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香坂秋のエッセー

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日々の景色を綴りました
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2023年6月の記事一覧

昨日とは違う自分を味わう

昨日とは違う自分を味わう

人によっては老いることをひどく嫌う人がいる。

生き物は生まれた瞬間から確実に死に歩んでいる。
若々しく見えていた人が突然、この実世界から旅立つ。

植物は淡々と生を全うする。

目覚めた時、あー今日も生きていた!
そう思うことはありますか?

若かりし頃、過労死なんてことが頭を掠めるほど激務だった。
朝目覚めると最初に感じること。
「今日も生きてた。」
休みといえば、月に1日か2日。

遅くなっ

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ひとりはさびしいのか

ひとりはさびしいのか

わたしはひとりっこ。
兄弟もいない。
両親はすでに他界している。

そして、結婚も同棲もしていない。
同居人もいない。

こんな話をすると、
相手の言葉が聞こえてくる。
「さびしくない?」
もともと、一人っ子なので、子供のころから家の中がにぎやか、ということはない。

単位が1なのである。

そりゃ、わがままに育ちます。

意見の調整は不要です。

おそらく、さびくない?と質問された方は、おひとり

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異次元へようこそ(1)

異次元へようこそ(1)

あなたの知らない世界。
もしかしたら、知ってる世界。
ようこそ。

ここで話すことは、全て事実に基づいたものです。

さて、1回目は、私の体験。

ある日のこと、夕飯を済ませ、2階の自室に戻ります。
ドアを開け、ドアの電灯のスイッチをいれないまま、窓際のデスクまで歩きました。

そのとき、後ろに人の気配を感じ、振り向くと、
ドアが開き階段上の電灯に照らされて誰かが入ってくるシルエットが見えたのです

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吾輩は猫族である(6)

吾輩は猫族である(6)

毎週土曜の朝、ドアの前に鎮座している子猫ちゃん。

うまい具合に、長靴を履いたように足先から足首上3センチあたりまで、4本とも黒い。

白黒猫。

どうして私の部屋を選んだのか。

駅前にうろうろしていた猫にミャーと話しかけていたうちの1匹だったのか。

ドアを開けて話しかけても、まだ人間の言葉が理解できないらしく、首を右に左に傾けている。
その様子が愛らしい。
でも私の掟、決して触らない、餌をあ

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紫陽花はやっぱり雨がお似合い

紫陽花はやっぱり雨がお似合い

梅雨に入り、見事に雨の日々です。

梅雨入りの日の午前中。
昨日とは明らかに違う、まとわりつく空気。
そう、じとっ、べとっとしたあの感じ。

そして、午後に梅雨に入った模様と、天気予報。
最近あいまい発表多いですね。

まだ明るかった夕方に撮りました。
スタートフォンのカメラで。

こんなお洒落なフォーカスもできますね。

香坂 秋

吾輩は猫族である(5)

吾輩は猫族である(5)

猫は気まぐれだ。
甘えたい時は、鬱陶しい(うっとうしい)ほど、なついてくる。

たとえば、こんなふうに。

道を歩いていたら、足元に猫が擦り寄ってきた。
野良猫だ。

避けようと、歩みを進めると、足の間をまるで調教した猫のように縫うように歩くのだった。

遊ばれている。
そう間違いなく、私の方が。
そして、しばらくすると、スルッとすり抜け立ち去るのだった。

香坂 秋

吾輩は猫族である(4)

吾輩は猫族である(4)

今日もどこからともなく、猫の鳴き声。
仕事場に向かう道。
どこにいるのだろうと見回すと駐車している車の下にいた。
こちらを見ながら、ミャーミャーと鳴いている。
この猫、数日前来た時も話しかけてきた。

別に餌などやったこともない。
この猫に限らず、ほかの野良猫にも一度としてないのだ。

さらに別の車の下にだらんと寝ていた猫までもが、わざわざ体の向きを変え、一緒にミャーミャーと鳴き出したのだ。
私と

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混ざり合うんだね

混ざり合うんだね

雨の似合う紫陽花

初めて出会った混合咲き

台風の影響もあり、揃って横向きに

初めて出会った混合咲き

香坂 秋

吾輩は猫族である(3)

吾輩は猫族である(3)

猫は猫好きの人間とわかるのであった。

ある日曜の朝のこと。
ドアを開けると、そこに白と黒のぶち猫が首を傾けて座っていた。
?!
首輪はなたので、野良猫。
今まで見かけたことはなかった。

ゆっくりとドアを開けて、外に出る。
逃げるでもなく、猫はそこに座っている。

少し、姿勢を低くして、
「どこから来たの?」と尋ねると
「ミャァー」と口を横に大きく広げて返事をした。
「ごはんはないよ。」と言うと

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1人の満足 人々の喜び

1人の満足 人々の喜び

近くの公園で、初めて出会った
混合咲きの紫陽花。

同じ房の中に上と下と全く違う形状。

翌日、そこを通ったら、
首下からハサミなどではなく、
ちぎったように花がなくなっていた。

これが初めてではなかった。

その前にも
同じ株に綺麗に咲いた紫陽花があった。
翌日、忽然となくなっていた。

そう、多分同じ人間の仕業(しわざ)。

今朝、同じ株からまた混合咲きを見つけた。
道路から少し離れている。

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