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2022年11月の記事一覧
パン職人の修造91 江川と修造シリーズ Emergence of butterfly
さっきの川縁に戻って座る。
藤岡はパン屋で買ってバックパックの上にフワッと入れて置いたパンを出した。
「良かった、潰れてないよ」と言ってパンを半分に割って渡した。
「腹ごしらえしとこう。元気が出るよ」
「ありがとうございます。これ、ベッカライウンタービルクのですよね?母がよく買って来ています」
由梨は半分に割った※ヘルンヒェンを美味しそうに食べた。
昼前は落ち込んでいたけど、美味しいパ
パン職人の修造90 江川と修造シリーズ Emergence of butterfly
「その人は福咏という着物屋の店主です。元々は父と同じ職場で働いていたらしくて、父が店を開くとその人もうちに来て働いていたらしいんです」
「ふーん」
「なのに独立してうちの近くに開店したそうなんです」
「なんでかな ? 商圏がかぶると自分も損するのに。仲が悪かったの?」
「それは分かりません」
藤岡は、この子は両親との意思の疎通が上手くいってないんだなと思って何かアドバイスをしようと考えた
パン職人の修造89 江川と修造シリーズ Emergence of butterfly
東南駅の西にある東南商店街で一際賑わうパン屋のパンロンドでは、柚木親方と奥さん、藤岡恭介、杉本龍樹、そしてたまにしか出てこないが田所修造の先輩の、佐久山浩太と広巻悠二が『修造と江川の世界大会一位おめでとうパーティー』を計画していた。
「ここでやりますか?」
「座れるとこがいいかな」
「近くの店でいいところある?」
「いつもの居酒屋は?」
「パーティーと言うより飲み会だな」
などなど
親方
パン職人の修造88 江川と修造シリーズ Awards ceremony
江川は折に触れエーベルトの事を聞いていた。
大恩人のエーベルトと修造は向き合ってドイツ語で話していて、何を言ってるのかはわからない。きっとこの大会に出ると聞いて会いに来てくれたんだろう。
しばらくしてリツコリツコと言ってエーベルトが修造をからかってるのがなんとなく分かる。
おそらく「あの時は奥さんのリツコの事ばかり言ってたな、ワッハッハ」みたいな事なんだろう。
「わしも鼻が高いよ」とわから
パン職人の修造86 江川と修造シリーズ stairway to glory
成形を済ませ、発酵した生地が焼きあがって行くと審査員達が厳かにテーブルに着く、
各国の選手が作るバゲット、ブリオッシュ、クロワッサンの審査が始まった。
バターの効いたブリオッシュは親方の言うところの『ぶちかましスペシャル』
生地の一本にラズベリー生地とマンゴーの生地を使ったカラフルな編み込みパンを作った。
クロワッサンはブーランジェリータカユキの那須田に教えて貰った月形のパリッとしたものを。