日本の低い労働生産性に対してなぜ日本人は受け入れることができないのだろう N148
日本人のよくないところは世界で共通の認識を素直に受け入れないことだ。日本生産性本部が昨年2019年12月に「労働生産性の国際比較 2019」を公表したところによると日本の時間当たり労働生産性は46.8ドル(4,744円)でOECD加盟36カ国中21位だった。
この21位がこんなに頑張っているのにそんな低いはずがない。この指標の計測の仕方が間違っているとか、この指標自体が労働生産性を比較する上で不適切であると言ったことを考える日本人が一部いる。
海外でがっちりビジネスをしている人はおそらくこの結果を見て、やっぱりなと思う人がほとんどだと私は思う。
私が考える生産性を落としている大きな要因の1つはアトキンソンさんが指摘するようにやはり賃金であり中小企業群だ。中小企業群をもっと集約化させて大企業に対する価格交渉力と競争力を持たせて、間接コストを削減することで随分と生産性は上がる。また中小企業は常に人材不足傾向にあるので失業リスクも低い。
もう一つは大企業の生産性を落としているメンバーシップ型雇用による弊害で給与に対してのアウトプットが出せていない40後半から定年まで中高年だ。年功制度であるメンバーシップ型雇用では40後半からごく一握りの役職階層が上がる人とStayする人が分かれる。子会社への出向はまだしも、同じ役職であっても年齢の若い人とは一回り高い給与をもらうことができる人、各部署への立派な役職だけ与えられつつ閑職に回される人が多い。
生産性を下げているのはズバリこの人たちだ。だから政府も狙いを定めてメンバーシップ型を批判している。しかし狙われている人からすれば若い時に薄給でこき使われて回収をする年齢になって年功賃金制度を廃止するとなれば大いに問題だ。このリターンのためにあらゆる無茶振りに対応し、不遇を受け入れてきたのだから。
この無駄はバブル崩壊後にもリストラという言葉が流行ったように40後半から定年までの社畜サラリーマンを強制解雇することで乗り越えた。奇しくもその子供たちである団塊Jrや就職氷河期の世代が同じくリストラをされる運命にあるのはなんとも皮肉なことだろう(まだ起きてないがこのままだと・・・)。
日本人は真面目なのでことに生産性だったりカイゼンというお題に対してはボトムからトップまで非常に熱心に頑張っている。しかし頑張っていることと成果は必ずしも一致しない。頑張ることは素晴らしいが成果が出ない原因を追求することが大事だ。
では彼ら(私もその世代だ!)をリストラすべきか?について今後機会をみて書いてみたい。
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