フォローしませんか?
シェア
joaodocouto
2023年4月9日 22:18
一度、ディオゴ・ド・コウト(1542年~1616年)について書きました。ポルトガルのアジア進出の歴史である、『アジア史』を書いた年代記作家です。今回はコウトの生涯について書いてみようと思います。はじめに述べておくと、コウトは苦労人です。そして、だいぶ不運にも見舞われています。だからこそ、かれの著作は少し愚痴っぽいところがあります。そして、それが私がコウトに共感する部分でもあります。今後
2023年3月5日 18:11
私の専門は歴史学です。研究はおもにポルトガル語圏の歴史を対象としたものになっています。なかでも、いま(2023年2月現在)もっとも関心を寄せているのが、ディオゴ・ド・コウト(1542年~1616年)という歴史家です。ディオゴ・ド・コウトは、ポルトガル文学やポルトガル史で重要な人物ですが、日本語の文献で紹介されることはかなり少なかったと思います。日本語の一般書でコウトについてそれなりに解説し
2022年4月3日 17:32
(2)からつづきここまでで確認したのは、1)ブラジルを発見した人物というのは、ポルトガルがインドに派遣した艦隊の司令官ペドロ・アルヴァレス・カブラルという人物だった、2)カブラルらがブラジルに到着したときの様子はカミーニャという人物の書簡から明らかになっている、3)書簡から見る限りポルトガルとブラジル人(現地人)の接触は穏当なものだった、4)その一方でカブラルはその地に十字架を立てるという、か
2022年4月2日 08:42
(1)からの続き以上のような大航海時代の到来の中で発見されたのが、ブラジルでした。この発見が意図的だったのか、偶然だったのかは説が分かれていますが、とりあえず、その話は置いておいて、まずはだれがブラジルを発見したのかということを確認します。1.ペドロ・アルヴァレス・カブラルコロンブスの成功に焦ったポルトガル王は、1497年にインドに向けて、ヴァスコ・ダ・ガマを派遣しました。ガマは翌年、
2022年4月1日 13:03
前回までにブラジルにはどんな人々が住んでいるのかということを書きました。とくに、ブラジルでは人種に基づく人間類型があるということを指摘しました。人種による人間類型は、日本人が単一民族だと考えるような社会においてはわかりづらい概念かもしれません。ブラジルでは、白人、黄色人、黒人、混血、先住民が用いられています。また、そうした人種と社会階層が結びついていることを指摘しました。今回は、こうした人種で