとしても、エンジニアやプログラミングスキルが必要かどうかは別だということです。

それよりも自分がどこのポジションで活躍したいかが重要です。

自分で技術を勉強して習得し、開発していきたいのであればエンジニアとしてのポジションを狙う方がいいですし、IT系の事業をやっていきたいのであれば、例えばできる人材を集めて作ってもらうという手段もあります。後者は経営者気質です。

それによって必要であればプログラミング等のスキルを習得すればいいと思います。

仲間集めのところで説明しましたが、ITサービスを自分一人で提供する必要はありません。会社として提供できればよいのでITサービスを提供する中で、どこのポジションになりたいのか考えることが重要です。

「IT事業」、「ソフトウェア開発」というキーワードで推測して、「プログラミングスキルやエンジニアが必要だ!」という単純な発想になって欲しくないということです。

プログラミングスキルはあくまで手段の一つに過ぎないです。「プログラミングが必要かどうか」を質問される方は、起業やキャリアに関して不安要素を持っている方です。不安要素を解消するために、手段を身に着けるというのは有効ではありません。

(就活や転職が不安で様々な資格を取る方がいますが、それと同じ発想です。)

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【プロダクトアウトとマーケットインの発想】

「自分が何をやっていきたいのかをある程度決めることが先決」という話をしましたが、これは大きくいうと将来の夢や、会社でいえば経営理念・ビジョンと呼ばれるものです。

これを決めることによってどんな人材が必要か考えていけばいいいと書きましたが、これはさらっと難しい事を言っていると思います。

実は将来の夢やビジョンは変化していくものであって、必要な人材や情報、モノもそれによって常に変化します。

なので、これを何回も繰り返していくことが人生そのものの帰着点であり、生きているうちに終わりはありません。

ビジネスではこれを「ピポットする」といい、ピポットを繰り返す際には二つの方法が存在します。

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一つは「プロダクトアウト」という発想です。技術が先行してあるのに対して、これを買ってくれる顧客のニーズを探したり、どのマーケットで通用するのか検証したり、実証実験してからマネタイズするモデルです。

例えるなら、先行して叶えたい夢に対して、何が必要なのかを探していって実現していくモデルです。

もう一つは「マーケットイン」という発想です。社会的な課題や顧客の困っている事に対して、それを解決する方法を提案して開発することによってマネタイズするモデルです。

例えるなら、仕事や勉強をしているうちに「こうゆう仕事の課題を解決していきたい!、この分野に興味がある!」という発想にいたって、夢を形作っていくモデルです。やりたい事は今すぐにはないけど、何かをやっているうちに決まってくるタイプです。

この二つの方法はよしあしではなく、どちらも必要な考え方といえます。

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僕の場合は「プロダクトアウト」の発想でした。ビジョン型のタイプなので作りたい世界・成し遂げたい事を先に掲げて、それを実現していくために逆算して物事を考えるタイプでした。

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なので、ビジネスもプロダクトアウトの発想でやっていたのですが、ニーズやマーケットを探すのは意外と難しいです。

なので、顧客のペインをヒアリングしたり、「こういった課題の解決方法となる技術を開発すれば売れる」という根拠のもとに開発するという、マーケットインでの発想も重要だということに後で気が付きました。

つまり、「やりたい事業」や「目指したい人やポジション」を探す際にも、この二つの発想を持っておくと効果的です。

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【Q5. 起業した際の失敗・リスクについて】 

起業やキャリアに関して不安要素を持っている方といえば、こういった質問を受けることがあります。

これの回答としては「社会人と学生で異なる」になると思います。なので社会人と学生で場合分けして考えていきます。

まず、社会人になくて学生が持ってる強みとして「時間」があります。時間というのは、拘束の少ない自由な時間のことです。

これは社会人と比較して、起業する上で圧倒的に有利だと思います。授業かバイトかサークル活動しか時間の活用方法がない中で、起業してビジネスを立ち上げることに時間を使えるからです。

しかも、一般的には働いていないので生活するために時間を使う必要がありません。なので、拘束の少ない自由な時間を気にせず使えるということです。

対して、社会人の場合は給料をもらっているので、自分の生活水準がありますし、養う家族がいる場合もあります。

そうなると起業するのはリスクが高いといえます。

(起業した場合、今まで貰っていた給料よりもすぐに稼げる確率は低いからです。)

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次に、就活する場合にも有利になります。

周りが同じようなことを喋っている中で、「起業経験があり、こんなことを事業としてやっていました。」といえるのは評価につながります。

起業は手段であり目的にするのは良くないですが、起業するという過程を経験するだけでも大変です。なので、学生でそういった経験をできるというのは大きな強みです。

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では逆に起業して失敗した場合、社会人と学生で場合分けして考えていきます。

まず、失敗という言葉を定義する必要があります。失敗したことをそのまま放置して同じ過ちを繰り返したり、一度の失敗で諦める場合を「真の失敗」といいます。

そうでない場合、それは失敗ではなく成功への過程の第一歩であり、成功が継続している段階といえます。

そういった発想でいくと、起業して失敗してもそれは糧になり、自分を強くするので、社会人と学生どちらでもリスクはないと考えることができます。

「真の失敗」をする場合であれば、社会人と学生でリスクの割合が変わる可能性はあります。

学生の場合は、失敗してももとの学生に戻るだけです。経験や知識を習得して戻るので、リスクは少ないのではないでしょうか。

若いうちにそういった経験ができることは、その後の人生を大きく左右すると思います。よく「若い方が起業は成功する」といいますが、そうではなく成功する人は若いうちにそういった経験をしているので成功したと考えることもできます。

なので、僕個人的には学生時代に起業をしてデメリットやリスクはないと思っています。

こういった経験を、登記費用20万円前後でできると考えれば破格です。

社会人の場合でも前職を独立してやる場合や、ビジネスにおける人脈が圧倒的に多いのでそういったアセットを有効活用すれば失敗・リスクは少ないです。

学生のうちから起業してみるのも、社会人を経験してアセットを有効活用して起業するのも、どちらもメリット・デメリットはあるといえます。

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【Q6. お金はどうやって用意したか】

起業しての失敗・リスクという観点で一番に思いつくのは「お金」の心配だと思います。

実際に借金を抱えた経営者や、詐欺被害に遭った話を聞いたことがありますが、こういった話を聞くと不安になると思います。

これは「お金」というものをよく理解すると解消すると思います。

僕の中での「お金」というのは稼ぐことよりも使うことの方が難しいです。

「食品を買うとか服を買うといった行動をする方が、働いてお金を稼ぐよりも簡単じゃん!」と思いますが、それは発想の違いだと思います。

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日常生活における支出には「消費行動」と「投資行動」の二つがあります。

「消費行動」:
支出した額以上の金銭的リターンが将来得られない支出。
「投資行動」:
支出した額以上の金銭的リターンが高確率で得られる支出。

お金を使うときは、必ずこのどちらかに分類されます。

例えば、学校に授業料を払ってただ通っている場合は「消費行動」ですが、将来教員免許を取得して学校の先生として働くための授業料であれば「投資行動」です。

このように、同じものを買う場合であっても、人によってどちらにも分類することができます。

なので、お金の使い方を見極めることによって、使った分のリターンが将来的に帰ってきて稼ぐことの方が簡単になるのです。お金を使うときに「消費行動」なのか「投資行動」なのか、どちらになるのかを見極めることが難しいのです。

それが「お金を使うことの難しさ」ということです。

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逆に「投資行動」としてお金を有効的に使えれば、継続的に稼ぐことができるということでもあります。

実際、経済活動というのはほとんどのお金を「投資行動」として使っています。その方がリターンを得られるからです。

例えば、金融機関に預けている貯金もほとんどが、融資として運用されています。また年金積立金といった支払い義務のあるお金も以下のような機関が長期運用しています。

我々の生活における行動のほとんどが「投資行動」と密接につながっているということです。

僕らはお金を使っているだけで、気づかないうちに投資をしているということになります。そう考えると、失敗やリスクを常に背負っているともいえるわけで、起業しての失敗というのは目に見えて分かりやすい・目立ちやすいので不安の対象になりやすいのだと思います。

そうでなくても、常に失敗やリスクは見えない形で行われているということです。

以下の動画は大学生に向けて、見えない失敗やリスクについて講義しているものです。とても面白いので参考になると思います。

参考:やる気のなかった大学生を本気にさせた伝説のスピーチ/渋谷文武

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【お金を理解する上で重要なのは、投資を理解すること】

「投資」というのは先にリスクを負わないことには、絶対にリターンのない環境のことです。「お金」というものはそうゆうものです。

ですので、投資する先を選定して先にリスクをとることによって、後でリターンを得ることを僕は考えました。

それが資本主義経済で成功する方法だと思ったからです。

僕の場合は「自己投資」です。なので起業した後でリターンを得るために、先に奨学金と貯金でリスクを負いました。

(先にリスクを負ったので、他の大学生と違うキャリア選択ができています。)

なので、お金はどうやって用意したかの回答としては

-自己資金(貯金と奨学金)、親からの借入金を資本金として会社を作りました。お金は投資だということを理解して、生活ギリギリのラインまで資本金として使い、残りの資本金は借金で集めました-

になると思います。

参考:【お金の勉強】ハック大学

参考として、ハック大学の動画を紹介します。

日本では、お金に関する勉強においてかなりの後進国です。

学校の授業でお金について勉強できる機会はほどんどなく、社会人になってから主体的に勉強する必要があります。

この動画にあるように、一般企業に勤めて労働に対する対価を貰うような「搾取され続ける生き方」だけを選択していると、貧困層になる可能性が高いのです。

一見すると、我々はリスクをなるべく負わない日常生活を送っているように見えるのですが、実は搾取される構造の中で安定を求めているつもりが、不安定の要素を築いていることになるのです。

起業をオススメしているという意味ではありません。

お金に関する勉強をして、お金の使い方を考える必要があるということです。投資を理解して適切にリスクをとれば、将来的に安定を得られるということです。

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【Q7. 起業と学歴は関係あるか】

この質問もいただくことがあるのですが、関係ないと思います。

例えば、大学の技術や研究を使って起業する場合等は、代表者の所属が重要になってくるので学歴や実績も影響すると思いますが、ほとんどの場合は考慮する必要がありません。

なので、学歴があれば有利になることもあると思いますが、起業において成功を目指すのであれば、学歴以外の要素の方が重要だと思います。

僕の考えですが、学歴も資格の一つに過ぎないと思います。プログラミングスキルの箇所で書いた通り、起業やキャリアに関して不安要素を持っている方ほど資格や手段を身に着けようとします。

そういった本質的でない要素にとらわれない考えを持てば、こういった質問の心配をすることはなくなると思います。

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【Q8. 事業内容について】


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弊社は産学連携のコーディネート業務を主体とした、起業を目指す学生への支援といったアクセラレーターとして機能することを経営ビジョンにしている会社です。

なぜなら、自分自身がKさんと出会い、起業していく過程の中で得た経験を他の学生にも共有していきたいと思ったからです。

日本の大学では、起業して事業をやりづらい環境になっています。せっかくある自分のアイデアや技術、大学に眠る知的財産等をビジネスの現場において有効活用できているとは思えません。

こういった現状を知り、また自分自身が体験をしてきたので、弊社でノウハウを蓄積していき、それを将来的に学生に共有することでアクセラレーターとして機能し、産学連携を加速させることが目標です。

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このビジョンを達成するために、まずは会社のノウハウ、自分自身の成功体験を蓄積する必要があります。

そこで、自社で開発したサービスを実証実験し販売することや、キャッシュフロー(利益)を安定させることや、技術的な知見・資本政策や経営戦略といったファイナンスの知見を得ることが必要です。

そのために、弊社ではこういった事業を中心に実証と販売を進めています。

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全て産学連携のコーディネート業務を行うために必要な手段になっています。

事業内容についての詳細は省略しますが、弊社ではこういった理念のもとに活動している状況です。

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また、僕個人のビジョンとしては将来的に「宇宙事業」に参入していきたいと考えています。

人類というのは自分の知らな世界に興味・関心を抱くものです。世界的に有名な企業や個人も行き着く先は、宇宙事業の開発である印象があります。

自分もそれと同じように未踏の地に対して興味があり、開拓していきたいという想いがあります。

弊社では現在、スマートフォン内に搭載されている加速度センサー・ジャイロセンサー類を用いて、GPSの届かない場所での位置情報を取得できるプロトタイプを開発しています。

現在はセンサーを使ってスマホの揺れや振動を検知できる仕組みとして、他分野での利用を想定していますが、将来的にこの仕組みを利用して洞窟や宇宙といった「未踏の地」での地形観測、位置情報取得システムとしての利用を考えています。

参考:センサーを使ってスマホの揺れや振動を検知できる仕組み

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【Q9. コロナによる影響は?】

クライアント企業側がリモートワークに対応しきれず、契約予定だった案件が延期になったり、未定になってしまうという事態は発生しています。

契約を取れるかもしれなかったが、コロナで状況が一転したという「機会損失」はあるものの、リモートで対応可能かつ固定費用が掛からない事業を展開しているため、他業種と比較して影響は少ないかと思います。

特にフリーランス契約によるソフトウェアやシステム開発の事業の場合は、社員の人件費やオフィスの賃料といった固定費用が掛からない場合もあります。

そのためパソコン一台によるリモート対応で事業を成立できるので、そういったメリットを感じる場面はありました。

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今回のコロナ騒動によって、我々は新たなビジネスモデルを構築する必要性を実感することになったと思います。

既存の企業では、これまでのオフィスに人が集まって仕事をする風景や、対面での商談といった方法を見直す必要があり、インターネットサービスを前提とした環境の中で事業を展開していくことが求められます。

また市場としては、生産ラインや不動産、研究開発費等の固定資産を有することなく、なるべく少ない事業投資でより効率的に運転していけるビジネスモデルが望まれます。

その方が粗利率も高く、自己資本率(総資産に対しての利益の割合)も高い傾向にあります。

これはコロナ騒動によって、社会環境が変化したからと言えます。

(望まれるというのは一般消費者が望むというわけではなく、市場つまり投資家による期待値が高いということです。)

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例えば、コロナにより上場延期をする企業が相次ぐ中で、3月26日に東証マザーズに上場したサイバーセキュリティクラウド<4493>は、初値が公開価格4500円を105.67%上回る9210円を付け、10710円で引ける結果となりました。

この会社はAIを活用したSaas型のセキュリティソフト「攻撃遮断くん」等を提供する会社です。

会見で代表の大野さんはこの時期の上場理由について「弊社のビジネスモデルはストック型であり、安定的に収益を積み上げていくモデルなのでコロナによる影響が少ない。

セキュリティはコロナと関係なくこれからもニーズが増えてくる領域なので、投資家からの期待値も高いと判断して上場した。」と語っていました。

参考:29歳で東証マザーズ上場/日本で一番多くのWebサイトを守ってます。

つまり、社会環境が変化した今、この変化に対応できる企業がこれから伸びていくと予想されます。

我々は今試されているのです。ダーウィンの進化論のように「変化に対応できる生物が生き残る」という理論と同じ状況を迎えています。

なので、僕もコロナ状況下において活躍できるビジネスモデルや市場を検討していきたいと考えています。

もし就活生の方であれば、コロナによる影響を受けるかどうかの視点もあると、成長企業を選定する際に役立つかもしれません。

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【Q10. なぜMatcherを使っているか】

Matcherを使っているのは、就活生を中心とした学生の考えや流行を共有してもらえるからです。

最初は「面白そうなアプリだな!使ってみたい!」という程度で採用したいとかっていう想いはありませんでした。

もし「起業に興味があって何か支援できることがあればやりたい」とか「共創できる事業であればそれも検討したい」と思い、そういったきっかけを作るために使っています。

就活生の方は嫌でもキャリアを考える必要に迫られる時期だと思いますがそれぞれ考えがあり、お話させていただく中でこちらも勉強になっています。

弊社のビジョンは「起業を目指す学生への支援業務」ですが、やはり僕ら学生を中心とした若手にはいくつもの大きな可能性があり、次の時代を作っていけると実感しています。

なので、投資すべきは若手の才能であり、アイデアであり、技術であると再認識できることもMatcherの魅力です。

弊社ではこういった若手を応援していける社会を実現するための取り組みを今度とも加速させていきたいと考えております。

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最後まで読んでいただきありがとうございました。

Kさんと出会い起業するまでの流れについての詳細や、お金の話(特に投資)に関する話も今度していきたいと考えています。もし感想等、共有いただけることがありましたらこちらまでお問い合わせ下さい。

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または、僕のFacebookページから友達申請していいただき、メッセンジャーでご連絡いただいても結構です。よろしくお願いいたします。

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【会社概要】
会社名:GoMA株式会社
称号:東京工業大学発ベンチャー(授与番号110号)
設立日:2019/12/9
代表取締役:平賀良
所在地:東京工業大学田町キャンパス
東京都港区芝浦3-3-6 CIC5階
資本金:300万円
事業内容:
■ソフトウェアの企画・開発・運用業務
LINEとウェブの連携したシステムの開発。
各種ウェブサービスの開発。
各種Windowsアプリケーションの開発。
■SES事業
■コミュニティマネージメント業務

https://www.go-ma.co.jp/

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起業したい若者の挑戦のために使わせていただきます! よろしくお願いします。