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パン職人の修造 101話〜149話 江川と修造シリーズ

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独立して江川と店を始める修造。パン職人として、経営者として、一家の主人として。頑張れ修造。
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#プレオープン

パン職人の修造110  江川と修造シリーズ リーブロプレオープン

パン職人の修造110 江川と修造シリーズ リーブロプレオープン

藤岡はベンチに座って優雅にお茶している鴨似田夫人の前に連れてこられた。

「藤岡さん、こんにちは」

藤岡は何も言わずにその場に立っていたので修造が説得した。

「奥さん、あの後反省してたってメリットストーンの有田さんに聞きましたけど」

「はいその節はすみませんでした」

「じゃあなんで」

「お渡しして」鴨似田はお付きの男に合図した。

「こちらどうぞ」

藤岡は箱を持たされた。

「これは?

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パン職人の修造109  江川と修造シリーズ リーブロプレオープン

パン職人の修造109 江川と修造シリーズ リーブロプレオープン

 藤岡達パンロンドのメンバー4人がパンを選んでいると修造がやって来た。

「修造さん、素晴らしいお店ですね、いいパンが並んでる」

「今日、パンの発酵の事で喧嘩が起こったり欠員があったりで江川にも忙しい思いをさせたけど頑張ってくれたおかげで助かったよ」

「発酵の事で喧嘩するなんてあるんですね」

「なまじっか経験者が多いから自分の意見を通そうとするんだろう、その内ここのやり方がお互いに定着するん

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パン職人の修造108  江川と修造シリーズ リーブロプレオープン

パン職人の修造108 江川と修造シリーズ リーブロプレオープン

修造は大坂を店のテーブルに座らせてコーヒーを飲ませた「みんな前の店のやり方があるんだな、この店のやり方とかまだ身についてないから揉めたんだよ」

「すみません、カッとなって」大坂ががっくりパワーダウンしてきた。

「俺、すぐカッとなるんです」

「うん」

「前の所でも喧嘩して」

「それで辞めたのか」

「はい、でも折角入ったリーブロ、俺辞めたく無いです」

「うん」

ところで今パンを焼く人間

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パン職人の修造107 江川と修造シリーズ リーブロプレオープン

パン職人の修造107 江川と修造シリーズ リーブロプレオープン

さて、撮影が始まった。

マウンテン山田と桐田が駐車場の入り口から駐車場が広いとか花が咲いてて綺麗とか説明しながら建物に近づいて来る。

きっとスタジオではコメンテーターなんかが見ている画面に「パンの世界大会の覇者のお店リーベンアンドブロート」とか画面に大写しにされるのだろう。

マウンテン達がやっとこっちに辿り着いた。

修造と江川が入り口に立っている。

「はい!こちらが世界一の男!田所修造シ

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パン職人の修造106 江川と修造シリーズ リーブロプレオープン

パン職人の修造106 江川と修造シリーズ リーブロプレオープン

新しくお店を構える時

それが初めての時

様々なトラブルが起こる。

そしてそれは大抵お客様の目に入らない裏側で起こる。

あの古びた建物は塗り替えられ、壁紙も床も綺麗になった。棚もテーブルも椅子も、そしてレジ台も整った。

外にはまだ植えたばかりの花が咲いていてドイツ風のタイルと芝もカッコいい。

そんなパン屋

Bäckerei Leben und Brot(生活とパン)がとうとう出来上がっ

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パン職人の修造105 江川と修造シリーズ リーベンアンドブロートができるまで

パン職人の修造105 江川と修造シリーズ リーベンアンドブロートができるまで

3ヶ月の工事期間を経て、いよいよ工場で仕事出来る様になった。

プレオープンは1週間後。

パンロンドのみんなや鳥井シェフや大木シェフにも来てもらうことにして律子に招待状の葉書を書いて貰った。
「なにこれ!桐田美月って?本物の?来てくれるわけないじゃ無い!それに売れっ子お笑い芸人のマウンテン山田さんまで招待状出すの?厚かましい。それにこの住所あってるの?」

「江川が出してくれって言うんだよ。絶対

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