99.9%競技人生が好転する 思春期トレ
スポーツ競技者のジャンプ力やスプリントなどを含めたパフォーマンスアップをするためには『プライオメトリックトレーニング』以外に『レジスタンストレーニング』は必要なのか?
今回は12~14歳の若年層をターゲットを対象とした海外の論文をもとに考察していきます。
この記事は私達がもしも12〜14歳の過去に戻れるなら この記事の内容の事を知っている方にトレーニング指導を受けたかった そのような思いの詰まった内容となっています。
1.はじめに
今回の研究の対象としているトレーニングメニューは『プライオメトリックトレーニング』と『レジスタンストレーニング』についてです。このトレーニングの組合せがどのように若年層に影響を及ぼすのか?ということを考察していきます。
まずこの二種類の『プライオメトリックトレーニング』と『レジスタンストレーニング』がどのようなものなのか簡単に説明していきます。
・『プライオメトリックトレーニング』とは近年よく耳にするトレーニングで主に筋の瞬発力を鍛えるトレーニングの事をさしています。自重のみで行うものからボックスなどを使用するものまであります。
このトレーニングのメカニズムとしては、素早く筋が伸ばされた(遠心性収縮)の状態から伸張反射により筋を収縮(求心性収縮)させることにより、筋の瞬発力を上げるというものになるます。
筋の瞬発力を上げるという事はジャンプ力だけでなくスプリントなどスポーツを行う上で必要なパフォーマンスアップが期待できます。
・『レジスタンストレーニング』の『レジスタンス』とは『抵抗』という意味です。自重やバーベルなどの負荷を用いて筋組織を収縮運動させトレーニングを行うことを指しています。トレーニングプログラムは運動時間、頻度、強度、量などにより変化します。
目的に応じたRM数により負荷量を設定して行うことができます。一般的に筋力アップを目的として行うため、高重量で行うケースが多いのですが今回は成長期である若年層に対して『レジスタンストレーニング』が必要なのか?というところを説明していきたいと思います。
2.若年層のレジスタンスはケガしないのか?
そもそも若年層にたいしてレジスタンストレーニングを行う事はケガの原因にならないのか?
過去に筋力トレーニング(レジスタンストレーニング)を子供のうちにしすぎると身長が伸びない。という事を耳にしたことがあります。若年層は成人のミニチュア版ではなくこれから成長していく大事な時期です。そのため若年層の骨には骨端成長線とよばれる骨が伸びるための部位が存在しています。
この筋力トレーニングを行うこと自体が直接的に骨の成長を止めてしまう訳ではなく、過負荷によるストレスや誤ったトレーニング方法を行う事で骨端線を損傷させる危険があるため筋力トレーニングをすると成長が止まるというような話が出ていたのかもしれません。
その為若年層に筋力トレーニングを行う際は適切な負荷量やフォームをティーチングする事が出来る指導者が必要となります。
3.若年層(成長期)にレジスタンストレーニング(RT)は必要か?
① RTは必要か?
② RTは何歳から?
③ RTの効果(生理学的効果も含め)
④ RTのリスク
⑤ RTの方法
⑥ まとめ
① RTは必要か?
結論からお話すると、、、必要です!
WHO(世界保健機関)は一般のガイドラインに沿って週3回程度の運動を実施し、骨と筋肉を強化するよう推奨しています。
しかし、世界の81%の若者はこの基準を満たしていないと報告されています。
これは、幼少期からの運動不足(筋力不足)が現代の座りがちな生活の出発点になっていると言われています。
筋力不足の子供は走る、ジャンプする、投げるなどの動作が苦手であり、運動に対して自信を無く、運動することに対し億劫になっています。
つまり、筋力不足は肥満や健康への悪影響の負のスパイラルのトリガーになります。
RTはやみくもにやれば良いというものではなく、正しく管理された中で行うことが重要です。
13-16歳の青少年の負傷率を正しくマネジメントされたRTとサッカーとラグビーと比較した場合に、有意に低い負傷率となっています。
また多くの研究で、RTが基本的な運動スキル(ジャンプやスプリント)を向上させると報告しています。
以前は、RTが骨の成長を妨げ、身長が伸びにくいなど言われていましたが、基本的には誤りです。
もちろん過度な負荷や休息なしのRTは怪我に繋がります。
従来のRTに関する研究は『RTを実施して何が起きるか?』に焦点を当てていました。
現在は、若者の筋力不足などを背景に、『RTをしなければどうなるか?』が焦点になってきています。
そのため、どのようなプログラムであればケガをしにくく、幅広く一般的な運動基本スキルや特定のスキルを向上できるかなど研究が進められており、若者のRTをサポートする流れになっています。
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