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日曜研究者。ポルトガル語圏の歴史を勉強している。歴史学が専門。でも、実際は人類学や社会…

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日曜研究者。ポルトガル語圏の歴史を勉強している。歴史学が専門。でも、実際は人類学や社会学のような調査もしていたし、文学にも興味があるので、頭の中はごちゃごちゃしている。そんなわけで、ここの記事もごちゃごちゃしている。

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  • ポルトガル語圏の歴史

    ポルトガルの歴史やポルトガル旧植民地に関わる歴史についてまとめてあります。歴史全般にご興味のある方、ポルトガル語に興味のある方、ポルトガルやブラジルに興味のある方はぜひご覧ください。

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ポルトガル語とポルトガル語圏

00.はしがき 本ページは、ポルトガル語圏の歴史についてお話しした際に作ったメモ書きに基づいています。私は、ポルトガル語圏という場合、ポルトガル語が公用語となっている国やかつてポルトガルの植民地でポルトガル語が話されていた地域、ポルトガル語が共通語となっている移民コミュニティなどを指して使っています。なお、このメモ書きは、おおむねTeach yourselfシリーズのPortuguese Language Life & Culture(2002)を利用して書いていますので、

    • meu amor

      あなたのすべての動きが私を元気づける あなたはわたしにわたしであることをゆるしてくれた あなた以前、わたしは人間であったけれど、「男」ではなかった あなたと出会って、わたしは男であることを知った わたしは明確に、「男」だ この時代において、古めかしい感覚であることは自覚しています。 それでも、なお、あなたがほしい はじめてです あなたのほか、こんなに、他人をほしいとおもったことはないです 他人はそれぞれの論理に従って生きてほしい それこそ、人の生きる道と思

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          地元のお祭り

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        ポルトガル語とポルトガル語圏

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          いにしえの指揮官たちは、兵士らに人の道を説くことに熱心で、自分自身が手本になるよう努力したものです

          いにしえの指揮官たちは、兵士らに人の道を説くことに熱心で、自分自身が手本になるよう努力したものです。 哲学者にも、大人が小人を正しい生活に導くのに確実な方法は手本を示すことだという者が多くいます。 カルタゴ包囲で、冷静沈着、勇猛果敢なスキピオ・アフリカヌス将軍は、虜となったヌミディア人美女を献上されましたが、将軍は女に会うことを望まなかったばかりか、女を自由の身にして、その婚約者と結婚させました。 こういう将軍の自制心は、ヌミディア征服、故郷の解放、カルタゴ攻略など、か

          いにしえの指揮官たちは、兵士らに人の道を説くことに熱心で、自分自身が手本になるよう努力したものです

          学食の花見御膳

          学食の花見御膳

          大きな栄誉というのは、強大な都市をたくさん奪った者よりも、己に克った者に転がり込むものです。 ディオゴ・ド・コウト『老練なる兵士』第1部第7幕

          大きな栄誉というのは、強大な都市をたくさん奪った者よりも、己に克った者に転がり込むものです。 ディオゴ・ド・コウト『老練なる兵士』第1部第7幕

          目的を達成するためには、したたかに物事を進めるべし。 この言葉でとりあえず今日は仕事に行く。いまの仕事はライフワークのためにまだやめない。

          目的を達成するためには、したたかに物事を進めるべし。 この言葉でとりあえず今日は仕事に行く。いまの仕事はライフワークのためにまだやめない。

          やさしいことばは金払いのよさに通じる。…ことばは心のなかを映し出す。ひねくれた、ケチな心持ちではどうやって人に報いるのか、何を言えばよいのかもわからない。 ディオゴ・ド・コウト(16世紀ポルトガルの歴史家)

          やさしいことばは金払いのよさに通じる。…ことばは心のなかを映し出す。ひねくれた、ケチな心持ちではどうやって人に報いるのか、何を言えばよいのかもわからない。 ディオゴ・ド・コウト(16世紀ポルトガルの歴史家)

          リーダーに必要となる資質は金払いのよさである。そうでなければ、全てが無に帰す。けちなくせに、征服を続けたがる将軍は、銀鉱で金を探しているようなものである。 ディオゴ・ド・コウト(16世紀ポルトガルの歴史家)

          リーダーに必要となる資質は金払いのよさである。そうでなければ、全てが無に帰す。けちなくせに、征服を続けたがる将軍は、銀鉱で金を探しているようなものである。 ディオゴ・ド・コウト(16世紀ポルトガルの歴史家)

          凡人である。そこからはじめればいい。

          凡人である。そこからはじめればいい。

          「ドン・ヴァスコ・ダ・ガマのインド航海記」(大航海時代叢書)を読み始めます

          「ドン・ヴァスコ・ダ・ガマのインド航海記」(大航海時代叢書)を読み始めます

          父の夢(夢の記録)

          今日は父の通夜。 6時頃夢を見た。 実家のキッチンにいる私。 実弟と父の悪口を言っていた。  夢のなかでは父はもう長くない状態だが、生きているらしい。  そのとき、座敷に気配を感じ、行ってみると、大きいベッドがあって、元気な様子の父がパジャマ姿で立って、こちらを向いた。 大きいベッドに腰を下ろした母がいて、父は足をマッサージしてあげていたらしい。 私がどうした?と尋ねると、父は「労ってやっていた」と答えた。 ふたりともよい笑顔をしていた。 たんなる夢の記録。

          父の夢(夢の記録)

          ディオゴ・ド・コウト~忘れられた歴史家の原点~

          一度、ディオゴ・ド・コウト(1542年~1616年)について書きました。 ポルトガルのアジア進出の歴史である、『アジア史』を書いた年代記作家です。 今回はコウトの生涯について書いてみようと思います。 はじめに述べておくと、コウトは苦労人です。そして、だいぶ不運にも見舞われています。だからこそ、かれの著作は少し愚痴っぽいところがあります。そして、それが私がコウトに共感する部分でもあります。今後の記事は、そういう彼の人生について触れたいのです。 では、早速お話をはじめます

          ディオゴ・ド・コウト~忘れられた歴史家の原点~

          ディオゴ・ド・コウト~大航海時代の忘れられた歴史家~

          私の専門は歴史学です。研究はおもにポルトガル語圏の歴史を対象としたものになっています。なかでも、いま(2023年2月現在)もっとも関心を寄せているのが、ディオゴ・ド・コウト(1542年~1616年)という歴史家です。 ディオゴ・ド・コウトは、ポルトガル文学やポルトガル史で重要な人物ですが、日本語の文献で紹介されることはかなり少なかったと思います。 日本語の一般書でコウトについてそれなりに解説しているのは、ボイス・ペンローズ著『大航海時代―旅と発見の二世紀』(ちくま学芸文庫

          ディオゴ・ド・コウト~大航海時代の忘れられた歴史家~