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徒然エッセイ まとめ

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旅とか本とか音楽とか、徒然に書いたエッセイまとめ。
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2020年7月の記事一覧

ケセンロックと私。

ケセンロックと私。

 2015年から毎年、海の日の3連休は岩手の種山高原へ帰ると決めている。天気はだいたい雨で、長靴とレインウェアが正装だ。そんな中、私はそこでキャンプをする。テントを張って。大好きな田舎の夏祭り、KESEN ROCK FESTIVALに参加する為に。

 昨年開催10回目を迎え、今年はフェス自体が力を蓄える為に前向きなお休みをしている所だった。コロナ禍で今年の音楽フェスはことごとく中止になる中、例年

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都内で少しだけ旅気分を味わった話

都内で少しだけ旅気分を味わった話

 2月4日から、ダイヤモンド・プリンセス号で9日間のクルーズに出発する予定だった。しかし、だ。私が乗る予定だった船は、出港する事は出来なかった。残されたのは有給。半年以上前から根回しをしていた休暇はそのまま取得することになった。そして、一緒に乗船予定だった東京の友達を訪ねた。
 せっかくだから、少しでも旅行気分を味わえることをしよう、そんなテーマで動くことになった。いつもだったら友達宅に泊めてもら

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旅をする本

旅をする本

 江國香織の「神様のボート」を初めて手にしたのは、今から20年近く前のプラハのバックパッカーズだった。1泊だけ一緒だった、日本人の女性が帰国する際、活字が恋しくなるよ、と持っていたこの本をくれたのだった。

* * *

 フランクフルトの空港に着いた後、そのまま夜行列車でプラハに向かった。海外で列車に乗るのも、コンパートメントの車両も、真夜中に国境で列車内にて出入国の手続きを行うのも全てが初めて

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ザイオン国立公園で勘違いして、人生が180度変わった話

ザイオン国立公園で勘違いして、人生が180度変わった話

 プロフィールにゆるトレイルを歩くのが好き、みたいに書いているけれど、元々運動が大の苦手だ。学生時代の体育の授業や体育祭が本当に大嫌いで仕方がなかった。雨降らないかな、中止にならないかな、といつも願っていた。そんな私が、どうして歩く様になったのか、随分と昔の記憶を辿ってみたいと思う。(いまだに歩くと言っても、ゆるゆるなんだけど……)
※写真はエンジェルス・ランディング・ポイント「天使が舞い降りる場

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