イチコ

日本からフランスへやってきたガイコクジン。ふたりの娘を持つ仏人パートナーと、フランスの…

イチコ

日本からフランスへやってきたガイコクジン。ふたりの娘を持つ仏人パートナーと、フランスの片隅で暮らしている。近年、あらたに娘が生まれて、5人暮らしに。

最近の記事

イチコ、母になる。

今日はそう、2024年3月。ひな祭りも終えた頃。フランスにおけるガイコクジンイチコは母になって、はや2年となる。 はて、イチコが母?仏人パートナーの娘たちに振り回されながら、ああ、腐っても私は日本人なんだな、と思い知らされたり、異国の地でサウンドバッグのようにバスんバフんボフンブン!と、ただ揺れているだけだったイチコが? はい。ではなぜこの人生いち大事なることを今まで書かなかったのか。それは言わずもがな、この2年間、わたくしイチコは心身共に余裕など微塵も無かったからで、気

    • 子ども記者の類稀なる取材技術。

      こんにちは。 イチコです。 前回の投稿からずいぶんと経ちました。あと数ヵ月で、あれから1年経過するところでした、あぶないあぶない。 と、なにかどうあぶないのか知らないけれど、とにかくこの辺りでまた何か記してみよう、ということです。 ちなみに、わたくしイチコとは、仏人パートナーとフランスに住んでいる日本人。彼には前妻との娘がふたりいる。30歳を前に、日本を出るまで経験したことのなかった異文化と異環境に苦悩悶絶ながらも(今のところ)穏やかな日々を送る、フランスにおける外国人

      • 平べったい顔のお義母さん。

        6月15日より、フランスでは、コロナ禍によるロックダウンの解除第3段階に入ったもよう。パリでは、22日の予定だったのが少し早まって、飲食店の通常営業も再開されました。幼・小・中学校も、22日から全員通学。 ということは、小学生のエマとリリーは晴れて、学期最後の1週間のみ、学友たちと一緒に過ごすことができるように。本人たちにとっては、うれしいような面倒くさいような、複雑な心境のよう。とはいえ、お友達に学校で会えるのはとてもうれしいと、よろこんでいます。 けれど、そうなるのは

        • 至福の25分間はGoûter(おやつ)。

          イチコはクレープをつくった。 本当は少しめんどうくさかったけれど、子どもたちが「食べたーい!」と、数日前に言っていたから。作るとしたら今日だけど、マキシムは会議続きでクレープを作る時間はなさそうだし、じゃあ、イチコがやるか、ってなもんで、午後4時のGoûter(おやつ)に合わせて、予告なきクレープ。日本では『おやつの3時』だが、フランスでは『おやつの4時』なのだ。 そのおやつ時間のすこし前、庭で妹リリーと遊んでいたお姉ちゃんエマが、ふたり分のGoûter(おやつ)を取りに

        イチコ、母になる。

          フランスの小学校、再開?

          5月11日、約2ヶ月近く続いていた、新型コロナウイルスによるフランスの外出規制が終わった。まだ完全に解除されたわけではないが、これから段階的に緩和がされてゆく予定。100km以内の移動であれば外出証明書等を用意しなくてもよくなり、時間的な制限はあるものの、イル=ド=フランス地域圏の電車やメトロもマスク必須のうえ、使えるようになった。 イチコは今のところはまだ、規制がはじまって以来、公共交通機関を使っていないから実際目にはしていないけれど、規制緩和後の今、フランスの駅構内では

          フランスの小学校、再開?

          正直にいきる。

          イチコは、やさしくない。 イチコの仕事道具で遊びたいとお願いされたら、いくら子どもたちの目がキラキラしていても煩わしく思うし、子どもの分も含めた服の洗濯がしょっちゅう続くと(なんでイチコが)と思う。ごはんの支度も。 イチコはやさしくない。 やっときた週末にゆっくりしようと思ったら、子どもたちが友達を家に呼びたいと言い出し、マキシムとふたりでゆっくり過ごしたいと思っても毎週末は叶わない。エマが鼻を噛んだティッシュがリビング中に落ちている。少し着ただけの服が椅子やソファ、階

          正直にいきる。

          休校中、先生はお姉ちゃん。

          家にこもる日々とて、時間は流れる。 先の投稿(「コロナさんの影響がこんなかたちで。」)で書いたとおり、われらが大すきマキシム殿が、今、心身の調子が良くない。とは言うものの、ここのところやっと少し良くなってきた。睡眠薬等はまだ必要だが、毎朝4時に鳥の声に起こされて耳栓をしなおすこと除けば、夜も寝られるように。在宅勤務も先週よりゆっくりと再開し、この金曜日からまた1週間、晴れて子どもたちとお家で過ごすこととなりました。 パチパチパチ(拍手)。 ただひとつ、「はて、どうしたも

          休校中、先生はお姉ちゃん。

          コロナさんの影響がこんなかたちで。

          新型コロナウイルスによる外出規制がはじまってから、イチコのいるここ、フランスでは早くも1ヶ月半が経とうとしています。それも、きょうの時点ではまだ5月11日までは続くもよう。長いながーい外出規制。 その外出規制がはじまってから、パートナーのマキシムとイチコは、それはそれは規制をきちんと守ってお家にこもっていました。買い物は2週間に1回のまとめ買い、1時間限定で許されているご近所の散歩すら、しない。特にマキシムは、子どもたちを元奥さん宅へ迎えに行くときも、マスクに手洗い、寄り道

          コロナさんの影響がこんなかたちで。

          春と桜と、白ブリーフと。

          フランスのパリ、少し郊外。庭の桜の木が満開になった。今年の桜はなんだか少し、さみしそう。こんなにいっぱい、溢れるように咲いているのに、おかしいね。イチコは心の中で、つぶやいた。それでもやっぱり、桜は安らぎを与えてくれる。 と、日本の友達から写メと一緒にメッセージが届いた。この気持ちが向こうに届いたのかしら。おセンチにメッセージを開くイチコ。 「日本政府から届いた布マスクが手元にあるんだけど、着ける勇気がまだない」 イチコは思った。 「あ、ブリーフ」 このブリーフの大

          春と桜と、白ブリーフと。

          お誕生日おめでとう、パパ。

          コロナウイルスで外出規制がまだまだ続く中、イチコのパートナー、マキシムのお誕生日が今年もやってきました。今回は、子どもたちも一緒にその日を過ごすことができるとあって、どのようにお祝いをするか、子どもたちはここぞとばかりにはりきっています。 イチコは、基本的に、お祝い事などは過剰にせず、ささやかに、気持ちさえあればそれで良い人(単に面倒くさがりとも言う)。であるからして、パパの誕生日にかける、子どもたちの煮えたぎる情熱を目の当たりにして、正直なところ「パパおめでとう」だけでえ

          お誕生日おめでとう、パパ。

          フランスは4月の魚。

          4月1日は「Poisson d'avril(4月の魚)」の日。日本では「エイプリルフール」と言うけれど、フランスでは「4月の魚」と言います。嘘やいたずらをし合うのはここも同じだけれど、それに加えて、子どもたちは魚の絵を紙に描き、それをこっそりと誰かの背中に張っては、からかったりもします。 なぜ魚なの?というのは、諸説あるようなので、Google先生に聞いてみてくださいね。 さて、今週は子どもたちはママン宅にいる週なのだけれど、会わないと(パパが)さみしい、ということで、水

          フランスは4月の魚。

          だいじょうぶだぁ、じゃなかった。

          イチコは、かなしい。 なぜなら、志村けんさんが亡くなったから。享年70歳。新型コロナウイルスによって、突然もたらされた訃報。子どものころ、新聞のテレビ欄に『志村けんのだいじょうぶだぁ』を発見すると、なにがなんでも見逃すものか!と、かじりつくようにテレビの前を陣どった。放送がはじまると、テレビ欄で見つけた時から覚悟はしていたものの、腹を抱えて死にそうになりながら、もうやめてくれー!と悲鳴を上げながら、志村けんさんの勇姿を見ていたのを思い出す。 その訃報を速報で知った時の、ハ

          だいじょうぶだぁ、じゃなかった。

          2週間ぶりの買い物。

          子どもたちは、元気にママンのお家へ移動してゆきました。今、彼女たちは、もうすぐやってくるパパの誕生日に向けて、手づくりのプレゼントを作成中のようす。先ほど「パパと私たちの写真を送ってー!パパには内緒だよ!」と、SMSが届いたので「はーい内緒!わかっとりますよー」と、エマに何枚か写真を送信。パパはというと、さすがに今回は涙を流すことはなく(娘たちを愛してやまないパパは、ひとときの別れの際に、さみしくて涙を流すことがある)、静かな週末の朝を、まだ夢の中で過ごしています。 と、子

          2週間ぶりの買い物。

          今日も元気に頭がいたい。

          ウサギのロロが、彼女の柵の床を一所懸命に掘っています。当然ながら、掘っても掘っても穴などできず、掘っても掘ってもどこへも出てゆけません。その「ガサガサガサガサガッ…」という、プラスチック床を爪でかく音が、歯痛に苦しむイチコの頭にひびくだけ。ロロよ、あきらめてあなたのお気に入りラグの上で、しずかにくつろぎなされ。 そう、何を隠そう、イチコは奥歯がいたいのです。ちょうど、コロナウイルスに対して世間が危機を感じはじめたころ、それははじまりました。今は、歯と頭がうずいてなかなか寝付

          今日も元気に頭がいたい。

          重大なプレゼンの影で勃発、よくある事件。

          イチコはフリーランス。であるからして、お家が事務所。デスクも正味どこだっていいのです。なので今日も、食卓テーブルでお仕事をしています。太陽のやさしい光が届くこのスペースは、家の中でいちばん、気持ちよくいろんなものと向き合えるのです。子どもたちがいる日は、お昼ごはんのためにその都度片付けないといけなかったけれど、マキシムによる「平日はキッチンの小さいテーブルで食べようよ。その方がめんどうじゃないでしょ」というナイスな提案により、より気楽に使えるようになりました。 たまにはどこ

          重大なプレゼンの影で勃発、よくある事件。

          パリも学校休校であるからして。

          今日もよい天気です。 子どもたちは早朝から、自宅学習をするために、車で数分のママンのお家へ出かけて行きました。今週はパパ、もといイチコのパートナー、マキシムがお世話当番なので、お昼すぎにはこちらのお家に帰ってきます。一方、子どもたちを送って帰ってきたマキシムは「今日は午前中、スカイプ会議がないから自由ー!」とか言いながらも、「その間に書類まとめとかな、上司にぶつくさ言われてまうわー」と、しぶしぶ自宅勤務でお仕事開始。 コロナウイルスによる学校休校および外出規制のある間、当

          パリも学校休校であるからして。