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駆けろ鉄路2千キロ!道東を鉄道で巡る旅 ~6日目①再びの大移動 前半戦

2022年8月26日(金)9:45 滝川市街

おはようございます。

宿をチェックアウトし、滝川市にある、とある「日本一」の所へ徒歩で向かっている。
その日本一とは…

これです。

先日も旭川で自転車で走った国道12号線が、滝川市の南端から美唄市まで、実に29.2kmもの直線道路となっており、日本一となっている。

周辺の国道12号の地図。4市町にまたがる長大な直線が伸びる。

元は砂川市から滝川市に入る手前で折れ曲がっていたところ、後で直線を滝川市まで伸ばしたように見える。まさか、日本一にするために…?いやいや、そんなことはさすがにないよな。

砂川市との境界には空知川が流れる。そこに架かる橋の上に立ち、どこまで見渡せるかなーと思って思い切りズームしてみたが…

いまいちパッとしなかった。

道は直線だが、意外と起伏があるようであまり見通しは良くなかった。
先に見える交差点にある横断歩道の真ん中から見れば、もう少し遠くまで見えたかな?でもこう見えて、横断歩道めっちゃ遠いのよ。

今日の行程

今日の最終目的地は、滝川から80kmほど先にある札幌だ。
ただし、今日の目的はどちらかというと札幌への移動ではなく、可能な限り乗車路線を埋めることにある。

まずは函館本線で札幌に向かい、すかさずとんぼ返りで再び滝川に戻ってくる。この後の行程の都合でかなり時間が空くので、その間に函館本線の滝川~札幌間を埋めておくか、という半ば「暇つぶし」の行程だ。それだけだと味気ないので、途中の美唄で昼飯を食べる、というイベントを入れている。

滝川からは富良野方面に向かう根室本線に乗り換え(これが主目的)。終点の東鹿越からは代行バスに乗り、1日目に降りた新得へ到着。これで滝川~根室間の根室本線を3日がかりで制覇。

新得からは特急に乗り、石勝線経由で一気に札幌に向かって終了、となる。
夕張方面に向かう石勝線の廃線区間が残るが、これは時間の都合で断念。

一部往復するルートのため、パッと見はそうは見えないが、3日目の根室~旭川に迫る500km弱の大移動となる。

函館本線で札幌へ

札幌へ向かう特急までは少し時間があるため、ホームで車両をいろいろ撮ってみる。

岩見沢に向かうキハ40。あれ、1818番って昨日旭川から乗ったやつだな。
721系電車。今回の旅で初めて見る近郊型の車両。

この721系、うっかり撮り忘れたが、すりガラスか?と思うほど窓ガラスが白く濁っていた。自分のような車窓カメラマンにとっては大敵である。これも北海道の厳しい気候の影響か、それとも単なる汚れか。

さて、撮り鉄をしていたら程よく特急カムイがやってきたので、乗車することにする。

いざ札幌へ。

11:33、カムイ20号で札幌へ向け出発。

しばらくは先ほどの国道12号と並走するため、なにげに鉄道もかなりの長さの直線区間となっている。でもこちらは日本一というわけではないようだ。

田んぼの中を走る。うーむ、今日はしっかり曇ってしまったな。

朝方の徒歩で少し疲れたのか、朝の早い時間でもないのにウトウトしてしまう。はっ、駅のアクセスし忘れがないか!?と慌てて目を覚まし、安心して再びウトウトを繰り返す。

途中、美唄駅の駅前に公園があり、植えられた木に小さな赤い実がなっているのに気づいた。ナナカマドの木だろうか。
実がなった木を見ると、いよいよ秋を感じる。数日前は夏の雰囲気だったのになぁ。この後、帰りに美唄に寄った際に写真を撮ることに決めた。

1時間ほどの乗車で、札幌に到着。

駅名標。路線記号を配さない、栄えある「01」の文字。
白い恋人~♪

この後とんぼ返りで滝川に戻るのだが、一旦改札を出て駅の外観を撮ることにした。

札幌駅正面。星をちりばめた時計がおしゃれ。
いや、それにしてもデカい。さすがのターミナル駅。
JRタワー。最上階は展望台になっているそうだ。

JRタワーの温度計は25℃を指していた。曇っているせいか、今までに比べて少し蒸し暑く感じる。温度計の一番下が-20℃なのを見て、帯広の-36℃に比べたらだいぶ高いな、などと思う。感覚がおかしい。

昼飯:美唄の焼き鳥、のはずが

さて、出発の時間が近づいてきた。ホームに向かうことにする。

特急カムイに乗って滝川に戻る。

途中で美唄に降り、有名店「たつみ」で名物の焼き鳥の定食を食べる予定にしている。

…のだが。

「おかしい…何ゆえ出発せんのだ。」

またもや突然現れたこのキャラ、「駅メモ!」に出てくるキャラクターで、名前は美唄イムラ。見ての通り、特急カムイの車両が元ネタで、いわゆる女侍のキャラだ。あまり女の子らしくないが 服装も侍らしくないが
美唄に向かうのは、実は彼女の里帰りという側面もあった。
しかし、時間が近づいているのに「回送」の表示のままの車両。何かおかしいぞ…と思っていると、手短なアナウンス(業務放送?)が入った。

「カムイ17号、運休です。」

な、なんだって――!

どうやら人身事故があったらしく、旭川方面へ向かう函館本線は運転見合わせとなってしまった。
シカ等の動物との接触事故は今まで回避してきたが、まさか人身事故が起きてしまうとは…しかもよりによって大移動の日に。
おそらく運転再開までには1時間以上かかるだろう。美唄の昼食で1時間半くらいかける予定だったので、その分が潰れることになりそうだ。残念ながらイムラの里帰りは断念、ということになった。

となると、昼飯をどうするか…
そういえば、階段を降りたところに駅そばの店があったな、と思い出した。

北海道そばのお店。

地元北海道、幌加内産のそばということで、それもまた魅力。ここで昼食をとることにした。
正面の看板にもあった、ごぼ天炭火鶏そばとかにめしのセットを注文。

程なく着丼。

細いながらもしっかりと締まった歯ごたえのそばに、炭火の風味をしっかり感じる鶏。薬味が山わさびというのもまた新鮮で良い。うまいなぁ。

セットのかにめし。

カニのほぐし身が乗ったかにめしの方も、カニの風味をしっかり感じる味わいで良い。駅弁ではよくありそうなかにめしだが、普通にそばとのセットで出てくる、というのもある意味すごい話だ。さすが北海道。

美唄では食べれなかった鶏分をちょっと補給し、昼食終了。満足でした。

駅の自販機で買ったハスカップのいろはすが美味しかったです。

撮り鉄タイム!

昼食を取ったところでまだ運転再開の見込みは立っていなかったので、しばらくホームに停車中の様々な列車を撮影して時間をつぶすことにした。

キハ281系の特急北斗。
「FURICO 281」。車両の振り子機能を表している。

この時は知らなかったのだが、キハ281系はこの後間もなく引退し、10月23日がラストランとなった。意図せず引退前の貴重な写真が撮れた。

函館に向けて出発していった。
こちらは室蘭へ向かう特急すずらん。785系。
新千歳空港駅に向かう快速エアポート。733系。
新千歳空港駅30周年のヘッドマーク。もっと前からあるものだと思ってた。

行程の変更を検討

14時を過ぎた。特急カムイ17号は運休となり、次の19号が発車する時間だが、まだ運転再開していない。
となると、これはいよいよもって行程の再検討が必要かもしれない。
時刻表をめくり…と行きたかったが、荷物の都合で時刻表は置いてきたので、乗換案内サイトを見ながら、西村京太郎の時刻表トリックばりに行程を検討する。

当初のプラン。

自分が当初予定していたのが、上図のように、時計回りに札幌⇒滝川⇒新得⇒札幌と回るものだ。しかし札幌から滝川へ向かう路線は運転見合わせ中だ。当初予定のライラック21号の札幌発が14:30。これを過ぎると間に合わないのだが、それまでに再開するのかは不透明な状況だ。

そこで一計を案じ、反時計回りに回ることを考えた。つまり、札幌⇒新得⇒滝川⇒札幌、という行程だ。

代替案。

幸い、14:17発で釧路へ向かう特急おおぞら7号がホームに停まっている。それに乗って出発し、順調に行けば、こちらのルートでも札幌に戻ってくることができる。
新得で2時間待ちとなるが、名物のそばでも食べることにしよう。図らずも特急宗谷にも乗れるのも良い。

北海道フリーパスは特急自由席が乗り放題なので、当初の予定外の列車でも自由席であれば問題なく乗車できる。そこをうまく活用した一発逆転のアイデアだ。まぁ、そもそも乗り放題であれば室蘭とか他の方面に向かうという案も出てくるんだけど、そこは当初の目標を達成したい、ということで。

さて、そうと決まれば特急おおぞらに乗車だ。

自由席車両に乗車。

よし、これでひとまず形にはなったな…と窓の外を眺めると、あれ、停まっていた特急カムイの車両に客が乗っている!?駅のアナウンスは聞こえないが、どうやら運転再開するようだ。
今は14:10過ぎ。このまま再開すれば、美唄下車はできないものの、当初プラン通りの行程で行くことができる。うーん…少し悩んだ末、バタバタと特急おおぞらを降り、特急カムイに乗り換えた。

間もなく発車、と言われ,、慌てて行先だけ撮影して乗り込む。

運転再開後の特急だったので座席は大丈夫か?と心配したが、辛うじて席は確保することができた。

14:20頃、定刻から20分ほど遅れ、特急カムイ19号は旭川に向け出発。

車内アナウンスが入ったと思ったら、開口一番「イランカラプテ」とイケボのアイヌ語で挨拶された。

おお、さすがアイヌ語由来の特急カムイ、こだわってるなぁ。乗り換えた甲斐があった。…と思ったが、調べるとカムイ以外の特急や新千歳空港行きの快速エアポートでも同様のアナウンスがあるようだ。なーんだ。

次回予告

この時点でかなり長くなったので、6日目も記事を分けることに。
なんとか無事に札幌発着の周回の旅に出発できた自分。
さて、この先は無事旅を続けることができたのか?


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