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東京サイドストーリー
ビル風を受けて 彼は黄昏てた
あれは仕事にも慣れてきた頃
眺めが良いとはいえない
ホテルの壁しか見えないロフト付きワンルーム
乗り込む満員電車を上手く降りられない
この街でやってけるのか不安だった
何度季節を越えてきたのだろう
素敵な巡り合わせもハプニングも
特段なかった でも未だに期待してる
流行り廃りの様な感情抱えて
駅に向かう彼女は昨日のことの様に
駄作であろう短編のことを思い出してた
東京サイドストーリーⅡ
社用車で駆け抜ける
レインボーブリッジ
このまま何処か遠くへ
そんな気持ちになるよね
隠キャとか陽キャとか
その括りはよろしくないけど
彼らを揶揄するなら
それが分かりやすいかもね
独りの寂しい時間が
きっと何かに繋がるって
半信半疑の帰宅部
今日も仕事をこなす
明るく聡明で
他人の事を思いやれる
陸上部だった彼女
今日もキリッとしてる
2人ともそれなりに
社会の洗礼受けてきた
ビジネス用
東京サイドストーリーⅢ
もんじゃ焼きの残り香
彼女はちゃきちゃきの下町娘
深夜まで続いた口論
僕は上品な振りの浮気性クズ
中央大橋を小走りで通る
君の曇った表情チラつく
どうして分かってくれない
テーブルを無駄に叩く
気持ちは今にも佃小橋の舟に
乗り込んで逃げ出していく
寂しくて己の存在を
無意味に思う夜があっても
素敵な風景がその瞳に
この先必ず映り込むから
「負けないでね」
歩数アプリでドリンク購入
君が最
東京サイドストーリーⅣ
煌びやかなライト当たり
狭い箱で若者が踊り続ける
そんな光景が当たり前の時
お前も煙草の煙から現れた
あどけないでも大人びていた
アルコールの献上効果により
俺に興味ないのを隠さずに
お前は自分の話し続けた
事務屋であることや夜な夜な
動画配信する自称クリエイター
自己表現出来る時代を
ほくそ笑んでいた
数値で見える化していくのに
何にも見えてこなくなってた
It's like smoke
東京サイドストーリーⅤ
まるで作業の様なキス
肩がぶつかっただけ
そんな無感情な渇きは
残念ながら僕には
伝わってしまってる
ベッドで眠る君は
少々不満気
「明日は早いからもう寝るね」
窓の外の環状線
車両の音が五月蝿い
真摯に向かい合ってる
そんなつもりだけの
関係は終わりに近い
鈍く輝くスカイツリー
カーテンを少し開けると
「開けないでよ」と
冷たく言い放つ
ワンナイトスタンド
そんな関係ではないのに
君と買