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ローカルプロダクション富川屋の仕事


先日発表されましたが、岩手ADC(アートディレクターズクラブ)が主催する2018年度のコンペティションにて、富川がプロデュースしたデザインが230点の頂点・グランプリを受賞することができました。

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ADC自体は全国的な組織で、アートディレクターやデザイナーの技術向上やネットワーク構築のためにできたものであるので、あくまで受賞の対象者はデザイナーさんたちであり、自分が受賞したわけではありませんが、プロデューサーとデザイナーは二人三脚で歩んでいくので、ほぼ自分のことのように嬉しいニュースでありました。


こうした嬉しいニュースを経て、そういえばプロデューサーの役割や富川がしている業務をきちんと整理して伝えてきたことがなかったなと思ったので、もうすぐ独立丸2年を迎えるローカル・プロダクション「富川屋」の業務について書きたいと思います。

ちなみに、今年の8月で「地域おこし協力隊」の任期も終わり、いよいよ自力で離陸しなきゃなので、これまで以上に仕事をつくることを意識して動いていこうと思っています。



それでは、スライド形式で説明しますね。
※今回はto knowの活動には触れず、富川屋のみです

●富川屋の仕事

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富川岳(ローカルプロデューサー)
1987年、新潟県長岡市生まれ割烹屋育ち。プロデューサー。広告代理店(spicebox / 博報堂常駐)で7年間Webマーケティングに従事した後、Next Commons Lab 共同創業メンバー第1号として遠野に移住。2017年に独立し、東北の山奥でプロデュース業をするかたわら、『遠野物語』など遠野のディープな文化にどハマりし、75歳の師匠に指導を受けながら、土地の文化を"ひらく" フィールドワークやイベント、制作、教育機関と連携した取り組みを行う「to know」のプロジェクトマネージャーとして活動中。明治創業の実家「富川屋」の鮭の味噌漬け販売事業も粛々と展開中。



地方でフリーランスのプロデューサーとして生きていくと決めて、2017年4月におそるおそる独立したわけですが、おかげさまでご縁に恵まれ、これまで20を越えるお仕事をさせていただきました(to knowは含めず)。
特に限定してきたわけではありませんが、99%が遠野市内のお仕事でありました。

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2018年は実質2年目。お陰さまで売上は1年目よりも上がり、担当する領域も広がりました。ここに加えてto know の活動も並行してありましたので昨年は目を回しながら稼働率120%ぐらいで走り抜けた気がします。


つづいて、そもそも「プロデューサー」てなんぞや?と言うことを説明したいと思います。地方ではデザイナーやライターさんは多いですが、フリーランスでプロデューサーをしている人は少なく、いまいちイメージがつきにくいようです(僕もまだ会ったことがないです)。

●富川の立ち位置

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広告会社やプロデューサーがいない仕事も地方では多いですし、そもそもデザインを印刷会社さんが印刷費に内包するケースも多いですよね。逆にいうと、それでもモノは作れるので、プロデューサーとしての価値を発揮できなければ人件費が上がるだけなのでプロジェクトにはいない方がいいです。
(なので、自分は自分がいる意味を証明しなければいけないですし、プロジェクトに入るからには存在意義を出すようにしていますが、熟慮した結果、プロデューサーとしての自分が入らない方がいいと思ったお仕事では、直接デザイナーさんをご紹介する場合もあります)


つぎにプロデューサーの役割について見ていきましょう。

●プロデューサーの役割

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プロデューサーの役割は、大きく分けて「考える」と「動かす」です。
広告代理店だと「考える」部分でプランナーが入ったりしますが、僕の場合は自分で考えます。
考える・動かすは両方大事ですが、特に「考える」が重要だと思っていて、うんうん唸りながらこの期間は徹底的に考えます。基本的には一人で篭って考えることが多いですが、時に人に意見を聞いたり、盛岡TSUTAYAで2時間くらい立ち読みして方向性を探ったりしています。

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つづいて、動かす。ここもとても大事です。

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最近自分の中で腑に落ちたのですが、プロデューサーはプロジェクトのタスクやスケジュールを常に気にしなくてはいけません。これ、計画性がない人や特性的に向いてない人にはとても辛い役割だと思うのですが、自分は日常生活の中で掃除&整理好きということもあって、宙ぶらりんなのが気持ち悪いと思う特性を持っているので、あまり苦にならずに進行管理ができるんですよね。これは天職だなぁと思ったりします。
(休みの日でも仕事が気になってしまうという弱点はありますが…)


あとは、ひたすら制作物を具現化させていきます(説明は簡単ですが、この世に出るまでの過程がなかなか地道で大変です)

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●富川屋が提供できること

そんなプロデュース業をしている富川屋ですが、改めて提供できることを整理しました。これまでは企画/制作が中心でしたが、昨年からコンサルティング業務でお客さんの社内会議に参加したり、ビジュアルコミュニケーション全般のサポートをしたり、事業者さん向けのセミナー講師として一緒に情報発信のあり方をお客さんと考えることも増えてきました。

カッコいいデザインやいい制作物をつくることも大事だし好きなのですが、上記のようなニーズをふまえると、お客さん側(クライアントサイド)に寄り添って、情報整理や方向性の設定を一緒に進めていく部分で自分が最も貢献できるのかもしれないな、と思うようになりました。

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●これから力を入れたいこと

つづいて、これから力を入れたいことは3つ。
地方で自分自身が仕事をしていくこと、そして地域のデザインのレベルを上げていくには、地味ですが現実的に①が大切だなぁと感じています。

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こうした地域の課題って遠野だけの話ではないので、今後は県内・県外問わずエリアを広げていけるといいなぁと思います。




以上、かなり具体的なところまで書きましたが、引き続きローカルを主戦場にフリーランスのプロデューサー業を確立すべく頑張っていきたいと思います。
デザイナー・ライター・カメラマン・映像作家など、ローカルでのつながりも増えてきたので幅広く対応はできるかと思います。どうぞお気軽にご相談くださいませ。


2019年も引き続き、富川屋 と to know を並行して進めていきます。
よろしくお願いいたします。


<2019年2月7日追記>
ブログを読んでいただいた方から、富川が考えるプロデューサーとディレクターの違い、プロデュースとディレクションの違いは何?と質問を受けたので回答した内容を追記しておきたいと思います

岩崎さん、どうもありがとうございます!そうですね、概念としてわかりにくいかもしれませんね。広告の制作の現場だとプロデューサー(P)とディレクター(D)の違いは割とパキッと分かれていて、Pの方が上流にいてお金や人を集め、さらに企画の方向性・骨子をつくる人ですね(営業と設計士が融合しているようなイメージでしょうか)。
一方、DはPが決めた骨子・予算に則って、実際の制作物を、制作サイドに立ってトーンやスケジュールなど管理する「現場監督」的な人ですね。デザイナーさんや手を動かす人たちはDの管轄下で動くイメージです。
僕の認識もこの通りで考えていますが、実際、地方のお仕事だと、予算感的にPもDも自分一人でやることが多いですね。つまりブログ内でも書きましたが、「考える」と「動かす」を両方やるような感じです。この場合、細かなところまで自分で作り込めるよさはありますが、二つの役割を担っているので、規模が大きく自分一人ではまわせない時は、D的な人に入ってもらうか、制作会社さんのAD(アートディレクター)さんにD的な動きをしてもらいカバーしてもらったりしています。
ただ、上流のPが領域を超えて下流のD的な役割をすることはありますが(制作やデザインも好きな富川などはそうです)、逆にDがP的な動きをすることは少ないし難しいかなと思いますね(やらなければいけない状況はあると思いますが)。そこはおそらく職能や得意分野が異なっていると思っていて。PはPとしてのコミュニケーション能力も求められるので、Dは制作の作り込みに専念してもらった方が良い場合が多いと思います。
まとめると、僕が「プロデュース」という言葉を使う場合は、上記のPのような役割を担った時ですね。そして「ディレクション」という言葉を使う場合は上記のD的な役割を担った時に使います。初めて言語化してみましたが、伝わりますでしょうか??長々と失礼しました!
※ちなみに、都内の広告代理店がやるような大きな案件だと、クリエイティブまわりを統括するCD(クリエイティブディレクター)やAD(アートディレクター)が入り、さらにPのさらに上流(クライアントに近いところ)に営業が入ったり、アイディアを考えるPL(プランナー)が数人入ったりしますが、地方とは異なりますね。


gaku@tomikawaya.com
https://www.tomikawaya.com/

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☝️ スライド全て掲載します



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