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都内で少しだけ旅気分を味わった話

 2月4日から、ダイヤモンド・プリンセス号で9日間のクルーズに出発する予定だった。しかし、だ。私が乗る予定だった船は、出港する事は出来なかった。残されたのは有給。半年以上前から根回しをしていた休暇はそのまま取得することになった。そして、一緒に乗船予定だった東京の友達を訪ねた。
 せっかくだから、少しでも旅行気分を味わえることをしよう、そんなテーマで動くことになった。いつもだったら友達宅に泊めてもらうけれど、今回は旅気分を味わえる様にホテルも取って。これこそ、マイクロツーリズムだったな。

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■THE KNOT TOKYO Shinjuku
 旅するホテル、と言うサブタイトルが付いたホテルだ。都庁の裏側、新宿中央公園に面した立地。シンプルな海外のホテルの様な部屋で、料金も比較的リーズナブル。そして何より、2月上旬に泊まった時は、宿泊客の8割〜9割が欧米やアジアの外国人。日本語が聞こえない。新宿なのに、ここどこ?ニューヨーク?そんな気分だ。

 特筆すべきは、美しい朝食ビュッフェ。色とりどりの野菜やホテル併設ベーカリーで焼かれるブレッド、チーズやハムが並ぶ。その姿が目にもおいしく、美しすぎるのである。また、どのテーブルを見ても外国人の中で、私たちが海外に紛れ込んでしまった錯覚に陥る。
 7月より宿泊営業を再開している様だ。ビュッフェ等は中止している場合もあるので、確認が必要だが、普段東京で暮らしている友達にもとても満足していて、旅気分を手軽に味わえる1軒だと思う。

■東京ジャーミィ
 新宿から代々木上原まで電車で移動をし、東京ジャーミィ・トルコ文化センターへ。東京にモスクがあることを知らなかったのだが、日本最大のイスラム教寺院であり、一般へも開放されている。青い空に白いモスクが映える。重厚な木の扉を開くと、そこは異国だった。受付にいたムスリムのおじさんに見学したい旨を伝えるとどうぞどうぞ、と中に入れてくれた幾何学模様にシャンデリア、全てが美しい。

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 そして、礼拝堂は圧巻だった。ドーム型の天井にブルーの絨毯とブルーステンドグラス。美しい。そして何より、実際に生活の一部としてムスリムのみなさんに利用をされているので、時間が近づくと徐々に人が集まって来た。邪魔をしない様に、そっと退出をし、2階のカフェテリアへ向かった。
 トルココーヒーと甘いシロップが染み染みのピスタチオのバクラヴァ、ローズウォーター香るミルクプリンを頂く。窓からは礼拝堂へ入っていく人々のが見える。ランチプレートもあり、隣の席からは良い匂いがしていた。

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■代々木八幡宮
 お茶をしてゆったりしたので、そのまま散策に出かけた。代々木八幡宮を参拝し、境内を歩いていると、突如として古代住居跡が目の前に現れた。

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 代々木八幡遺跡と言う様で、渋谷区指定史跡になっている。昭和25年に発掘調査が行われ、多くの土器や石器や、縄文時代の住居跡が発見されたそう。まさか東京のど真ん中で縄文遺跡に出会うとは思っていなかったので、驚きであったし、その時代から東京には人々の生活があったのかと思うと感慨深い。最近縄文にはまっている私にはとても気分の上がる出来事であった。

■桉田餃子
 そのまま、お昼をどうしようかと言う話になり、前々から気になっていた桉田餃子へ行くことに。散策をしながら来た道をまた戻る。お店に到着すると、数組が並んでいたが、そこまで待たずに入る事が出来た。

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 注文したのは、水餃子定食。個性的な、白菜と生姜、香菜と胡瓜、大根と搾菜、カレー風味と人参の4種類の水餃子が2個ずつ、それに豚そぼろご飯と海藻湯。水餃子はどれを食べても美味しいし、個人的には豚そぼろご飯がとても気に入った。ビールを頼めば良かったな。冷凍餃子を取り寄せも出来る様で、そのうち頼んでみようかな、と思っている。

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 帰りは新宿までゆっくり歩いて戻った。結構遠いかな、と思っていたけれど、地図を見れば3kmほどだ。全く歩けない距離じゃない。会話しながら、気になる所で立ち止まりながら、これも旅でいいんじゃないだろうか。
 遠出が中々難しい今、自分の身近な所で旅気分を味わうことも、新しい発見になるかもしれない。

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