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休校中、先生はお姉ちゃん。

家にこもる日々とて、時間は流れる。

先の投稿(「コロナさんの影響がこんなかたちで。」)で書いたとおり、われらが大すきマキシム殿が、今、心身の調子が良くない。とは言うものの、ここのところやっと少し良くなってきた。睡眠薬等はまだ必要だが、毎朝4時に鳥の声に起こされて耳栓をしなおすこと除けば、夜も寝られるように。在宅勤務も先週よりゆっくりと再開し、この金曜日からまた1週間、晴れて子どもたちとお家で過ごすこととなりました。

パチパチパチ(拍手)。

ただひとつ、「はて、どうしたもんかね」と思うイチコ。それは、子どもたち、エマとリリーの勉強をどのようにするか。

もちろん学校は休みなので、先生から送られてきた課題を家で個々こなすわけですが、彼女たちの場合は、その管理は主に母親がしていて、父親マキシムの家で過ごす時も、朝だけ母親の家に行って勉強をしていました。ただ今回は、朝に母親の家へ勉強しには行かず、こちらですることになったのです。と言うのも、お父さんの具合が悪くて一緒にいられず、悲しい思いをしていたリリーが、その悲しさのあまり、ママンに勉強を教えてもらっている間、しょっちゅう癇癪を起こしていたようで、ならば今回はずっとパパの家にいましょう、ということになったのでした。

と、いうことは、誰かがお勉強の面倒を見ないといけません。パパ?いや、彼は朝から多くの会議が続くお仕事。イチコ?いやいや怪しいフランス語しか話せないガイコクジンイチコが的確に教えられるとは到底思えない。むぅ…。

寝る前に、明日からの勉強どうしよう?とマキシムに問うても、「どうしようねえ」とひとこと。マキシムが、仕事の合間に出来るだけサポートするとは言いますが…。

そして月曜日の朝、「おはようさん」とリリーを起こし、エマもそれに続いて起きてきた。「イチコができる仕事はここまででっせ」と、首をすくめてマキシムにバトンタッチ。マキシムは、会議直前まで、先生から送られてきている子どもたちの課題を印刷し、ふたり分まとめてエマに渡す。と、思うやいなや、

「ふむふむ、ふむふむ。リリー!始めるよー!」

と、エマが号令をかけた。なんと、エマはふたり分の課題にひととおり目を通したあと、自分の課題はまず置いておいて、リリーに今日は何をするのか説明をしはじめ、エマ先生による個人授業をはじめたのである。

その様子を見たイチコとマキシムは一度顔を見合わせた後、ええこっちゃええこっちゃ、と、彼女たちを残し、各々、自分のデスクに向かうのでした。

しばらくしてからふたりの様子をのぞいてみると、リリーの課題はひととおり終わりが見え、エマは自分の課題をその横で着実に進めているもよう。妹のお世話をするようママンから言われているのかな、と考えがよぎるも、いやー。4月に11歳になったばかりのエマさん。あなたは立派です。

イチコがはじめてエマに会った数年前、初対面にもかかわらず、学校で描いた絵をプレゼントしてくれたのを思い出す。絵の中には「ICHIKO」と、イチコの名前があしらわれていた。あれから、エマには助けられてばかりのような気がする。たまに(よく?)Betises(いたずら)もするけれど。

ガッチャーン!!(グラスの割れる音)
「キャー!イチコー!またやっちゃったー!」

ああ、エマさん。長ーくつなげたストローでもって、勢いよく吸ってグラスの水を飲もうなんて…

そのストローの長さじゃあまだまだ、ギネスには載らないよ。

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