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【連載】あれこれと、あーと

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gallery hyphenのオーナーによる独り言。 「身近にひそむアート」をテーマに、あれこれとつぶやきます。 サイトはこちら→http://gallery-hyphen.lo…
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それでも、「滅び」は美しい。 第三稿

それでも、「滅び」は美しい。 第三稿

刹那を斬り、一瞬の美を永遠にする男

アート/空家 二人を訪問した後日、今度は東京工芸大学 写大ギャラリーで開催中の土門拳写真展へ向かった。

土門拳は戦後日本を代表する写真家だ。
『文楽』『ヒロシマ』『筑豊のこどもたち』など、日本の伝統文化や社会性の高いテーマを主軸とし、「リアリズム写真」を追求し続けた人である。

「写真の鬼」とも呼ばれた土門拳は、徹底したリアリズムで、対象の一瞬をファインダー

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それでも、「滅び」は美しい。 第二稿

それでも、「滅び」は美しい。 第二稿

田中義樹 《ウォーホル》

これは、アート/空家 二人の企画展、「NITO10」で鑑賞した作品だ。

田中 義樹 《ウォーホル》
2022年 文庫本、模型

手前に三島由紀夫著『金閣寺』の文庫本、その奥にミニチュア模型の銀閣寺がちょこんと置かれている。先にこの作品を見ていた人が、可笑しそうにくすくす笑っている。なんだろうと私も近寄ってみるが、よくわからない。

三木さんが声を掛けてくれて「文庫本、

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それでも、「滅び」は美しい。 第一稿

それでも、「滅び」は美しい。 第一稿

アート/空家 二人

GWに、現代アートを取り扱うギャラリー「アート/空家 二人」を訪問した。ここは、作品を1万円から販売していて、購入されるごとに次回作の価格が上がるという独自のシステムを導入しているギャラリーだ。

一軒家を改造して作られたという展示空間は、明るく広々としていて、作品をじっくりと堪能できる。室内は、畳や台所、洗面所などの住居設備はそのままにしていて、「家感」がそこかしこに漂って

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