見出し画像

【復職のステップ】不安や罪悪感は捨てて、自分の優先順位に向き合う

投稿:011
【記事の要約】
この記事は私が「適応障害」という心の病を患った時の体験談です。
テーマや切り口ごとに分けて記事にしています。

今回のテーマは病を通して変化したこと。
適応障害になり、休職したことを通して生じた変化を綴っていきます。

自分に起こる変化は必ずしも良いものとは言えないかもしれません。
でも、それを逆手に取って自身をよりポジティブに変え、
見えなかったもの、気づけなかったことを発見していけたとしたら……?

現在進行形の体験談が、皆さんの参考になれば嬉しいです。


復職してからの苦しみ


休職した人にとって復職、あるいは社会復帰は大きな節目です。
十分に療養できてから復帰する方もいれば、
やむを得ない事情で体調が整わないまま復帰する方もいるでしょう。
いずれの場合も非常に勇気がいるステップです。
復職直後に感じたことをつらつらと書きました。

私は復職後、しばらくの間は13時前後まで職場にいるのがやっとでした。
職場に近づくにつれ内臓に重力がかかっているような不快感に襲われます。
当時、一番重要なことは「9時までに自分の席に座っていること」です。
無事に出勤して、始業までに自分の席に座れていれば、
その日の仕事はほとんど終わったようなもの。
極端かもしれないけれど、後はどうでもいい。
日によって起きられなかったり、急に休むこともありました。
天候の影響を受けやすくなり、天気が悪いと体調も悪くなりました。

私の場合は休職中に部署が変わったので
新しい環境で勤務できたことは、まだ良かったのかもしれません。
「使い捨てカイロ」のように以前の部署から異動させられた際は
今の会社に勤め続けることが嫌になりもしましたが、
体調が回復し、軌道に乗るまでは大きな決断を控えていました。
体調が芳しくない状態で重要な判断を下さない大切さは、
主治医や休職経験者からも聞き、読み漁った本にも書いてありました。

加えて、職場で同様の経験をした同僚で体調が回復しないまま、
退職をはじめとした大きな決断を下して後から苦しんでいる姿を見たのも
クールダウンするきっかけになりました(うちの職場、病む人多すぎ)。

徐々に勤務時間を延ばす


復職して1カ月が経過した頃から、勤務時間を13時から15時ぐらいまで
徐々に延ばすことができるようになりました。
単純作業はできるようになりましたが、
以前のようなマルチタスクを行うと
頭痛や痙攣の症状が出てほとんど何もできません。
そんな時は職場の掃除をして時間が過ぎるのを待っていました。
変に頑張ろうとすると体調を崩すので
あえて「何もしない」練習を職場にいるうちはすることに(笑)

さらに2カ月半後ほどして、やっと17時まで勤務できるようになりました。
当初よりもできることは増えましたが、処理能力は休職前に及びません。
急に体調を崩してしまうこともあるし、連勤4日以降は特に疲れが出る。
周囲からは無言のプレッシャーというか、
自分の状態が理解されていない視線を感じることがありました。
上司から「気を遣わなくていい」と言われても
気を遣いすぎて適応障害になってしまった手前、
どうすることもできません。

罪悪感を感じても意味がないと、何かの本に書いてありました。
心配は別の心配を際限なく呼び込むし、
逆に他責思考も枝葉のように無限に広がっていきます。
大事なことは罪悪感や不安を抱くことではなく、
状況を整理して自分が向き合うべき優先順位を決めること。
そうするとできることとできないこと、考えても無駄なことが
明確に整理できるようになります。

ある日の昼頃、会社のOBが急に部署に訪ねてきて
初対面の私を見るなり「君がtsutomochiさんか〜」と寄ってきて、
「気持ちを切り替えれば病気なんてどっかに飛んでいってしまうよ!」
と激励してくれたのですが、直後に私は嘔吐して早退しました(笑)
「あなたがどっかに飛んでいってくださいよ……」と心のなかでつぶやき、
家路についたことも遠い過去の記憶。

水を差されるような出来事もちょくちょく起こりはしたものの、
17時まで安定して勤務できるようになって3カ月を過ぎた頃には
徐々に気持ちの面でも居直っていったように思います。
当時の日記を紐解いて何があったのかを振り返ると
「我ながらよく頑張った」と感慨深く思うとともに、
心の片隅に妙な痛みが走る感覚を覚えます。

職場に理解者がいると過ごしやすさが変わる

職場に同じような体験をしている人がいると、生きにくさは緩和されます。
それが上司だと、なおのことラッキーです。
また部署は違えど休職や復職を経験している同僚が年代を問わずいたので、
体験をシェアしてもらったり、こちらの気持ちを聞いてもらうことができ、
復帰のステップを進める参考になりました。
それにしてもうちの会社、病んでる人多すぎです。もはや病院状態。

上司が休職を経験していると、
睡眠の重要性や復職直後の「慣らし保育期間」をどう過ごしたらいいか
ご本人の体験に基づいてイメージができているため、
復職直後のキツさを察してくれることが多々ありました。
「今日はまだ勤務できる」と自分では感じていても
上司から強制退社を命じられたこともありました。

一方で、復職先の部署にはその上司以外、
適応障害や心の病を理解してくれる人はいなかったように思います。
優しく接してくれる同僚もいましたが、
それは病気への理解に基づくものではありません。
こちらも自分の感覚をどうにか伝えたいけれども伝わらない。
悪意からではなく、シンプルに「わからない」のだと思います。
何度か「どういう時につらいって感じるの?」と聞かれたこともあります。
理解してもらえて当然と言うつもりはありませんので誤解なきよう。
ただ、自分の苦しみは自分にしか理解できない現実を実感したのです。
ですから、休職経験のある上司のもとで復職できたのは運が良かった。

似たような体験をしているからといって
"同じ"ではない

「同じ病名の病を患ったことがあるならわかってもらえるはず」という
都合のいい思い込みが生み出す勘違いなのですが、
同じような病気を体験をしていたとしても、
深い共感が得られるとは限りません。
部署は違えど、休職や復職を経験している同僚が年代を問わずいたと
前述しましたが、当然のことながら病名が同じだけであって、
体験した内容、感じ方やそこから得たものは人それぞれです。
十人十色、顔かたちや性格が異なるのと同じこと。
それなのに「この人になら理解してもらえる」と
勘違いしてしまう自分が出てきてしまいがちでした。

同じ病を体験していたとしても、
生傷を見せるように語って共感してくれる人もいれば、
10年以上前の出来事として今は心身ともに持ち直している人もいる。
心の傷の深さは肉眼で測れるものではありませんが、
悲観的な言動が多い人もいれば、
「もう問題ない」と等身大よりも大きく自分を見せようとする人もいます。どの生き方も間違っているとは思いません。
それぞれに葛藤という当たり前のことを、学びとして忘れずにいたいです。

免責事項
本記事に掲載された内容(リンクやバナーなどで移動したサイトで提供される情報、サービス等を含む)によって生じた損害等の一切の責任を負いかねます。ご了承ください。
また、本記事のコンテンツ・情報について、
できる限り正確な情報を提供するように努めていますが、
正確性や安全性を保証するものではありません。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?