75回めの終戦の日に考える「平和主義」と「基本的人権の尊重」の重要な関係
今日は2020年8月15日。75回めの終戦の日を迎えました。日本人、外国人を問わず、戦争で亡くなられたすべての方に黙祷を捧げるとともに、改めて永遠の平和を希求し行動することをここに宣言させていただきます。
さて今回の記事では、2014年 神奈川学園中学校の入試問題をもとにして、「平和主義」と「基本的人権の尊重」の重要な関係について考えてみたいと思います。
なお、記事のアイデアは神奈川学園中学校さんにいただきましたが、問題文は大きく作り変えていることを予め申し上げておきます。元の問題文が気になる方は、日能研さんのホームページをご覧ください。では始めましょう。
☆問題篇
日本国憲法の理念は以下の3つだとされています。
✅国民主権(主権在民)
✅基本的人権の尊重
✅平和主義(戦争の放棄)
ですが、これら3つは異なる側面に注目して表現しているに過ぎず、目指す根源的な価値は一つであると見ることもできます。
例えば、戦争は人々の人権を容易に奪ってしまいますし、逆に基本的人権が守られることで、戦争のない社会につながるのです。
以下に示すのは、いずれも憲法によって保障されている基本的人権の例です。
✅誰にも妨げられることなく自分の考えや意見を持ったり、発表したりすることができる権利(表現の自由、21条)
✅人種や民族、性別に関わらず全ての人が平等に扱われる権利(法の下の平等、14条)
✅子どもが等しく教育を受ける権利と、義務教育を無償で受けられる権利(教育を受ける権利、26条)
✅どんな人でも、人間らしい最低限度の衣食住が保障される権利(生存権、25条)
✅自分の考えにもとづいて選挙で一票投じたり、選挙に立候補したりできる権利(選挙権と被選挙権、15条)
問題
文章中の太字部分に「基本的人権を守ることが、戦争のない社会につながる」とありますが、そのように考えられるのはどうしてですか。上に示した基本的人権に触れながら説明しなさい。(すべての権利に触れる必要はありません)
これはかなり高度な問題ですね。
実際、出題した学校へのインタビュー記事によれば、完全に正解できた受験生は1割くらいで、部分点を与えた受験生を含めても半分くらいしかいなく、白紙答案も散見されたようです。
ですが、それが許されるのは小学生だからです。これをお読みのあなたは、答えられないといけませんよ!
さあ、いかがでしょうか。
☆基本的人権を本気で守ったら戦争なんかできない
一言でいえば、「基本的人権を本気で守ったら戦争なんかできない」ということに尽きます。
例えば、戦時中は空襲で家が焼けてしまったり、食料が配給制になってしまったりしました。これは、「健康で文化的な最低限度の生活」を保障している25条違反です。
また、国民の100%が戦争に賛成することなどあり得ませんね。戦争を開始し維持するためには、戦争に反対する国民の意見を抑えつけたり、反対する者を処罰したりすることが必要です。このことは歴史が証明しています。戦争をするためには表現の自由の侵害は必ずなされるのです。
☆民主主義の究極の理念は「個人の尊厳」
本問のテーマである「平和主義」と「基本的人権の尊重」の関係は戦後民主主義を考える上で非常に大切なことです。
民主主義が目指す究極の理念は「個人の尊厳」です。憲法13条にも、「すべて国民は、個人として尊重される。」とあります。
戦争は、多くの人々の命だけでなく、財産や将来の夢を奪い、自由をも制限します。戦争が「個人の尊厳」と相反するものであることは明らかです。
つまり、基本的人権が尊重されるためにはその国は平和国家でなくてはならないし、平和国家であるためには基本的人権が尊重されていなくてはならないのです。
わかりやすく言えば、「基本的人権のない独裁国家でなければ戦争はできない」とも言えると思います。ですから、戦争を防ぐためには独裁国家の成立を全力で否定する必要があります。
☆周庭さんらの逮捕に思うこと
香港警察の発表や周庭さんの保釈後のコメントなどから、周庭さんの逮捕容疑は、国家安全維持法(以下、「国安法」と表記)29条違反のようです。
国安法29条は、「国家安全保障を脅かす外国または域外勢力との共謀」を処罰対象としています。取り調べで香港警察は周庭さんに、「SNSで国際社会と連携した」ことを逮捕理由として説明したようです。(尤も周庭さんは国安法の成立以後は日本語でのTwitterやデモ活動などをしていないので、遡及処罰なのではないのかとの批判の声も出ています。)
これが政治的弾圧であり、表現の自由の重大な侵害であることは言を俟たないでしょう。以前書いたとおり、集会・結社・表現の自由は民主主義社会における最も重要な人権です。人権を侵害する国安法は廃止されるべきです。人権を守ることは、戦争のない永遠の平和を守ることでもあるのです。
☆ヒトのフリみて我がフリ直せ
周庭さんはまだ23歳でありながら、今回で4回めの逮捕です。
「やっぱり中国は怖い。なんて国だ」と思うかもしれませんが、それだけでは理解が浅いと言わざるを得ません。今の日本は、中国の人権侵害だけを言っていられる状況でしょうか。沖縄の高江や辺野古では、一般市民が普通に逮捕されてますよね。
中国政府からしてみれば超重要人物であろう周庭さんは、しかしわずか1日で保釈が認められています。(保釈=条件・期限つきの一時的な釈放、とお考えください。周庭さんは20万ドル(約275万円)の保釈金を支払い、パスポートも没収されたようです。今後は在宅での捜査がなされ、起訴もされるものと思われます。)
一方日本では、学校前で人権を訴えるビラを撒いただけの高校生が「公務執行妨害」容疑で20日間も勾留されました。籠池さんも300日くらい勾留されましたね。そもそも日本の刑事訴訟法は、起訴前の保釈を認めていませんから、周庭さんのように1日で保釈されるということは日本の刑事司法制度の下ではあり得ません。少なくとも日本の刑事司法制度は、香港よりもはるかに遅れていると言わざるを得ません。ゴーンさんがレバノンにgoneしたくなるほどに😝
刑事司法制度の遅れの他にも、
✅朝日新聞の記者が官邸職員の実力行使により質問を制限されました。
✅安倍首相の演説中にヤジを飛ばした一般市民が北海道警察によって包囲されその場から強制的に排除されました。類似の事例は複数見られます。
✅マスコミは都知事選のテレビ討論会をついに一度も実施しませんでした。全体的にNHKも含め、政権によるメディア支配、偏向報道が顕著になってきています。
✅自民党の改憲草案は、全体的に民主主義や基本的人権を弱めようという意図が読み取れます。このことは近いうちに別に記事にします。
✅集団的自衛権、共謀罪、特定秘密保護法、公文書改竄、強行採決の多用と憲法53条に基づく臨時国会開催要求の拒否など。
枚挙に暇がありません。日本の民主主義は極めて危機的な状況にあります。それはつまり、平和主義(戦争放棄)が脅かされているということを意味するのです。
☆まとめ 戦後80年はあるのか?
2016年に、「「戦後80年」はあるのか」という、衝撃的なタイトルの集英社新書が出ています。
「戦後80年」はあるのか。
この問いに対する答えがNoであるとするなら、あと5年以内に第三次世界大戦が起きるということになります。
ですから答えがYesになるようにしなければいけないし、もっと言えば80年だけでなく、100年先ももっと先も、未来永劫が「戦後」であるようにしなければいけません。
周庭さんらが1日で保釈されたのは、もちろん香港の刑事司法制度がそうなっているから、という理由が大きいのでしょうが、「国際社会からの非難が相次いだために警察が保釈に踏み切った」とする見方もあるようです。
人権侵害は国内問題に留まらず、国際問題です。これを糾弾することは、内政干渉には当たりません。
私たちは、そこが国内であろうと異国であろうと、人権侵害行為に対して、民主主義を脅かすような「キナ臭い」行為に対して、きちんと声を上げていくこと、抗い続けることがとても重要だと思います。
以上です。最後までお読みいただき真にありがとうございました。最後に、今は亡き大物司会者、大橋巨泉さんの言葉をご紹介して結びと致します。
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