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2週間ぶりの買い物。


子どもたちは、元気にママンのお家へ移動してゆきました。今、彼女たちは、もうすぐやってくるパパの誕生日に向けて、手づくりのプレゼントを作成中のようす。先ほど「パパと私たちの写真を送ってー!パパには内緒だよ!」と、SMSが届いたので「はーい内緒!わかっとりますよー」と、エマに何枚か写真を送信。パパはというと、さすがに今回は涙を流すことはなく(娘たちを愛してやまないパパは、ひとときの別れの際に、さみしくて涙を流すことがある)、静かな週末の朝を、まだ夢の中で過ごしています。

と、子どもたちがいなくなった土曜日、私たちイチコとマキシムには、コロナウルスゆえの、重大なミッションがひとつ。

そう、スーパーへの買い物です。それも2週間分。

外出する前に、まずは、外出許可証を用意しましょうね、と、イチコとマキシム、それぞれ証明書を書く。買い物目的ですよーってのと、日付や時間も記入して、最後にサインも忘れずに。あ、念の為、身分証明書も持っていこう、と言って、家を出たのは14時半ごろ。

今、フランスは深刻なマスク不足なので、われらのマスクはハナからあきらめています。そのかわりと言ってはなんだけれど、ガソリンスタンドに寄ったついでに、そこでビニール手袋(セルフなので、手が汚れないように使用できる、使い捨て手袋が常時設置されている)を2組、ありがたく頂戴し、いざ、スーパーへ。

今度こそ、トイレットペーパーとハンドソープは手に入れたいな。というのも、もう残りわずかなのだ。前回買い物に来たときは、みごとに棚が空っぽでした。それに加え、ここ数日は卵も品薄になっているとのうわさ。でも、卵も無いと困るんだよなあ。

なんて考えながら到着したのは、パリの少し郊外なので、ちょっと大きめのスーパー。車で到着して早々、イチコはすぐにあるものを発見しました。それは、長蛇の列…200m程はある。入店するために、みんな1m間隔で並んでいるのです。「はぁ…これは長期戦になりそうだ。」と、ふたりして、ひととおりため息をついた後、カートを拭くための除菌シート1枚と、買い物袋3つを持って、車を降りました。

列を並ぶ人々の中には、マスクや手袋があちらこちらと目につきます。マスクをしているフランス人、イチコははじめて見るんではなかろうか。そして列は一向に進まない。後ろにいるおばさんは「さっきからひとつも動かないわよ!もう何人も出て行く人がいるのに、どうして前に進まないのかしら!」と、誰かに電話で文句を言っている。どうやら、何人か決まった人数が出るのを待ってから、決まった人数を入店させるというシステムらしい。待つこと数十分、やっと、お店の中に入ることができました。

となれば、品物のチョイスはすみやかに。家を出る前に、熟考して作成しておいた2週間分の買い物リストを片手に、ポポイポイっと。いつもよりもだいぶんと割り増しに床掃除マシンを動かしている店員さんはいるものの、店内にいるお客さんは当然、いつもよりはるかに少ない。なので、カートがぶつかりそうになったり、誰かの置きっ放しのカートのせいで前に進めない、なんてことはなく「Pardon(すみません)」と言う機会はまるでありませんでした。

ただ、今回一番必要としていたもの、そう、トイレットペーパーがやはり、ない。しまいこんでいた固形石鹸を発見したので、ハンドソープは無くてもまあよい。でも、トイレットペーパーは…。しかたない、イチコ、最終手段はシャワーで手洗いすることにするよ。

その他の商品は、お米もパスタも卵も、無事入手。途中、破れてしまったビニール手袋の指先を、ちょくちょく気にする様子のマキシムを見て、あらら、あなたストレスを感じているわね、手袋の中も汗びっちょり、とイチコは思ったくらいで、あとは滞りなくすみました。お店の店員さんたちは、マスクと手袋をして、一所懸命、働かれておりました。ありがとう、店員さんたち。

そして、家路につくこと14時半すぎ。と、マキシムが言ったのは「買ったもの全部、今から綺麗にするぞ!」。ウララ。なんと、野菜・果物などは水洗い、パッケージものは除菌シートで全部拭くとな。わかった、やるよ。やりますよ…それらすべてをやり終えたのは、17時を過ぎたころでした。いやー買い物だけで半日がつぶれた。そろそろ、夜ごはんのしたくでも始めるか。

とまあ、コロナウイルスの渦中、久しぶりに外出をしたふたりはヘトヘトなのでありました。その反動で、翌日の日曜日はどのように過ごしたかというと、ご想像のとおり。

1日中パジャマだ、いえーい。
ソファーをベットに広げて、ゴロゴロテレビにゲームだ、いえーい。

「この状態、エマとリリーには見せられないね」と、言ったか言わないかは定かではないけれど、見せないほうが身のためなのは確かです。

さて、そのまた翌日。

イチコにとって、うれしいのとかなしいの、ふたつのお知らせがやってきました。それはまた、つぎのおはなし。

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