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展覧会ができるまで(美術館の舞台裏)

どうも、ちいさな美術館の学芸員です。
美術館といえば展覧会。にも関わらず、そういえばこのnoteで、展覧会の企画・実行という王道の話をしていなかったことに気がつきました。

だいたい自分自身がその時その時、気になっていることを突発的に書くので、

ついつい「展示室での撮影はどこまでOKにするべきか?」(↓)とか、

「チラシのデザイナーをどうやって探すか」(↓)とか、

「学芸員実習でなにをしようかな」(↓)とか、

なんというか、えらくニッチな話ばかり書いていましたね…(過去記事一覧はこちら)。

というわけで、真正面から「展覧会ができるまで」の話をしたいと思います。ちなみに常設展、コレクション展ではなく、企画展、特別展の場合です(その違いは説明いらないですよね?)。

***

しかし、いざ項目を書き出してみると、こんな感じで思いのほか膨大でした(いや、これでも些末なことは端折ってるんですよ!)。
各項目の詳細解説ページはリンクで飛べます。

  1. [始動]たいていの場合、何かきっかけがある

  2. 実現可能性をざっくり計算してみる

  3. 会期と担当を決める

  4. 作品や作家の情報収集を開始する

  5. 展覧会企画概要書を作る

  6. 作品調査を行う

  7. 各社から見積もりをとって予算を立てる

  8. 助成金、後援などでお金をかき集める

  9. 作品を所蔵する美術館やコレクターに出品交渉をする

  10. 正式な借用依頼を提出する

  11. 展示レイアウトを考える

  12. 関連イベントを考える

  13. 作品の写真・画像データを集める、または撮影する

  14. チラシ、ポスターを制作する

  15. 図録を制作する

  16. ミュージアムショップ用のオリジナルグッズを作るか検討する

  17. 展示空間をデザインする

  18. 図録や作品解説の原稿を書く

  19. プレスリリースを作成し発送する

  20. 広告を出稿する

  21. 展示用パネル、キャプションを制作する

  22. チラシ、ポスターを各方面に発送する

  23. ホームページに展覧会情報を掲載する

  24. 借用作品の集荷をする

  25. 作品を展示する

  26. 照明を調整する

  27. 内覧会を行う

  28. 展覧会開幕

  29. 会期中に関連イベントを行う

  30. 取材対応をする

  31. 会場の記録写真を撮る

  32. 作品の展示替えを行う

  33. 展覧会閉幕

  34. 撤収作業を行う

  35. 借用作品の返却をする

  36. 事業報告書を作成する

  37. 展覧会の記録をアーカイブとして残す

毎回この順番通りに進むというわけではありませんが、おおむねこんな感じです(なにか忘れてるかな?思い出したら追加します)。この工程を1年以上かけて、少しずつ進めていきます。


■過去記事のバックナンバーはこちら(↓)から