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#夏目漱石

読書感想 夏目漱石 永日小品

読書感想 夏目漱石 永日小品

 芥川龍之介の随筆に、たびたび「小品」という言葉が出てきまして、私は小品とは掌編と随筆の中間のような、短い作品なのかなあとなんとなく思っていました。

そんな折、夏目漱石の新潮文庫「文鳥、夢十夜」を購入したところ、最後の解説に小品についての解説がありました。

なるほど。そうなんだ…と納得しました。

永日小品は、小品の部類に属する25の作品群です。
日常のなんでもない風景を切り抜いたものから、短

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夏目漱石 夢十夜

夏目漱石 夢十夜

以前にも投稿したのですが、私は夏目漱石の夢十夜が大好きです。
無性にその文章を読みたくなる時があり、定期的に再読してます。
昨日も読んだのですが、一体何回目になるのかわからないです……。 

そして何故こんなに魅かれるのか自分でもよくわからないのです。

そもそも夢十夜は、話のすじもなければオチもない、意味のわからない(失礼…)不思議な夢のお話じゃないですか。そして、夏目漱石の作品の中では、ひとき

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読書感想 夏目漱石 変な音

読書感想 夏目漱石 変な音

夏目漱石の短編小説です。

主人公が入院したときに聞いた、隣の部屋から聞こえる「変な音」のお話です。
その音は、大根をするような音でした。病室では炊事割烹、菓子まで禁じられているのに、何故こんな音がするのだろう?と主人公は不思議に思うのですね。

主人公は回復し退院しますが、三ヶ月後に再び入院します。
その時に、隣の部屋の患者に付き添いをしていた看護婦から、「変な音」の正体をきくのです。

隣の部

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読書感想 夏目漱石 門

読書感想 夏目漱石 門

夏目漱石の「門」は、
「三四郎」「それから」のあとに続く作品で、三部作の最終回のような存在です。

実際にはそれぞれ独立したお話で、登場人物や設定は多少異なります。

「門」は、友人の内縁の奥さんを奪って結婚した主人公が、家族や親戚に絶縁され、大学も退学となり、妻と二人だけの寂しい生活を送るお話です。

人生を諦めきった夫婦のお話です。

とっても暗いお話です。

そのせいか、前のニ作品に比べると

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