マガジンのカバー画像

季節を味わう

67
日本の自然や言葉の美しさについて、みのおエフエムの番組内で語ったことのまとめ。 主に、暦、季語、季節の花、季節の色について。
運営しているクリエイター

記事一覧

行事・暦の俳句 7月(季節を味わう#0067)

行事・暦の俳句 7月(季節を味わう#0067)

世界で一番短い詩、俳句。
2024年度からは毎月第3水曜日の「季節を味わう」で その月の行事や暦をピックアップ、関連する俳句をご紹介します。
さまざまな行事・催し・暦の中から私の好みで選びました。

【祇園祭・祇園会】

祇園祭は東京の神田祭、大阪の天神祭とともに、日本三大祭りに数えられていている京都の八坂神社の祭礼で、七月一日の吉符入りに始まり、三十一日の駅神社の名越祭まで、さまざまな行事が執り

もっとみる
7月の季語「金魚」(季節を味わう#0066)

7月の季語「金魚」(季節を味わう#0066)

世界で一番短い詩、俳句。
「季節を味わう」では、毎月第2水曜日に季語を一つピックアップ。
その季語が使われている俳句も紹介します。あくまでも私の好みで。

【金魚】

金魚は鮒を観賞用に改良したもので、室町時代末期に中国から伝えられたといわれています。その後、日本で品種改良が重ねられ、出目金、琉金、蘭鋳など様々な品種が作られました。
ちなみに日本金魚の三大産地の一つに挙げられるのが奈良県の大和郡山

もっとみる
2024年7月の暦・行事(季節を味わう#00065)

2024年7月の暦・行事(季節を味わう#00065)

「季節を味わう」では、毎月第1水曜日にその月の暦や主な行事をまとめます。(全てを網羅するものではありません)

2024年 7月(文月)1日(月) 半夏生

 夏至から数えて11日目にあたる日。昔から、この日までに田植えを済ませていなければ秋の実りが減ると言われていて、農家にとっては大事な節目の日でした。関西には半夏生の日にタコを食べる風習がありますが、これは稲の根がタコの足のように張ることを願っ

もっとみる
6月の花・植物の俳句(季節を味わう#0064)

6月の花・植物の俳句(季節を味わう#0064)

「季節を味わう」では、毎月第4水曜日にその月の花・植物を詠んだ俳句をご紹介します。あくまでも素人の好みで選んでおります。

【百合】ユリ科の多年草。
ユリの歴史は古く、長い年月世界中で親しまれてきました。
聖書にもたびたび登場します。
日本では、弥生時代にはすでに存在しており、球根が食用にもなっていたことがわかっています。
もちろん食用としてだけでなく観賞用としても愛されていて、万葉集にもユリを読

もっとみる
行事・暦の俳句 6月(季節を味わう#0063)

行事・暦の俳句 6月(季節を味わう#0063)

世界で一番短い詩、俳句。
2024年度からは毎月第3水曜日の「季節を味わう」で その月の行事や暦をピックアップ、関連する俳句をご紹介します。
さまざまな行事・催し・暦の中から私の好みで選びました。

【入梅・梅雨入り(つゆいり・ついり)】

毎年6月11日ごろに当たるものの、必ずしもこの日から梅雨が始まるわけではありません。(今年の入梅は6月10日でした)ここから夏至の頃までが梅雨、雨が続くと気が

もっとみる
6月の季語「蛍」(季節を味わう#0062)

6月の季語「蛍」(季節を味わう#0062)

世界で一番短い詩、俳句。
「季節を味わう」では、毎月第2水曜日に季語を一つピックアップ。
その季語が使われている俳句も紹介します。あくまでも私の好みで。

【蛍】

6月の闇夜に、青白い光を放ちながら飛ぶ蛍は美しく、神秘的です。
日本には蛍の名所が数多くあります。
大都市近郊でありながら自然豊かな箕面市では市内各地に蛍が生息しています。
特に明治の森箕面国定公園にはゲンジボタルが生息しており、毎年

もっとみる
2024年6月の暦・行事(季節を味わう#0061)

2024年6月の暦・行事(季節を味わう#0061)

「季節を味わう」では、毎月第1水曜日にその月の暦や主な行事をまとめます。(全てを網羅するものではありません)

2024年 6月(水無月)

5日(水)  芒種

 二十四節気の一つ。「芒」は稲や麦など穂先にある硬い毛のことで、「芒種」は「芒を持つ植物の種を蒔く時期」ということ。実際にはこの頃にはすでに蒔き終えています。このずれは、二十四節気が中国の黄河流域の気候を基準にしていることから起こると言

もっとみる
初夏の食べ物の俳句(季節を味わう#0060)

初夏の食べ物の俳句(季節を味わう#0060)

「季節を味わう」では、第5水曜日にその季節の食材を詠んだ俳句をご紹介します。あくまでも素人の好みで選んでおります。

【粽(ちまき)】

うるち米や餅米などの粉を練ったものを笹の葉や竹の皮などで包んで蒸したもの。端午の節句に作って食べます。もとは茅の葉で巻いて食べたことから粽(ちまき)という名前になっています。

粽結うかた手にはさむ額髪  松尾芭蕉
ちまきを笹の葉でくるむ作業をしている女性が、ふ

もっとみる
2024年4月の暦・行事(季節を味わう#00052)

2024年4月の暦・行事(季節を味わう#00052)

「季節を味わう」では、毎月第1水曜日にその月の暦や主な行事をまとめます。(全てを網羅するものではありません)

2024年 4月(卯月)1日(月) 年度始まり・エイプリルフール

新たな年度の始まりということで、4月には入学式、入社式が行われます。多くの会社で行われる「入社式」は実は日本独自の行事です。個人ごとに個別に入社する海外ではみんな揃っての入社式もない、というわけです。
一方のエイプリルフ

もっとみる
5月の花・植物の俳句(季節を味わう#0059)

5月の花・植物の俳句(季節を味わう#0059)

「季節を味わう」では、毎月第4水曜日にその月の花・植物を詠んだ俳句をご紹介します。あくまでも素人の好みで選んでおります。

【すずらん】すずらんは春から夏にかけて見ることができる植物。1つの茎から、名前の通り鈴のような形をした小さく可憐な白い花を、10個ほど付けます。
すずらんの花は他の多くの花と違って下向きに咲きます。控えめでナチュラルな姿が愛らしい上、すずらんは香りがとても良く、三大フローラル

もっとみる
行事・催事の俳句 5月(季節を味わう#0058)

行事・催事の俳句 5月(季節を味わう#0058)

世界で一番短い詩、俳句。
2024年度からは毎月第3水曜日の「季節を味わう」で その月の行事をピックアップ、関連する俳句をご紹介します。
さまざまな行事・催しの中から私の好みで選びました。

【こどもの日】

5月5日。国民の祝日の一つで、端午の節句とも呼ばれます。
子供の人格を尊重し、子供の幸福を図る目的で昭和二十三年に制定されました。

子供の日小さくなりし靴いくつ   林翔

お子さんが誕生

もっとみる
5月の季語「風薫る・薫風」(季節を味わう#0057)

5月の季語「風薫る・薫風」(季節を味わう#0057)

世界で一番短い詩、俳句。
「季節を味わう」では、毎月第2水曜日に季語を一つピックアップ。
その季語が使われている俳句も紹介します。あくまでも私の好みで。

【風薫る、薫風】

五月は木々の緑が美しい季節です。
「風薫る」「薫風」は、緑の香りを運ぶ心地よい風のことを表現した季語です。もともと和歌では花や草の香りを運ぶ春風のことを意味していましたが、俳句では初夏の風の意味で使われるようになりました。

もっとみる
2024年5月の暦・行事(季節を味わう#0056)

2024年5月の暦・行事(季節を味わう#0056)

「季節を味わう」では、毎月第1水曜日にその月の暦や行事をまとめます。

2024年 5月(皐月)1日(水) メーデー、八十八夜

「メーデー」はかつては「労働者の団結と主張の場」と位置付けられていましたが、現在は「働くすべての仲間の祭典」となっています。
「八十八夜」は立春から88日、暦の上での夏の始まりである「立夏」を数日後に控えて、夏の準備を始める日です。

3日(金) 憲法記念日

 194

もっとみる
4月の花・植物の俳句(季節を味わう#0055)

4月の花・植物の俳句(季節を味わう#0055)

「季節を味わう」では、毎月第4水曜日にその月の花・植物を詠んだ俳句をご紹介します。あくまでも素人の好みで選んでおります。

【藤】藤は山野に自生するマメ科の蔓性植物で、晩春に咲きます。「藤色」という色の名前になっているほど、美しい色合の花を咲かせます。小さな蝶々のような形の花が房をなすのが特徴。藤棚に仕立てて、垂れる花の様子を楽しみますが、風に揺れる様も風情があります。
藤は万葉の時代から歌に詠ま

もっとみる