見出し画像

コロナが去った後、薄利多売ビジネスは終わる N156

 資本主義化のグローバル化とはなんだったのか?といえば、結局、グローバルレベルで薄利多売ビジネスを展開することだったのだ。Race to the bottom、常に安く作れる場所を求めて利潤を追い求めた結果が今なのだ。 

 安かろう悪かろうのこの「悪かろう」には様々な意味がある。壊れやすかったり、品質が悪かったり、あるいは環境に悪いことをしていたり、残虐なことをしていたり(動物をいじめていたり、子供を働かせていたり)。  

 グローバル化によって恩恵を受けると教わってきたが、実はこの安さを求めた結果、悪いことをたくさんしてきたのだ。いや悪いことをしないと安くはできなかったのだ。少し考えてみれば当たり前のことなのだ。安いには理由がある。必ず。 

 ヨーロッパ人はとても頑固なところがあって、どうして米国の奴らは安さが好きなのかがわからないと言っていた。ヨーロッパの人はブランド好きで本物志向ゆえにビジネスが下手くそだと自嘲していた。最近の米国や日本で流行しているリサイクルとかオーガニックとかはヨーロッパでは目新しさはむしろない。彼らにはマスプロダクションに対するアンチが根底にあった。 

 今日の日経のアトキンソンさんの記事で「多くの人が利用する、回転率が高くて利ざやの薄いビジネスモデルは、全世界的に最も打撃を受けている。格安航空会社、観光バス、飲食なら例えば、店舗数が多く単価の安いラーメン店などは、根本的な構造改革が求められている」とのことだが、これは全世界全産業的に該当することだと思う。

 結局、グローバル化に依存して薄利多売ビジネスが普及してきたのだが、コロナがきっかけとなり、悪いビジネスはどこかおかしいよねと気がつくことが増えてきたし、そのような事業主のところに頼る消費者も減った。  

 楽に稼げるモデルとか手間のかからない仕組みとか、チャリンチャリンビジネスとか、いろいろと言葉を並べる人が2000年代までは特に多かったが、ポストコロナはそうではなくなる。努力は必ず報われることはないが、手間やエンゲージメントが評価される時代になってくるはずだ。 

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?