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令和の北前船 2022夏 DAY7 飛騨高山と世界遺産 「白川郷・五箇山の合掌造り集落」


↑前日の記事はコチラ

飛騨高山

トンネルが延々と続く東海北陸自動車道(名古屋~岐阜~富山)

9月13日(火)。7日目は足を伸ばして飛騨高山からスタート。
前日のアルペンルートから遠路移動して12日の夜に高山へ到着し投宿。合掌造りも見たかったので新潟方面へ一筆書きで抜けられるルートを選択。
富山県の平野部からはトンネルを何度も通り抜けてたどり着く。飛騨は山の国だ。

13日朝 宿から高山市街方面

合掌造り集落に向かう前に、まずは高山の街を散策してみた。

高山城趾

市街地奥にある小高い丘

市街を見下ろす高台にあり遊歩道も整備されていてトレランには最高の環境!軽めの朝の散歩。

金森長近像

この銅像は高山城主金森長近。
戦国時代に豊臣秀吉から飛騨国を与えられ、飛騨高山の礎を築いた武将。

市街地へと戻ります

高山陣屋

城趾を下り、高山市街地の中心部にある史跡「高山陣屋」へ。

良質な木材の産地として江戸時代中期以降は幕府直轄の天領となった高山。
当時の郡代・代官所が主要な建物を残したまま現存している。

天領なので「葵の紋」

古い町並み

陣屋から川を渡ると、江戸時代の古い商家が残るエリア。お土産用の日本酒を買い求めて歩く。垢抜けていない風情があって個人的には金沢より好き。

北アルプス岐阜側の山麓、山また山の地に歴史と文化薫る街があるのは歩いていて不思議な気分だった。日本列島は奥が深い。

白川郷

高山から1時間ほど移動して11時過ぎに白川郷到着。
「お食事していただくと無料でずっと駐車できます」にしっかりひっかかり公営駐車場手前で蕎麦をいただく。飛騨牛美味しかった…

この日の昼食

世界遺産の合掌造り集落は岐阜県側に1つ、富山県側に2つあるのだが有名なのは岐阜県側の白川郷。

駐車場から集落へは綺麗な渓谷を渡る
集落を一望する高台から

かなり観光地化されているものの現役の集落であり、川を渡った盆地一帯にあって隈なく廻ると2,3時間かかる。洗濯物が干してあったり、住んでいる人の軽トラが通りすぎていったりと生活感のある場所だった。

稲刈りの季節

冬のイメージが圧倒的だが、訪れたこの日はちょうど稲刈りシーズン。稲穂が合掌造りをバックに映える風景は豪雪地帯の田舎の原風景だと思う。
北陸を旅していると「煤けたような古い木造家屋&田園」は至るところで見られ、豪雪を毎年乗り越えている人たちに道民目線から親近感が沸いてくる。

暑い日でした
かん町の合掌屋根

こちらは白川郷を紹介するポスターなどでよく使われる構図の「かん町の合掌屋根」。集落の外れにあり、なかなか見つからずウロウロしたけど、場所だけではなく構図もどこから撮れば3棟並ぶのか初見では分かりにくい。
構図の仕組みに気づくとかなりスッキリした気分に。畦道から撮るのか…

五箇山

白川郷に続いて、富山県側の五箇山。

菅沼合掌造り集落

まずは菅沼合掌造り集落。
さすがは世界遺産。駐車場からはエレベーターで向かいます。

集落全景

日本海へと続く「庄川」沿いに9個の合掌造りが残る小さな集落。養蚕や紙漉きが代表的な産業だが、五箇山の特徴として挙げられるのが火薬の原料である硝煙作りだ。

塩硝の館

現在ではトンネルで比較的簡単に辿り着く五箇山も本来は深山幽谷の地。
戦国時代は織田信長vs石山本願寺において、地政学的に一向宗の強い北陸という土地柄であることから本願寺側へ硝煙を供給する地であった。さらに、江戸時代は加賀藩の領地として幕府の目が届かない秘境であることから硝煙作りが継続されたという(ちなみに白川郷は天領)。
植物に含まれるカリウムを抽出すると硝煙が生成されるそうで、傍目には非常に平和な産業に見える…と。

深山幽谷の地であることから加賀藩の流刑地としても利用され、のどかな風景の裏には色々な歴史が隠れている。

庄川を越えて人を運んだ籠

白川郷に比べると、観光客の層はかなり異なっていて非常に落ち着いた雰囲気。価値をじっくり味わいたい少数層が多いイメージ。合掌造り集落としては五箇山の方が奥深いかもしれない。

相倉合掌造り集落

菅沼を経て最後は同じく五箇山の相倉合掌造り集落。

集落全景

菅沼同様に養蚕、和紙、硝煙を主産業とした集落でこちらは20棟ほどの合掌造りが現存している。
「陸の孤島」という言葉がぴったり当てはまる土地だからこそ、厳しい風雪を耐える独特の文化が育まれ、合掌造りもノーマライゼーションの波に飲まれず大事に受け継がれてきた。日本人であれば必ず懐かしさを感じる風景。今度訪れることがあったら合掌造りに宿泊できる宿もいくつかあるのでじっくり滞在してみたい。

新潟へ

この日の投宿は新潟県上越市。
旅も残り1日。本当は糸魚川に泊まりたかったが宿が空いていなくて一つ先の上越へ。

富山湾の「海王丸パーク」。
白鳥大橋の親戚?

富山方面から向かうと、黒部川を越えた辺りからはトンネルが連続するエリアが永遠に続く。黒部川を越えているときは、「必ずまた来るぞ」と誓いながら。
「越前」「越中」と続いてきたこの旅もついに「越後」。関西方面から北陸道を進むと最も「後」に「越」える新潟県。
福井、石川、富山と比較的街と街の距離が短かった北陸だったが、新潟に入ると北海道とあまり変わらない距離感になってくる。

上越到着!

宿のある駅前は「上越妙高駅」という北陸新幹線の駅。
駅前には新潟らしく上杉謙信像。

若き日の上杉謙信像(翌朝撮影)

今とは平均寿命が違うとはいえ、自分と同年代の頃には既に家督を継ぎ、第一次川中島の戦いに赴いている謙信…。
自分も頑張らないと。

次の記事は「DAY8-1 糸魚川世界ジオパーク」です!
今回もありがとうございました!


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