【アタッチメント理論】チーム育児：子育ては社会全体で支え合うことが大切

はじめに
　現代社会では、子育ては家庭だけでなく、社会全体で支え合うことが求められています。今回は、人間の成長と発達に関する基本的な性質をもとに、子育てにおける重要なポイントをお伝えしたいと思います。

1.人間は社会的な動物

　人間はもともと群れを成し、他の人とかかわりながら生きていく動物です。たとえば、昔の村社会では、子育ては母親だけでなく、祖父母や近所の人たちも協力して行っていました。

　同様に、現代でも、家庭の内外の大人たちが協力して子育てに取り組むのが自然な形です。たとえば、保育園や幼稚園では、保育士や教師が親と連携しながら子どもの成長をサポートし、また、友人や親戚が育児の手助けをすることもあります。

2.子どもの脳の発達

　ヒトの赤ちゃんは未熟な状態で生まれ、出生後に急速な発達を遂げます。たとえば、0歳から3歳までの間に、赤ちゃんの脳は劇的に成長し、言葉を覚えたり、歩き始めたりします。特に乳幼児期には脳が急激に成長し、5歳までには大人の脳の約九割の重さに達します。

　この発達を支えるためには、バランスの取れた食事による十分な栄養とともに、親が本を読んであげたり、友達と遊ばせたりするなど、周囲の大人たちの適切な関わりと刺激が不可欠です。

3.保育園の役割

　保育園は、子どもの生活の場であり、家庭とは異なる環境での集団生活を経験する重要な場所です。たとえば、保育園では子どもたちが友達と一緒に遊びながら社会性を身につけたり、先生から新しいことを学んだりします。

　家庭での子育てをサポートするだけでなく、家庭とは違う異質な場での経験を通じて、子どもたちが順番を待つことや協力することを学び、社会の中でよりよく生きる力を育む役割も果たします。

4.アタッチメントの重要性

　子どもにとって最初のアタッチメント（愛着）は、親（養育者）との間で形成されることがほとんどです。例えば、赤ちゃんが母親や父親に抱かれて安心感を感じるのは、このアタッチメントが形成されているからです。

　保育者とのアタッチメントも重要です。保育園で働く保育士さんは、親代わりではありませんが、集団生活の中で子どもたちが安心して過ごせるように支援する役割を果たします。例えば、保育士さんが子どもたちに読み聞かせをしたり、一緒に遊んだりすることで、子どもたちは安心感を得ます。

　このような保育者との安定したアタッチメントは、家庭での親子関係にも良い影響を与え、親とのアタッチメントもより安定することがあります。

5.保育の質が重要

　保育の質が高いと、保育者とのアタッチメントは安定しやすくなります。例えば、施設の環境が清潔で安全であることや、保育者と子どもの比率が適正であることが重要です。

　また、保育者が豊富な経験を持ち、子どもの感情に敏感に対応できることも大切です。具体的には、保育者が子ども一人ひとりの個性やニーズに合わせて関わり、適切なサポートを提供することで、子どもたちは安心感を持ち、安定したアタッチメントを築きやすくなります。

最後に
　子育ては、子どもを産んだ親だけでなく、周りの人の協力が不可欠です。人間は未熟な状態で生まれ、長い時間をかけて成長していくため、社会全体で支え合うことが大切です。

　保育園などの施設は、家庭とは異なる環境での集団生活を経験する場として、子どもの心身の発達に大きな役割を果たしています。親として、保育の質にも注意を払い、子どもの健やかな成長を支える環境を整えていきましょう。

　子育てに関する悩みや質問があれば、ぜひコメント欄に書いてください。一緒に考え、支え合っていきましょう。